組込みソフトウェア開発向け品質作り込みガイド: ESQR Ver.1.0

制作 : 情報処理推進機構ソフトウェア エンジニア 
  • 翔泳社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798118840

感想・レビュー・書評

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  • 組込みソフトウェアの開発プロセスにおいて、品質作りこみに必要なプロジェクトの各工程におけるメトリクス(測定指標)を洗い出し概説している。
    プロジェクトおよび開発の状態をメトリクス(測定指標)に基づいて具体的に把握することで、プロセスの見直しやプロジェクト立て直しなどの対策を立てることができるわけだが、これだけ各工程であらゆるデータを(取ろうと思えば)とれるというのは興味深い。
    プロジェクトの遂行状況や製品の完成度がよくないことは感じていてもどうしていいかわからないというのが、恥ずかしながら自分の現状だ。少なくとも、問題そうなところを、データ測定するまで行かなくてもあたりをつけて手をつけることができるのでは、と感じた。

    惜しむらくは、読み物としては読みづらいこと。確かに、必要都度参照するものなので、読み物としての側面は薄いものだが、読んでいると目が滑る。
    日本語としては正しいのだが、文章としての構成がこんなにも読みやすさに影響するものだと思い知った。
    段落わけや箇条書き、適度な空白、要点をまとめた文章の効果を思い知った。

  • 非常に丁寧にまとめられており読みやすい。初心者向け。逆に言えば、これまで多少なりともプロジェクトマネジメントをかじった人には目新しさはないと思う。

  • ET2008でアンケートに答えていただきました。
    ありがとうございます。

    第1章 品質作り込みガイドの読み方
    第2章 システムプロファイリングを利用した品質目標値の設定
    第3章 品質指標の定義と参考値
    第4章 高品質作り込みのためのヒント

    の4章構成です。

    批判は覚悟の上で業界のため一歩進めようという志が感じられるのですが、それでも大切なテーマだけに「今、出版する必要があるのなら第4章だけを膨らませた本だったら良かったのに」と思いました。

    そしてね。出版は1年遅れるかもしれないけど、第1章から第3章の内容は、実際のプロダクトに適用し、その効果を検証してから本にして欲しかったです。

    だって書名は「ガイド」です(中には言い訳がたくさん書いてあったけど)。登山で言えば、一度もその山に登ったことがない人にこの道がいいよと「ガイド」されても嫌でしょう?

    日本アルプスなら、こういった装備で、ヒマラヤなら、さらにこれこれの重装備にしてねと言われても、そして、それがどんなに定量的で具体的に示されていても、その方法で試した実績を示されない状況下で安心して「ガイド」に従えるでしょうか??

    たとえば、テスト密度。101ページの備考欄に「参考値は、関数1つの行数を120行とした場合、NQで関数1つに対し、6項目のテストを用意すると言った目安で算出しています」とあるのですが、そんなに少ないガイドで大丈夫でしょうか?
    この本を読んで初めてこういった指標を導入しようと考える企業だってあるわけで、そこは、きっとNレベルの仕事だろうから、NQレベルの半分ってことは、40行で1件のテスト密度で(品質作り込み活動を)スタートしてしまうかもしれません。。。
    いや、この本の数値で正しいのかもしれないけど、私には、えぇぇーって感じなんだけどなぁ(もっとも、101ページに書いてある計測単位が「項目」ではなく「%」の誤りで、かつ備考欄も誤植なのかもしれません。そうだとすると、4行に1件のテスト密度となるので頷けます)。

    と、ここまで書いておいて、そういえば、似たような日記を書いたことがあったっけなぁと、記憶が甦ったのでリンクを張っておきます

    あぁ、逆に言うと、未検証の状況で出版するのなら、書名が「組込みソフトウェア開発向け品質作り込みコンセプト提案」とかだったらよかったのになぁ。

    と、ぶちぶち文句を述べましたが、先に書いたとおり第4章に書かれているヒントはとても実践的で良かったです。また、第1章から第3章に書かれていることも考え方は「プロジェクトプロファイル補正」を除いて賛同できるものですし実際にやっていることも多いです。説明もとても丁寧で初心者にも判り易く書かれています。

    特に、システム障害影響評価スケール(ST-SEISMIC Scale)が地震の震度になぞられているところとか、判りやすくていいなーと思っています。

    ということで、とりあえず、自部門に本を紹介して取り入れるべきは取り入れようという活動を始めました。

  • IPA/SECから出ている書籍では、機能安全のガイド、コーディング標準、プロセス改善ナビゲーションガイドベストプラクティス編とともに、ベストとして推奨できる冊子です。

    2008年11月19日から横浜パシフィコで開催中のET2008のIPA/SECのブースで、
    お披露目をしていました。

    ソフトウェアの品質については、日本規格協会の「ソフトウェア品質評価ガイドブック」が絶版になっているので、現場は困っていました。その困っていることに、素直に答えてくれています。

    ソフトウェアとは関係のなさそうなことでも、実はソフトウェアの品質特性としてつかっていいことなどを紹介すると、測定、改善のきっかけになったかもしれません。

    第4章は、それぞれ、4.1伝達、4.2文書、4.3 見直し、4.4 試験、4.5 活動についての教訓が描かれてとても参考になります。

    12づつ教訓が例示してあるので、ひとりづつ、優先順位をつけてみて、比較してみると、議論のきっかけになると思われます。

    2009年2月6日に名古屋でセミナがあり、いろいろ内容が聞けました。

    組込み系のガイドは、順次改訂されているので、演習などの結果に基づいて、教育例、実践例が追加されることを期待しています。

    ps.
    課題としては、書いている人、レビューをしている人が、大企業に偏っているように読めてしまうことです。
    資源と時間が少ない現場で、もっと簡単なことを測定するだけでも有効なことがあるような気がします。

    見出しを含めて、カタカナ語が多く、読みにくい気がしました。
    漢字の言葉と(English)で記載してあると、分かりやすいかもしれません。

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