アフリカの老人──老いの制度と力をめぐる民族誌──

  • 九州大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798501789

作品紹介・あらすじ

したたかに老いるこの人たちを見よ!
アフリカの大地からの報告。

アフリカをこよなく愛する文化人類学者たちが,エチオピア,ケニア,マダガスカル,コモロ諸島,南アフリカにおけるフィールドワークを通して,老人たちの多様な姿を描き出す比較民族誌。地球規模の高齢化が叫ばれるなか,老いることの価値と目標を問い直す。カラー口絵4ページほか本文中にアフリカの老人たちの写真を多数収録。

感想・レビュー・書評

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  • 仕事用に。

  • いゃー、老人のあり方に密着した学問的な話、とか。なかなか視点が面白いと思った。
    それも、着眼点が、必ずしも高齢(化)社会がどうとかいうことではなく、純粋な、社会のにおける老人の捉えられ方、みたいな感じで。

    いろいろ、へぇーっ、ほぉーって思う社会システムがたくさんありました。アフリカで、制度として意外と結婚年齢が高い(30以上じゃないとダメとか。まぁ、男性に限っての話で女性は若者が好まれる訳ですが。)ということとか、長老というのはたまたまその人が人徳などで選ばれるのではなく、実は細かい決まりがあって、金銭的な負担(儀式その他)を一人前に行った人がなる制度で(国や地方にもよるが)、でもそしたら結局金持ち支配の社会かぁと思ったらそうでもなく、ちゃんと下剋上システムが用意されてたり(笑)。社会の縮図を見た。最小の国家システムとは?を見てる気分(笑)。
    コモロ諸島では、結婚式を盛大に執り行う流れにあり、その費用が最低800万円程度と聞いて、飛び上がる程驚いた。年収(一人当たりGDPで換算したとして)の10倍ですよ…信じられん。。すごいな見栄と名誉…という感じでした。

    でも、どこも、どんどん中途半端に現代システムが混ざり始め、バランスの維持に苦労しているみたいでした。

    あと、とりあえず、アンチエイジングなんか、社会か老いを肯定的に捉えさえすればいらないじゃん、という記述も印象的でした。

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