邪神決闘伝 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)

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  • 創土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798830230

感想・レビュー・書評

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  • 菊地秀行が西部劇を書いた!という風に話題になっている本作、何を今更と私は思う。菊地秀行は当初から西部劇を書いてきたではないか。たとえば『吸血鬼ハンターD』は、未来または並行世界の地球だけれども、その世界観は明らかに西部劇だ。『魔界都市新宿』はどうか。あまりにも怪美であるため目を奪われてしまうが、これは東京の副都心がいきなりフロンティアになってしまった、というセンス・オブ・ワンダーに充ちた物語だとも言えるのだ。
    であればこそ、クトゥルーという要素が加味されているとしても、正統的な西部劇に着手されたということは、まことにめでたいことだ。菊地秀行の真骨頂ともいえる作品を読むことができるからだ。事実、最初の1行目からこれは面白い。なんといっても、いきなりのガンファイト、そしてそこに登場する「忍者」……この意表を突く展開もいい。
    西部劇は良く知らないんだという場合でも、菊地秀行のエッセンス満載という切り口からどんどん読めると思うし、往年の西部劇大好きという読者なら、絶対に、あちこちでにやりとする演出でいっぱいだ。まあ、ワイアット・アープだの、ドク・ホリディという名前だけでわくわくしてしまうなら、すぐさま読め。絶対に後悔しないから。

著者プロフィール

1949年千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、雑誌記者を経て82年『魔界都市〈新宿〉』でデビュー。以後、20年以上にわたりエンターテインメント小説界を牽引し続け、著作は300冊を超える。著書に『吸血鬼ハンター“D”』『魔界都市ブルース』『妖獣都市』等多数。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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