超訳 ラヴクラフト ライト1 クトゥルーの呼び声他

  • 創土社
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本棚登録 : 42
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798850016

作品紹介・あらすじ

難解と言われる「H・P・ラヴクラフト」の作品が親しみやすく、より読みやすくをコンセプトに『超訳LLシリーズ』として生まれ変わりました。「クトゥルー神話」には興味があるけど読みにくくて…という方々にお勧めです。

感想・レビュー・書評

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  • ライトノベルというよりジュブナイルですね。一人称は入りやすいく入門としては良い感じなので、こどもへの布教活動に使用したい。収録2作「邪神の存在なんて信じていなかった僕らが大伯父の遺した粘土板を調べたら……【クトゥルフの呼び声】」分かりやすく書かれています。メグという相棒の配置が改変ですが、主人公にしか見えないとか設定すればよいのに「前略、お父さま。【ダンウィッチの怪】」ちょっと改変をし過ぎでは?個人的にお気に入りのアーミティッジ博士に手を付けるなんて、いただけません。原典は秀逸なので、ぜひ読んでください。

  • ラヴクラフトの、文章が読みづらいという点に着目して翻案をやってみた結果。クトゥルー神話におけるラヴクラフト作品は、仏教におけるお経のようなもので、文字を眺めてはいても内容を理解してる人はそこまでいなさそうではある。実際、いあいあだのふたぐんだの言ってる奴らの何割がラヴクラフトまともに読んだことあるのかって話。そんでこれは最近よくあるお経を現代的な文章に置き換えて唱える系の派生みたいなもんでしょうね。
    ところで登場人物を少年少女に置き換えるって書いてあると、青い鳥文庫的な外国作品のジュヴナイル化を思い浮かべてしまうが。
    まあ、でもそのくらいやらないと意味分からないですよねー。
    読んでみて、ああそういうこと……と感じたり、こんな話だっけ?とか思ったり。
    まあ、現代的文章に変わったから恐怖感なくなったってことは、要するに話自体はつまんないってことだよね。文章でコケ脅ししてただけってね。
    まあ、東京創元社の奴の時点でも別に怖くはなかったけど。まあ、なんですな。要するにラヴクラフト作品ってのはクトゥルー神話を理解すると言うか、派生作品を楽しむために必要な要素であって面白いかとか怖いかとかは大して重要じゃないですよね〜。戦前の作品だしつまんなくて当たり前すよね。

    時代背景やら内容の補足も行なってはいるので既に作品読んでる人にもオススメ。というか、読んでて忘れてるとか記憶から完全に抜け落ちてる部分が多いのでちゃんと把握するためにも読んでおいたほうが良いかも知れない。普通の翻訳ならネット上にいくらでもあるわけだし(多分)。
    しかしこうもわかりやすく書かれるとどうも小林泰三作品読んでる気分になりますね。超空想科学奇譚のあれって、要するにコレだったのね……。
    上にデカい顔付いてるとか怖すぎる……。双子の片割れのイラストは見事だな。よく考えたら文章だけじゃ意味わからん造形のモンスターばっかりだからイラストは必須ですよねぇ。
    やっぱり何だかんだ言ってCコミックよりはまだまだまとも。どっちかというとラノベというよりジュヴナイルと言った感じで、ニャル子さんやテケリさんみたいなトンチキなものではないのでそこは安心して手に取って良いとは思う。
    それにしてもこの翻訳者名は一体……。
    小伝読む限りダーレスとラヴクラフトは、要するにジョブズとウォズみたいな関係だったんですかね。
    自分も昔は原理主義者気取ってたけど、流石に文章のよみにくさに挫折して辞めた。
    なんせ、自分はストーリー追ってるつもりだったのに気がつくと夢の中で続きが展開していた。読み終わったはずなのに、内容に関する記憶が消去されていた。読んだはずの内容が、あとから変化する。漫画版で原作にはないはずの描写が出てきたので原作も確認すると、原作に漫画と同じシーンが追加されていた。などなど。これは単に難解すぎて途中で寝たとかうろ覚えだったとか目が泳いでたと言うにはあまりにも恐ろしい現象ではあるまいか。

  • 読了に時間がかかったのは、ラヴクラフトだからなのか、ラヴクラフトの超訳だったからかは不明。
    軽く読めるのも確かだけども、重厚感やおぞましさに欠けるのは仕方の無いところか。
    むしろ、巻末の解題や小伝の方が面白かったのは苦笑してしまった。
    2巻目は筑紫野市の蔦屋で見かけたけど、未入手。
    手に取る縁があれば読むかな。

  • よくまとまっているし、面白かったと思う。原作であるラヴクラフトの作品は、東京創元社の文庫版『ラヴクラフト全集』が入手しやすく、定番なのだけれど、こちらは訳文が難しい事でも有名。
    勿論、ファンというか、マニアにとってはそこが良いのだけれども、確かにこれでは、あまり古典を読み慣れていない読者は手が出しづらいだろうと思う。
    本作でラヴクラフトに興味が湧いたら、改めて手に取る、でも遅くはない。
    けれども、ツッコミどころが幾つかあったのも事実だ。
    たとえば、1926年のニューイングランドで、上流家庭の女性が空手を修練しているというところ。格別、彼女が空手で実戦に臨むシーンはないのだが、ならば余計に、違和感が残る。体を鍛練するなら、時代や場所を考えると、乗馬が自然だったのではないだろうか。
    空手が「空手」として形になってから歴史が浅い。20年代に、ようやくハワイに伝えられている事がわかっており、一般に、空手がアメリカ本土に紹介されたのは、戦後二本で空手を学んだ米軍の軍人たちによるものというのが通説だ。
    仮に、この女性の近所の空手(またはその前身である「手」など)を修練した人がいて、学ぶ事ができたとしても、この時代の空手家が、女性に空手を伝えたかにも疑問が残る。
    そこも一億歩ほど譲って、女性に空手を教える人がいたとして、どうしても空手は指先を鍛錬しなくてはならないし、拳も鍛えなくてはならない。手の美しさも重要であったはずのこの時代、ニューイングランドの上流家庭でそれが許されただろうか?
    次に、蒸気船でガソリンを燃料にしていると描写されているところ。蒸気船といえば一般的に、石炭である。このことは、Wikipediaの「蒸気船」の項目の冒頭にも記されている。
    重油を燃料に使う蒸気タービン船は蒸気船とは呼ばないようであるし、いずれにせよ重油であってガソリンではない。
    問題のアラート号は快速船となっているだけで、どのような船なのか詳細が書かれていないが、いずれにせよガソリンというのはまずあり得ないと思われる。
    全体的に見ると、うまくまとめられており、面白く演出もされているので、このようなツッコミどころがある点はまことに残念と言うほかない。

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