独学術 (白取春彦の思考術) (ディスカヴァー携書)

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799312254

感想・レビュー・書評

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  • 良書 辛口の独学法伝授法テキストである
    けっこう、納得感があり、実学という説得力がある。大人は自ら学ぶ。
    税抜き1000円で200頁に満たない本であるが、お買い得感満載でありました。

    気になった言葉は以下です。

    ・学習の本質は「まねび」、上手にまねること。年端もいかない子供がするもの、何も知らないものがとりかかる最初の数歩のこと。つまり、LEARN
    ・独学は、そこをすでに超えている大人がするものである。つまり、STUDYだ。
    ・独学の独とは孤独ということではなく、特定の師をもたないことだ。しかし、多くの師をもつ。本物の最高レベルの師を持つのが独学である。
    ・語学は、自己努力という意味での独学がなければ修得されない。語学学校に行こうが大学に行こうが自分で勉強しなければ、つまるところ何も身につかないのである。

    ・入門書が初心者向けでわかりやすいという保証などない。それよりも、哲学書そのものを読んだほうがずっと手っ取り早い。解説書をよむより、オリジナルを読むほうがはっきりとわかる。
    ・教科書は、説明不足の辞典のようだ。
    ・疑問をもとう。単純に「それはいつから始まったのか」という疑問でいい。
    ・誰にしろ、疑問がなければ知ることはできない。尋ねたり探したりしなければ、本当のことはわからない。
    ・何もかも漫然と眺め、世にあるものいっさいをあたりまえだと受け止めている限り、疑問は出てこない。子供のように、あらゆるものに、「なぜ」という疑いを持たないと知識は得られない。
    ・情報とは、そのつどの状況の一端を伝えているもの。知識は常に有効であり、応用範囲が広く、古くならない。

    ・本当に独学をしている人は何をやっているのか。それは、ただひたすら本を読み考え、知の世界を広げているだけである。
    ・常習的に飲酒する人間が独学どころか、まともなことをやれるはずがない。
    ・独学の障碍になるのは、時間の少なさではなく、感情の乱れや不健康である。
    ・哲学といっても、何か抽象的で専門的な事柄を難しく考えることではなく、実際には生活の中で起きる小さな疑問を追究していくと結局は哲学になるということだ。

    ・最初から難しい本を読んでもいっこうにかまわない。それが、難しい本だからこそ、読む価値がある。
    ・雑多な本を、中途半端な読み方でいいから一度はめくってみる。
    ・経済学の本、哲学の本、宗教書も、小説と同様に、映像を見て理解するように努める。
    ・読書をする時は、イメージをつかむため、辞書、事典、地図を横においてすぐに調べることができるようにする。

    ・理解できない事柄は想像ができない。意味のないものとして、ぼんやり通過していくだけだ。
    ・眺め読みをいてみる、ぱらぱらとめくってみる。半分読めば、中身がだいたいわかるものだ。
    ・本は必ず買うこと。傍線を引いたり、端をおったりできない。書きこめないので、本をノートの代わりにも使えない。
    ・傍線を引くところ、①重要点、②疑わしい点(線の種類、色をかえる)、③数行にわたる文章、当然、傍線は読んでから引く。
    ・書き込みはメモ、語句程度で、あとから振り返ってもわかるように明確に書く。
    ・理解するために、音読する。これを素読という。
    ・たくさん本を読むことによって、速読ができるようになる。いくら読むのが早くても、理解が不十分であれば、何の意味もない。

    ・教養を身につけるとは、勉強をするということではなく、知識や知恵を現実の行いに生かすということだ。
    ・芸術については、宗教がことのほか強くかかわっている。
    ・世界を理解するためには、聖書を知らなければならない。真の教養の第一は、聖書を読むことである。
    ・同様に、イスラム教では、コーランと、ハディース。仏教で手ごろなのは、スッタニパータ(ブッタの言葉:岩波文庫収蔵)、道元が修行僧向けの修行マニュアルである正法眼蔵をすすめている。

    ・日本語ができなくては、外国語もできない。日本語で表現できる事柄の60%程度しか外国語では表現できない。
    ・持続する意思と、異常な努力なしには外国語は修得できない。言い換えれば、かなりの読書量があり、成績が優秀でなおかつ、日本語における表現がすぐれていなければ、外国語を身につけるのは困難である。
    ・外国語を学ぶのであれば、言葉のセンスがあったほうがいい。言葉のセンスとは、言葉全般についての強い関心である。
    ・学習のコツは、その外国語全体を俯瞰しておくとよい。具体的には文法をまとめた本を二日程度で読み切っておく。
    ・辞書は、例文の豊富な厚いものを買うべきだ。薄っぺらい辞書は上級者向けである。
    ・あと必要なのは熱中である。自分でバカになったのではないかと思えるほど集中して取り組まなければ望むレベルに達することはできない。

    ・読む力を直接育てるのはただ一つ、とにかく読み続けていくということしかない。
    ・外国語は慣れというのは、その外国語に接している時間を多くせよということだ。至極あたりまえのことだ。

    ・どんな事柄も、自分で調べることで新しい側面が見えてくる
    ・調べたい事柄のキーワードをいくつも書き出してみる。
    ・その書物で用いられている言葉や用語をきちんと調べて理解すること、同じ用語であっても、本によって違う意味に使われていることがある。
    ・述べられていることを頭から信じない。疑ってかかる。
    ・フリーノートを用意して、いろいろな疑問や、発想を書き留めておくと便利だ。

    目次は以下の通りです。

    第1章 勉学は独学にかぎる
    第2章 難解な本を読むコツ
    第3章 教養を身につける
    第4章 外国語の独学法
    第5章 考える技術・調べる技術
    あとがき
    携帯版のためのあとがき

  • 僕が本好きになるきっかけになった本です。
    僕の好み的に所謂評論文に近いものが好きなので僕にハマった!今の僕の独学の基礎とも言えます!
    中3の時に読んで高2の今でもこの本は神だと思う!
    是非皆さん読んでください。特に最初の
    studyとlearnの差については納得できた。

  • 独学に対する意識が変わった。
    人生の折り返し地点、独学にハマりたい。

  • 書店でなんとなく手に取って気になり購入。本書を読み独学したくなった。たまに読み返したい。
    教養を身につけるには独学しかない
    難解な本はまず眺め読み
    傍線を引きながら読む
    聖書を知ると哲学もわかる
    外国語の独学法

  • 賢くなりたいなぁ、と軽い気持ちで手に取ってみましたが、私にとってはアタリでした。
    難解な本を読むことに躊躇する場合は、臆しなくなる方法や、内容が頭に入らない時の読み方、難しい内容を理解するための三種の神器、哲学のススメなど、厚い本にステップアップする技術を学びました。
    また、聖書は読むべし、としていましたが、科学、芸術、戦争史、その他諸々の本ではキリスト教に関わる事が多いので、西洋的な考え方を知るためにも毛嫌いしていた聖書に挑戦してみようと思います。
    短期的に知識を叩き込む方法ではなく、長期的に教養を身につけるための本の読み方、の本でした。

  • 入門書をいくら読んでもわかるようにならない、というくだりは目から鱗が落ちました。
    本物の書物に触れていきたいと思います。

  • 独学とは最高レベルの書物を師とすることである。

    難しい本を読むことに価値がある。

    聖書を読め。

    案ずるより生むが易し

  • 勉強する人
    知識とは

    この筆者の別の本と似たようなことを書いてある

  • 常に疑問を持ち、そこから派生して知識を得ていく。
    知識と情報は違い、知識人と教養人が違うとの言葉は、まさに学問は現実の世界にいかに活かすが重要なのだと気づかせてくれました。テストを通過するための、お勉強ではなく、人生に役立つ教養を得たいと思います

  • 初心者向け、読書度高すぎ戦術的なのも初心要素

著者プロフィール

白取春彦(しらとり・はるひこ)

青森市生まれ。ベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学ぶ。哲学と宗教に関する解説、論評の明快さに定評がある。
主な著書に、ミリオンセラーとなった 『超訳 ニーチェの言葉』のほか、『頭がよくなる思考術』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)、『この一冊で「聖書」がわかる!』(三笠書房《知的生きかた文庫》)、『行動瞑想 「窮屈な毎日」から自由になるヒント』(三笠書房) など多数。

「2023年 『超要約 哲学書100冊から世界が見える!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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