できる人の仕事のしかた (リチャード・テンプラーのRulesシリーズ)
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2012年12月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799312605
作品紹介・あらすじ
「きちんと仕事をする」のは第一歩にすぎない。突き抜けるための108の行動原則。英国70万部、40カ国以上で読まれている世界標準の「仕事のルール」。
感想・レビュー・書評
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*あなたがたくさんの雑務をこなしていたとしても、周りの人も同じように雑務をこなしているなら、それ以上がんばったとしても、一目にとまることはない。しかし、ここで職場全体の能率を上げる方法をレポートにまとめて上司に提出したら、とたんに一目置かれる存在になれる。上司に言われたからではなく、自主的にレポートを提出する。これは、自分の存在に気づいてもらう素晴らしい方法だ。自分の頭で考え、臨機応変に率先して行動することができる人物だという証拠になる。ただし、あまり頻繁に行うのはかえって逆効果だ。ここて失敗しないためには、次のルールを守る必要がある。もちろん、気づいてもらえる存在になる一番の方法は、自分の仕事を誰よりもうまくやることだ。そして、仕事をうまくやる一番の方法は、仕事にすべてを捧げること、これしかない。
*あなたの目標は昇進かもしれないし、または違う何かかもしれないが、とにかく自分の目標を一つの「動くもの」としてとらえることが大切だ。人は同じところにとどまっていてはいけない。動き続けなければ、停滞するだけだ。動くことが好きにならなければ、根が生えるようにじっとしていることになる。動き続ける人になろう。どっかりと腰を下ろして何もしないような人生とはおさらばだ。
*多くの人が職場で「私たちと彼ら」という考え方をとっている。自分たち社員は仲間で、経営陣は敵だという考え方だ。しかし、あなたは次の部長であり、取締役の卵であり、いずれ社長という花になるつぼみだ。間違った仲間意識を持たないようにしなければならない。あなたは「私たち」と「彼ら」の両方をみわたして、「彼ら」の視点で物事を考えなければならないのだ。表向きは、「私たち」である同僚たちの仲間であるような顔をしていればよい。しかし、心の奥底では、状況をよく理解して「彼ら」の側につく。同僚たちとうまくやり、悪目立ちしないために、「不満だらけの社員」の仮面をつけたくなるかもしれない。しかし、それは賢くないやり方だ。同僚の愚痴にはうなずきながら同意し、しかし自分は絶対に愚痴を言わない。あなたは、正しい考え方をしなければならない。正しい考え方とは、いつも全力を
尽くすことだ。簡単な仕事も、恐ろしく大変な仕事のときも全力を尽くす。正しい考え方とは、限界だと思ったところで、さらに力を出そうとすることだ。疲れていても、腹が立っていても、やめてしまいたくても、そこからさらに努力する。正しい考え方とは、頭を高く上げ、決して愚痴を言わず、いつも明るく前向きで、抜かりなく自分の有利になることを探すことだ。正しい考え方とは、自分には巨大な力があることを知り、優しさ、自制心、思いやりをもってその力を行使することだ。人を踏みつけにせず、誰のことも冷酷に扱ったりしない。このルールを知らない同僚たちが足踏みしている間に、あなただけが努力し、先を行くことになるだろう。そのことに罪悪感を持つことはない。あくまでも、正しい考え方と態度を貫けば、後ろめたいところは一切ない。いい人でありながら頭をすばやく働かせ、親切でありながらも油断なく周りを観察し、思いやり深くありながらも成功するのだ。
*自分の仕事には情熱を持つべきだ。しかし、ここで気をつけなければならないことがある。仕事に情熱を持つことは、毎晩遅くまでオフィスで働くことではない。自分の仕事に健全な自信と情熱を持っているのなら、その気持ちは自然な輝きになって表ににじみ出てくる。長時間働いているかどうかに関係なく、上司はあなたの輝きに気づき、あなたの仕事を認めるはずだ。仕事への情熱を証明するために長時間働くのは、ばかげている。実際、エネルギーを吸いとられるような働き方をしていては、仕事を愛する気持ちを維持することは難しい。そもそも労働時間は情熱の証明にはならない。たとえ1日に16時間働いたとしても、仕事なんかどうでもいいと感じていることだって十分にありえるからだ。おそろしくみじめな人生だが、実際にそういう人生を送っている人は存在する。仕事への情熱のそもそもの意味は、自分の仕事の質に責任を持つということだ。大切なのは結果であり、その結果を出すまでにかかった時間は関係ない。それに、もし仕事に対して本当に情熱を持っているなら、他の人よりもずっと少ない時間で同じ結果を出せるはずだ。午前だけで仕事を切り上げていい、というわけではないが、もし本当に情熱があれば、定時で帰っても高い結果を出すことができるだろう。あなたは、自分の仕事に対して前向きな情熱を持たなければならない。もし情熱を感じることができなければ、仕事を別の角度から眺めてみよう。見方を変えれば、何か好きなところがみつかるかもしれない。自分がどんなものに情熱を持っているのかを考え、それを自分の仕事の中に作り出すという方法もある。もちろん、これは簡単なことではない。一生を通じて探すことになる人もいるだろう。しかし、一つ確実にいえるのは、もし探さなければ絶対に見つからないということだ。
*努力を他人に見せない。毎日明け方近くまで勉強や仕事をしていたとしても、そんなことはおくびにも出さない。週末や有給を取った日に働いたとしても、そんなことを口に出したりしない。周囲の目に映るあなたは、鼻歌でも歌いながら仕事をやっているような、お気楽な人物だ。何でもらくらくと片付けているように見える。仕事のできない人がこのルールを実践したら、大失敗に終わるだろう。それでは、そこまで仕事ができるわけない人は、いったいどうしたらいいのだろうか?それは、がんばって仕事ができる人になるしかない。学び、勉強し、経験を積む。知識を蓄え、本を読み、質問をして、仕事のすべてを自分のものにするのだ。仕事の期限の延長は絶対に頼まない。仕事が自分の手に負えないということを認めてはいけない。仕事が大変だとグチや文句を言わない。できないものはきっぱりと断り、仕事を抱えすぎない。汗をかいている姿を見せない。効率を上げ、負担を減らす方法を常に考える。こうした努力をしながら力をつけて初めて、クールでお気楽なイメージを演出することができるのだ。
*自信があって、リラックスしていて、エネルギッシュな人物。そのイメージを目指さなければならない。朝一番にオフィスの中を歩くときは、弾むような足取りでなければならない。今起きたばかりみたいにぼんやり、長い通勤で朝からくたくた。そんな醜態は他の人にまかせておけばいい。あなたは爽やかな顔で、足取りも軽く、颯爽とオフィスに登場する。のろのろ歩くのではなく、きびきびと歩こう。きびきびした歩きからは、仕事熱心で、エネルギッシュなあなたの姿が浮かび上がる。しゃきっと目が覚めていて、元気いっぱい、この先どんな難問にぶつかってもどんと受け止めるこてができる。今すぐにでも仕事を始めたくてうずうずしている。もちろん、仕事なんであなたにとってはちょろいものだ。あまりせかせかするのも禁物だ。あせっているような印象を与えてしまう危険がある。自分をコントロールし、なめらかに動く。せかせかせず、のろのろせず、ぐったりしない。あなたはあくまでも、明るく、元気で、生き生きとして、熱意にあふれた印象を与えなければならない。
*スタイルのある人とは、趣味がよく、きちんとしていて、マナーがよく、洗練されていて、エレガントで、教養があり、無駄がなく、見る目がある。あなたはこれからも、これらすべての印象を与えるようなスタイルを確立しなければならない。
*同僚はズルをして、あなたの仕事ばかり増える。上司が無能で、言うことはころころ変わる。出世していくのは無能な人間ばかり。仕事は多すぎるし、くだらない決まりは多いし、どこを見てもバカしかいない。そう、そのとおり。人生は不公平でいやなことばかりだ。しかし、ここで考えよう。不平不満を言って、何か一つでも変わることがあるだろうか。そもそも愚痴とは、たいした仕事もないし悲しいヒマ人たちが考え出した、時間つぶしの手段にすぎない。そう、不平不満は何も生まない。非生産的で、何の結果にもつながらない。今度からは不満を言うなら、その解決も一緒に提案することにしよう。解決策が見つからなければ、愚痴も禁止。
*他人の原動力を理解するのは、「心の中」という暗闇を手探りで進むようなものだ。人にはさまざまな原動力があり、何が行動のきっかけになるかは人によって大きく異なる。権力。金銭。名声。復讐。誰かを傷つけたいという気持ち。愛されたいという気持ち。こうした欲望や不安が原動力になっている人は、注意しなければならない。彼らを怒らせたり、彼らの標的になったりしてはいけないし、逆に、彼らにこびへつらうのもいけない。彼らのレベルに落ちることなく、彼らを出し抜かなければならない。オフィスを見渡し、同僚たちの原動力を考えてみよう。上司と、上司の上司についても同じように考える。彼らを動かす原動力さえ分かれば、彼らともっと楽に渡り合っていける。知識は力だ。
*カルチャーを知らない人、または活用できない人は、周囲から浮いた存在になり、いいように利用されるか、軽く見られることになる。忘れてならないのは、解雇理由の実に70%が、仕事ができないことではなく、企業文化に合わなかったことだという事実だ。つまり、会社になじまないことは、最も大きな解雇の理由になるのだ。
*周りに合わせて残業しない。周りが残業しているのに、一人だけ帰るのは許されない。これもまた、オフィスの暗黙のルールだ。同じことは、出社時間にもあてはまる。定時より一時間早く出社するなんて、いったい誰が決めたのか。これもまたオフィスの暗黙のルールである。暗黙のルールを頭に入れたうえで、自分の状況に合わせて活用しなければなわない。あなたのルールは「帰りたければ帰る」。これでいい。人間とは単純なものだ。誰が一人が普通の時間に帰るようにすれば、みなそれに従うようになる。病気なのに出勤してきたり、仕事もないのにいつまでも会社に残ったりするような態度は「プレゼンティーイズム」と呼ばれる。これは労働生産性を下げる、現代のオフィスにはびこる悪しき習慣だ。なぜこうなるかというと、それは自分が周りの行動を監視しているから、自分の行動も監視されているような気分になるからだ。誰が最初に休憩を取るか、誰が最初にかえるか、誰が最初に上司の逆鱗に触れるか、お互いに監視し、牽制し合っているのだ。誰も帰りたがらないのは、一人だけ早く帰ると悪目立ちするしんぱいがあるからだ。サボっているという印象を与えることを恐れている。なにかを失うかもしれないという恐怖はとても切実だ。しかし、おもしろくてわくわくするような人生を送っているのなら、あなたは宇宙の中心にいる。いつまでもオフィスに残っている人のほうが、本当は何かを失い、人生から行方不明になっているのである。早く帰るとことで周囲から悪く言われるのは、仕事も終わらせず、裏口からこっそり出ていくような場合だけだ。コソコソせずに堂々と帰れば、そんなふうに見られることはない。
*必ずしも最新のマネジメント手法を使う必要はない。しかし、常に群れから一歩抜きん出ているためには、経営学の知識は不可欠だ。
*周囲をよく観察する。周囲が見えていなかったら、正しい決断はできない。世の中の流れに合わせてキャリアプランを調整することもできない。自分が狙っている仕事に他の人が応募したというような単純な情報でも、あなたにとっては欠かせない。もし相手のほうがあなたよりも経験があり、専門知識やスキルも高いのなら、今回はやめておこうという賢明な判断ができるだろう。もし知らずに応募したら、あなたは負けの決まった戦いをすることになる。あなたが求めるべきは、ゴシップやうわさ話ではない。大切なのは厳然たる事実だけだ。くだらないおしゃべりに巻き込まれることなく、周囲の動きを知る必要がある。多くの人が出世もできずにくすぶっているのは、実際の仕事に時間を使いすぎるからだ。ときには頭を上げて、周囲を見回す必要がある。群のみんなはもう他の場所に移動しているのに、自分だけ下を向いてもくもくと草を食べていたら、たった一人で取り残されてしまうだろう。
*キャリアアップのチャンスを逃さない。変わらない日常が、突然変わることがある。突発的に忙しくなったり、急に周囲の注目を浴びたりするような瞬間だ。そんなときこそキャリアを向上させるチャンスだ。展示会でのプレゼンテーションを任される。重要なミーティングで議長を務める。社員トレーニングの責任者に任命される。緊急事態の収拾を任される。労働組合との交渉を任される。政府高官、有名人、王族の来訪の段取りを準備する。車内報やニューズレターの編集を担当する。メディアの対応を任される。オフィス移転の監督を任される。たいていの人は、このような仕事を任されると、ぎょっとしたり嫌がったりする。しかし、これはキャリアを向上させるチャンスだ。悪い仕事など存在しない。仕事への悪い態度があるだけだ。いつもと違う仕事を任されたら、必ず全力で取り組むようにしよう。もっとうまくできる方法、もっと早くできる方法を常に模索する。自分が輝くチャンスをせっかく与えてもらえたのだから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界中で読まれている、仕事できる人の仕事のしかた。
仕事は仕事。
人生楽しむためには仕事以外に没頭することも大事。それが1番、納得。 -
著者は、旅行代理店、スーパーマーケット・チェーン、レストラン、カジノ、大学自治会等、幅広い分野で30年を超えるマネジャー経験を持つ。2003年創設した出版社はわずか4年で「イギリスで最も成功した出版社」と呼ばれるまでに育て上げた。
著書に「人生のルール」「上司のルール」等多数。
30年以上のマネジャー経験を持つ著者による仕事のルールの紹介。その一つ一つは、シンプルで、効果的で、安全で、実用的である。一つ一つ段階を踏んで実行していけば、自信をついえ、もっと力のある新しい自分を想像することができる。
そんな108のルールにを以下の10項目に分けて説明している。
①誰よりも成果を出すための14のルール
②他人に好印象を与えるための9つのルール
③目標を実現するための11のルール
④上手な話し方をするための10のルール
⑤自分の身を守るための13のルール
⑥周囲と調和するための11のルール
⑦昇進すべき人物とみなされるための11のルール
⑧外交能力を身につけるための9のルール
⑨組織の力学を活用するための10のルール
⑩ライバルに絶対負けないための10のルール
ルールを説明する本は本屋にいけば山のように並んでいる。良い本もあればそうでない本もある。
本書はもちろん前者である。
訳書ということもあり、やはり良い本であるから訳されてまで発刊されているという安心感もあるものの、この類の本に共通していえるものである本質がぎっしり詰め込まれている。
難しいことは書かれていない。
理想的な仕事のしかたについて書かれている。理想は人それぞれであり、時代は変われど、本書の意図する仕事のできる人像は今もぶれていない。
そしてそれはこれからもぶれることはないと思う。
108のルール全てを実践するのは途方もない時間を要する。しかし、やるだけの価値はある。
そして全てをやる必要もなく、自分の今にあったそれを可能な限り愚直に行っていくということが今の自分たちには一番合っている。
さて今日はどのルールに着目しようか。 -
■仕事のマインド
A.現実になった脅威はすべて、自分が成長し、変化するチャンスにもなる。
新しい環境に適応し、働き方を変えるチャンスだ。
そういう前向きな態度でいれば、むしろ脅威のプラス面がたくさん見えてくる。
B.もし学ぶのをやめてしまったら、成長が止まってしまう。
そこから先は、頭の固い退屈な老人になるだけだ。学ばなければ、変わることはできない。
全く変化しないのであれば、生きている意味などあるのだろうか。
C.自身があって、リラックスしていて、エネルギッシュな人物、そのイメージを目指さなければならない。
D.毎日が就職の面接のような気持ちで気を配らなければならない。
E.魅力的な人というのは、いつも自分が見られていることを意識している。
F.不満を言うのなら解決策も一緒に提案する。
G.控えめに約束し、約束以上の仕事をする。
H.頭のいい人間は自分の間違いから学ぶ。真に賢い人間は他人の間違いから学ぶ。 -
こんな本を探していたという感じ。
これから何回も読んで、自分の指針にして行動してみよう。 -
仕事を楽しみ
常に笑顔でクールに
身だしなみ、文字をキレイに -
できる人になりたくて読んだ。
この本の世界が、性善説というか、正しいことがしっかりと評価される社会すぎて、現実にやったら、損ばかりしそうであると思った。 -
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
気楽に読めた。
チームの9つの役割ってのは参考になった。
あと一年に一回メガネ替えるべしってのはあまり意識できてなかったので早速実践してみようかな。