スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2014年4月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799314807
感想・レビュー・書評
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各章に内容の纏め&自社と比較できるようにチェックリストが付いている。自社にスタバのパートナー達のような熱意を感じられていない今、どうしてもネガティブになってしまう。この本自体が既にスタバファンの顧客はさらにファンに、そうで無くとも関心を抱かせる内容。
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1. スターバックスの接客にはいつも興味があり、観察しているので知りたくなりました。
2. スターバックスは従業員一同が会社の伝道者としてお客さんの笑顔のために、自分たちが満足できるためにミッションを掲げて仕事をしています。本書では46のルールに体系化し、マーケティングとブランディング、サービス、人材育成の3テーマに分かれては述べられています。
3. スターバックスのブランディングの根幹は従業員自身の接客態度であることがはっきりとわかりました。ブランディングというと、商品の特徴や品質に目が行きがちですが、接客業では居心地の良い空間というのもブランディングの1つだと学びました。また、新たな発見として、会社限定のグッズを欲しがる人の心理として、自分たちもその企業のチームの一員として存続を願っているのではないかと思いました。オンラインサロンがわかりやすいですが、自分の仲間と有意義な時間を過ごし、豊かな人生を送りたいと思い、オーナーへ課金しております。これと原理は同じで、スターバックスという企業が自分の人生をよりよくしてくれる、その一員でありたいという思いからグッズを買う人が出てくるのではないかと思いました。 -
【感想】
「確かにスタバのCMって見たことないなぁ。何故いつも満席で、繁盛しているんだろう?」
素朴にそう思い、手に取った本。
昔がどうだったかは分からないが・・・
他の店と比べて、味の面で凄まじく勝っているワケではない。
コーヒー1杯の値段は高い。
店の構造は確かに悪くないが、混雑しすぎていて居心地は良くない。
スタッフのスペックがズバ抜けて高いということもない。
何のことはない。
スタバの人気の秘訣は、顧客満足度にあるんだろう。
「スタバで飲んでいる私オシャレでしょ」という一種の洗脳。一種のステイタス。SNS映え。
これも立派なマーケティングだ。
味ではない。店舗の清潔さでもない。
「スタバで飲んでいる」というステイタス。他人へのアピール映え。
作中、高説をたれているが、結局はそういった意味での顧客満足度が理由じゃないかと思った。
とは言え、マーケティング手法として、非常に参考になる事が多かったのも事実。
筆者の「スタバ is All」な高慢っぷりは鼻についたが、非常に勉強になった。
【内容まとめ】
0.コーヒーを「必需品&ただの日用品」から「嗜好品」に変えるという戦略が根本。
1.スターバックスはブランディング等にお金を割かず、商品そのもののクオリティのみに時間とお金を割いている。
2.「低価格は名案を考えつけないマーケティング担当者の最後の手段である」
→低価格で購入してもらうのは悪手。「この価格でも高くない」と思ってもらう全体的なクオリティが大切。
3.お客様に伝えるべきは、「特徴」ではなく「効用」である。
4.ニーズだけではなく、ウォンツを満たせ。
→消費者のニーズではなくウォンツを満たし、現実とウォンツのギャップを埋めている。
【引用】
90年以前のアメリカ人にとってコーヒーは、「必需品ではあるが、到底楽しめるものではない日用品」でしかなかったし、
コーヒーに誰も大した期待を抱いてなかった。
1987年、ハワード・シュルツはアメリカ人のコーヒーの飲み方を変えるという夢を抱いた。
p21
スターバックスはブランディングやイメージではなく、商品のクオリティやサービス向上でのし上がった。
突発的に大々的な広告キャンペーンをどれほど行おうが、イメージでビジネスは成り立たない。
ブランドを最大限に活かせるようになるには、日々自分たちのビジネスに忠実に向き合い、取り組み続けて行かなければならない。
p27
スターバックスは、面白いテレビCMを作ることよりも、お客様により良い体験をしてもらうのきお金をかけることが最も効果的なマーケティング手段だと学んだ。
p33
・orではなくAndの才能
「AかBどちらか」しかできないのではなく、手間や時間やお金をかけてでも厭わずにこだわること。
p42
・ブランディングマネジメントとは、評判管理である。
企業らしさより、人間らしさ。
合理的だけではなく、どれだけホスピタリティがあるのかどうか。
p42
・低価格戦略は、結局高くつくと心得よ
EDLP:Every Day Low Price
→毎日が低価格、常に一定の低価格で提供するという企業の価格戦略を指す。
スターバックスが販売するドリンクきは90%以上の利幅があるので、顧客エクスペリエンスに力を入れる事ができる。
EDLPという病にかかった企業は、もっぱらコスト削減に従事するしかない。
「低価格は名案を考えつけないマーケティング担当者の最後の手段である」
p60
・売上アップの方法は3つのみ
1.新規顧客を獲得する
2.既存顧客にもっと多く、もっと頻繁に購入してもらう
3.価格を高めに設定する
p84
・お客様に伝えるべきは、「特徴」ではなく「効用」である。
売りである「特徴」を伝えるだけでは味気がない。お客様は単に商品を買っているだけではない。
何かスペシャルな体験を!!
p130
・ニーズだけではなく、ウォンツを満たせ。
理想のライフスタイというのは誰にでもある。だが、望みどおりの暮らしを送っている人はほとんどいない。
成功を収めているビジネスは、消費者のニーズではなくウォンツを満たし、現実とウォンツのギャップを埋めている。
p152
・親切であれ、清潔であれ
顧客が満足する鍵となる条件は、上質なコーヒー、迅速なサービス、適切な価格。
だが、スターバックスには当てはまらない。
顧客ロイヤルティは、親切な従業員と清潔な店舗。
p162
スターバックスは人を相手にしたビジネスとしてコーヒーを提供する会社であって、コーヒービジネスを通じて人に奉仕する会社ではない。
p164
・惜しみなく与えよ
「与えよ、されば与えられん」
親切にすればするほど、親切にされる。
知識を分かち合った分、自分に返ってくる。
気前よくすれば、その分恩恵にあずかれる。
「論よりテイスティング」
惜しみのないテイスティングサービスを行なった。
p172
販売を促進し、一般のお客様をロイヤル顧客に変えるには、優れた広告ではない。
商品に対する誇りをお客様に示して分かち合うこと、惜しみなく振る舞うことが大切。 -
勉強にはなったが、心に突き刺さるほどの言葉には出会えなかった。
(まぁ、他の本で出会ってしまってるので、薄れているだけなのかも知れないけど。)
姿勢として学ぶ事はいくつかあったので、実践していこうと思う。 -
体験を買ってもらっている。その体験の質を高めるために投資をしっかりする。広告への投資ではなく、体験向上への投資こそが大切。それが引いては口コミに繋がり、マーケティングになっている。
スタバは前提として店舗出店による認知獲得が出来ていて、それ故に認知のための広告費が必要ないというのはあるけど、体験を高めるための投資を惜しまないというのは大切だなぁと思うポイント。 -
【南】
人生2冊目のスタバに関する書籍でした。スタバがなぜテレビCMをしないのに強いブランドなのかの答えは「お客様を第一に考えているから」です。全てにおいてお客様第一で仕事をしており、店内の雰囲気、照明、BGMからスタッフ一人一人がチェーンならではなの機械的な対応ではなく、自分の言葉で話す。
そのほかにも、”他者と比べない”、"クチコミ"、"テイスティング"、"10分ルール"など多くの取り組みがお客様を惹きつけることに繋がっていると本に書かれています。
ロボ団なかもず校でも、早速取り入れようとテイスティングにおいて、レッスン待ちの兄弟にロボットを触ってもらったりと実験してみました。 -
記録用
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スターバックスを人並みに好きだし、そのブランド力には尊敬もしているので興味が沸き読んでみた。お客様最優先の組織構造だったり、何度も強調される顧客エクスペリエンスの単語だったり、読んでいて、私(=お客様)がとっても大事に丁寧に扱われてる恍惚感があるので気分が良い。
だが、全体的に戦略やブランディングなどの説明が抽象的である。結果を出しているためそれなりの説得力があるように感じるが、徹底して追及した理想論だけがつらつらと述べられており、具体的な行動とその成果が不明瞭なため、よく分かんないけどなんとなくすごい、という感想にすぎない。学びを目的として読む際にはおすすめできない。 -
価格競争の無意味さを感じさせられる。
やっぱり価格ではなく、価値だよな〜。