「筋肉」よりも「骨」を使え! (ディスカヴァー携書)

  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799314913

作品紹介・あらすじ

大事なのは筋肉ではなく骨。骨の使い方がわかれば、もっとラクに速く、身体が動かせる。武術研究の第一人者×スポーツトレーニングの革命児白熱対論!

感想・レビュー・書評

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  • 「脱力」から興味が派生して知った
    古武術の甲野善紀氏の本をようやく一冊読めました。

    元陸上選手で今は「骨ストレッチ」という
    エクササイズを提唱されている方との対談形式なので、
    読みやすいと言えば読みやすいのですが、
    やはり言語だけでは限界があるのか、
    自分の頭がサイエンス寄りに凝り固まっているのか、
    分かったような分からないような
    何とも言えない不思議な感じです。

    元ジャイアンツの桑田投手や陸上の桐生選手も
    お二人の元に通われて、動きを学ばれたそうな。
    脱力系の本に有りがちな、
    〇〇選手は自分たちの理論に反していてダメ、
    〇〇選手は自分たちの理論に近くOKみたいな文調が
    個人的にはあまり好みではない上に、
    著者たちの主張が正しいかどうかも
    よく判断できないのが難しいところです。

    一方で、本の中では絶賛されていた桐生選手も
    今は袂を分かっている様子(ネット情報なので、
    信ぴょう性は?)で、本当にこの理論が正しいのか、
    私に全く分かりません。
    少なくとも一定数のアンチはいるみたいですね。

    彼らの主張は、
    ・筋肉ばかり鍛えるのはダメ
    (筋肉の前に骨を動かすことが大事)
    ・体幹トレーニングやメンタルトレーニングにも否定的
    で、巷で出ている考え方とは真反対の理論なのですが、
    彼らの考えが正しいかどうかはさておき、
    一見すると当たり前な事象を改めて疑って考察する
    重要性には気づかされる本でした。

    昔の人の動きはすごかったらしく、
    確かに飛脚なんてのはとんでもない距離を
    すごい速さで移動していたのでしょうが、
    彼らが現代のマラソンに出たら
    どれくらい早いんだろうかと考えてしまう今日この頃。
    (圧倒するのか、それとも全然敵わないのか!?)

  • 出来ることだから、やってみようかな

  • 読書録「「筋肉」よりも「骨」を使え!」5

    著者 甲野善紀、松村卓
    出版 ディスカヴァー携書

    p70より引用
    “甲野 やっていることが面白くて、希望が
    見えてくれば、普通以上に稽古しても身体は
    平気なものなんですよ。身体が壊れるという
    ことは、嫌なことを無理してやっているから
    です。「これはおかしいよ」と身体が示して
    くれているのに、それを我慢して延々とやっ
    ているわけですから、どう考えても馬鹿げて
    いますよね。”

    目次より抜粋引用
    “常識を根本から疑ってみる
     ここ一番の力をいかに出すか
     窮屈な社会で自由に生きる
     日本人の潜在能力を取り戻す
     スポーツから日本が変わる時”

     師弟関係にある武術研究家とスポーツトレー
    ナーによる、身体の使い方や動かし方とそれ
    に伴う考えについて二回の対談をまとめた一
    冊。
     スポーツと科学の関係性の歪さからすぐに
    できる「骨ストレッチ」まで、生物が生きる
    上で必ず向き合う自分の身体との付き合い方
    について示唆に富む語り合いが記されていま
    す。

     上記の引用は、いじめや体罰が起こること
    と稽古の行き詰まりなどについての甲野氏の
    意見。
    夢中になれる事をやっていれば、他人にかまっ
    ている時間は無くなるものですよね。人をい
    じめに行く時間があるなら、面白くできる他
    のことを探すようにして欲しいものです。
     今主流となっているトレーニングを否定す
    る気はありませんが、大人数で大声で喧伝さ
    れている物事が正しいかどうか、自分に合う
    かどうかは、自分で確かめるしかないものな
    のかもしれませんね。
     スポーツに限らず、身体を使う機会が多い
    人には、参考にする知識を得る入り口として
    良い一冊ではないでしょうか。

    ーーーーー

  • 武術の先生と骨ストレッチの開発者の対談で、筋肉を鍛えてガチガチに身体を固めるよりも、骨を考慮した柔軟な動きをした方が良いよね、という本。

    骨ストレッチという言葉はこの本に出合って初めて知りましたが、腹筋をすると身体が動きにくくなるとか、筋肉を鍛えるウェイトトレーニングをすれば良いというものではないとか、今まで出会ってきた一般常識からは離れた内容になっていて、目から鱗の内容でした。

    マグロの中落ちストレッチをはじめ、いくつかストレッチが紹介されていますが、骨ストレッチをもっとしりたければ……という文言が見えてきそうなくらい、本質については語られません(笑)
    それはまた、別の本を読むなり講習会に来てくださいね、ということなのでしょう。

    私は運動音痴でまったくスポーツに親和性のない人間なのですが、そんな私でも“うごける身体づくり”が出来るのかもしれないな、と思えた本でした。

    さらさらっと数時間で読めましたので、気になる方はどうぞ

  • 体調が絶不調の時に読んだ
    骨ストレッチはめちゃ効く

    ・・・以下メモ・・・
    ★は自分が思ったこと

    物理学の「三体問題」についてですが、私たちの思考は3つのことを同時に扱えないんです
    →体の精妙な動きを言語で説明するのは根本的に無理

    結果を出していけば理論は後からついてくる
    →★これはその通り

    ■論文より先に結果が出る社会
    「もう50年もしたら論文っていう形態はないかもしれない」(ロボット工学の教授)
    →ロボットにしても、すごく精巧にできているものは、コンピュータシミュレーションを繰り返すなかでできてくる。なぜかわからないけれどこの形がいいっていう、ある種の自然淘汰みたいな形
    →★面白い

    ■大事なのは固めるより緩めること
    →筋トレは硬くなる


    ■鍛冶場の馬鹿力を出すには

    大事なのは、先を占わない気持ち

    ■精神論は不要
    精神を鍛える、向上させることに何も役立っていないのに、なんでそれを精神論って言うのか
    →そもそもおかしい
    →★確かに


    「針金の同じ場所を何度も曲げたり伸ばしたりしたら、金属疲労で最後は折れてしまいますが、針金全体を曲げたり伸ばしたりしたら、ずっと長く折れないでいるでしょう?」

    手のひらを上にしてから返したほうが身体の緊張がとれる
    →★そうなのか

    勝ち負けより、いかに極めるか、いかに生き延びるのかが本質
    →★これは良い考え方、ノルマや出世を気にしない
    →生き延びるということを考えたら、売上げが悪いくらいどうしたと、死んでしまったわけじゃないんだから何とかなるだろうと開き直れた


    私の場合、いまある常識から違っていればいるほど、逆に面白いわけですよ。私の場合、別に何かの団体の名誉を背負っているわけでもなく、何のしがらみもないですから、自分が間違っていたとわかっても不都合なことは一つもないんです。
    →★このマインドは見習いたい

    →★立場や肩書きが人を不自由にする。非難されることを恐れない。

    ■常にオープンに

    自分だけ特別なものを隠し持っていると、「人生の税金」として税を徴収される恐れがあります

    伝えれば伝えた分、不思議とひらめく

    ■体育、国語、歴史でいい

    算数も社会も理科も、歴史の中に全部入れてしまうんですよ。人類がどういう道具を発明し、どう暮らしてきたか、物語で面白く伝えるようにして、同時に火を起こすとか、薪を割るとか、農作業を手伝うとか、そうした人間の生活の歴史を体育の中で実体験させるようにする




    イメージはきっかけだけです。もちろん、そのきっかけがなければ、家も建たないわけですからなくてはならないものですが、現場では建築家より大工さんの判断が重要になってくるわけです。
    → 大工さんが建築家の言いなりになるだけだったら、あまりいい家は建たないでしょうね(笑)。
    →★SIも同じ。大事なのは現場で積み重ねる判断

    内村航平「自分の中に小さな自分がいる」
    →体の感覚をこう表現していた
    →★やはり天才


    物理でいう「慣性の法則」のようなものは心理的世界にもあり、今までの常識に反することに対し、それを起こさせまいとする力は潜在的に巨大なものがある。
    →★こればいつも仕事で思う、最大の課題

  • このタイトルを読んで、意味を正しく受け入れられる人はほとんどいないのでは。読後でさえ、「マジ?」と思っている自分がいるのですから。
    著者の甲野先生は古武術の権威、松村先生は骨ストレッチの考案者という組み合わせ。実は松村先生の骨メソッドは、甲野先生の道場に通いつめて創案したので、いわゆる師弟関係となる。
    本書で、甲野先生が何度も繰り返しているのは、とにかく具体的な成果を示すこと。理屈では理解しがたい事象も我が身で体験すれば納得せざるを得ない。
    ってことで、本書は具体例が肝です。紹介されるのは、体幹強度アップの「虎拉ぎ」「施段の手」、5種類の「骨ストレッチエクササイズ」は是非試してみることをおすすめします。
    参考までに本書は2014年出版ですが、100m走の桐生選手がまだ10秒を切る前に松村先生の「松村メソッド」を取り入れ、2015年3月9秒87(追い風参考記録)を出し、2017年9月9秒98を記録しています。

  • 読了。2014年出版の本。ずっと積ん読であったが、腰が痛くなり読んだ。ゴルフの話しがあり、知りたくなった。試してみなければわからないと思った。

  • 西洋流の筋肉系のトレーニングやストレッチに傾倒する近年の風潮に警鐘を鳴らす二人の大家の対談。雑談風にあちこち話が飛んでまとまりを欠くために即効薬を求める向きには不評だろうが、示唆に富む指摘(メンタルトレーニングを疑うなど)が随所にある。
    閑話休題。松村氏の愛弟子扱いの桐生選手だが結果が出なかった東京五輪の後はウエイトトレーニングをしてパワーアップしようとしている様子。ひとつのやり方に囚われてはいけない、という本書の肝を実践していることになる。

  • まだまだ想像の域を出ない内容だが、読んでいて面白かった。
    このような考え方で身体を動かしていくことそのものが楽しいことになりそうです。

  • 松村卓は骨ストレッチの考案者で、短距離の桐生祥秀〈きりゅう・よしひで〉を指導した人物。腹の柔らかさは古来から日本武術で重要視されているが、腹筋を鍛えることがインナーマッスルの動きを阻害することまでは想像が及ばなかった。知識には必ず落とし穴があるという好例だ。
    https://sessendo.blogspot.com/2021/07/5.html

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著者プロフィール

1949年、東京生まれ。
20代はじめに「人間にとっての自然とは何か」を探究するために武の道へ。
1978年、松聲館道場を設立。
以来、日本古来の武術を伝書と技の両面から独自に研究し、2000年頃から、その成果がスポーツや音楽、介護、ロボット工学などの分野からも関心を持たれるようになり、海外からも指導を依頼されている。
2007年から3年間、神戸女学院大学で客員教授も務めた。
2009年、独立数学者の森田真生氏と「この日の学校」を開講。
現在、夜間飛行からメールマガジン『風の先・風の跡』を発行している。
おもな著書に、『剣の精神誌』(ちくま学芸文庫)、『できない理由は、その頑張りと努力にあった』(聞き手・平尾文氏/PHP研究所)、『ヒモトレ革命』(小関勲氏共著/日貿出版社)、『古の武術に学ぶ無意識のちから』(前野隆司氏共著/ワニブックス)などがある。

「2020年 『巧拙無二 近代職人の道徳と美意識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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