広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。

  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799315255

作品紹介・あらすじ

アナと雪の女王、ハロウィン、マラソンブーム、LINE、ことりっぷ、ネスカフェアンバサダー…マス広告やメディア露出なしでもヒットは生まれる!?戦略PRの第一人者とLINE大ブレイクの仕掛人が考える「情報爆発・消費者主導の時代に、人はどうすれば動くのか?」。

感想・レビュー・書評

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  • ドキッとするような書名の意図は、本文で解説されている。すなわち、

    (これまでのように)広告やメディア(だけ)で(たくさんの)人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。

    ということ。たくさんの予算でTVのCM枠を押さえたり、雑誌や新聞にひたすら広告を打ったりしているだけではもうダメ。それではあまりに効率が悪すぎるから、その情報を届かせたいと目論む人数に合わせて戦略を変えていく必要がある、というのだ。
    1000人、1万人、10万人、100万人、1000万人、1億人、10億人の気持ちをとらえるには、何を使ってどう動いていくべきか。人を動かすことがますます難しくなっていくこれからの時代に、人数ごとの事例とともにヒントをもらったように思えた。

  • 扇情的なタイトルだが、内容はいたって常識的。マス広告を全否定しているわけでなく、必要なリーチ数の規模に応じた適切な方法を選択しよう、ということか。確かに今までの広告業界がマス広告という大雑把で効果測定が困難な方法を使い続けてきたという指摘は正しい。インターネットに代表されるす新たな広告活動、パブリシティなど、新しい手法が数多く出現したことで、適切な方法を組み合わせて臨機応変に行う事が必要で、そのための人材がまだ不足しているのだろう。

    正直、次々に現れては消える新しい広告・PR活動にちょっと嫌気が差してきてはいるのだが、書かれている事はまぁ、正しいのだろう。

    糸井重里氏が著者との対談で「メッセージは商品に練り込め」と語ったそうだが、インターネットの普及によって口コミがあっという間に世界中に拡がりうる現在では、「メッセージのある商品」そのものが広告であり、メディアであるということなのだ。

    広告、というものはまだ生きてはいるけれども、その存在はやはり徐々に小さくなりつつある。

  • 情報爆発時代において主導権を持つのは受け手。

    事前に意図した目的をもってコントロールされるかいわは通常の生活者の感覚からはもっとも忌み嫌われる。

    何人に会社の製品やサービスに関する情報を知ってもらう必要があるのか?そして、その必要規模のリーチを得るためにはどうすればいいのか?

    1000人が動くPOINT
    ・ピュアな発想に裏打ちされている
    ・少ない参画者で大きなことを成し遂げるというレバレッジが効いている
    ・達成するべきミッションがシンプルでわかりやすい

    1万人が動くPOINT
    ・人間の根源的な欲求や本能に訴えかける
    ・コミュニティ形成を構造化する
    ・全体としての連帯感を醸し出す

    10万人が動くPOINT
    ・「自分ではない誰か」がつくるストーリーがある
    ・共犯意識を高めることが行動を促す
    ・(人が動いた)具体的な数字を発表する

    100万人が動くPOINT
    ・魅力的な ラベリングを発明する
    ・「世間体」が出現する
    ・承認欲求を満たす

    1000万人が動くPOINT
    ・メディアを介さない「目撃体験」が始まる。
    ・シンボル性の高い「アイコン」が登場する
    ・世の中にすでにあるものを再定義する

    1億人が動くPOINT
    ・人が動く「複数の要素」が必要となる
    ・新たな習慣を生み出す
    ・ライフスタイルや価値観の違いに対応する

    10億人が動くPOINT
    人間の本能欲求と普遍的ニーズにこたえる
    異なる人種を排除しない「寛容さ」が必要
    非言語コミュニケーションを取り入れる

    メディアの枠を買って、そこにCMなど「起業の言いたいこと」を流す「広告宣伝」に対して、あくまで社会が必要とする「情報」に目をつけて、メディア報道をうまく使って世論をつくり、そこから商品やブランドに落としこむのが「PR」。

    人を動かす心の要素
    1000人→「使命感」「同情心」
    1万人→「連帯感」「共犯意識」
    10万人→「スケベ心」「お祭り心」
    100万人→「虚栄心」「羨望感」「ロマン心」
    1000万人→「横並び心」
    1億人→習慣
    10億人→「信仰心」「コミュニケーション欲求」

    正しいインサイトを捉え、「ココロの沸点」を発見すること。

    人を動かすさまざまな「技」の要素
    1000人→存在意義はほとんどない。
    1万人→「情報を拡散しモチベーションを増幅させる装置」としてのネットの存在、「コミュニティの構造化」
    10万人→「可視化」インフルエンサーを起点に人を動かすことが現実的に可能。
    100万人→たくさんの人に知ってもらう。
    「情報としての価値に加え、固有の世界観」が必要。
    グループに名前をつける
    1000万人→自分の目による目撃体験が出て来る
    シンボル性の高いリアルな場所がある種のオウンドメディアとしての役割を果たす
    1億人→生活習慣や恒例行事を前提にした「啓発的なコミュニケーション」が重要になる。
    10億人→非言語コミュニケーション

    ニベアはあなたの大事な肌をお子さんを守ります。

    人を動かす戦略の立案 5つのステップ
    0.目的を明確にする
    1.ターゲットインサイトを洗いざらい出してみる
    2.目的とインサイトをお見合いさせる
    3.ココロの沸点を起こすために何を伝えるかを決定する
    4.ココロの沸点体験となるコンテンツを用意する
    5.お金のかからない順に伝える施策を決めていく

  • 情報を届けたい人数規模によって、受け手のひっかかるポイントが違うことを、具体的な事例を元に説明していて、参考になった。人を動かすって大規模になればなるほど大変……。
    (これまでのように)広告やメディア(だけ)で(たくさんの)人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。

  • バズるコンテンツは消費者が体験できるもの

  • 完全にテレビや新聞などのオールドメディア批判かと思ったらそうじゃなかった。
    タイトルと内容が合致していないので、消化不良があるが、結局は広告、メディアの活用方法について書かれている。
    それはオールドメディアだったり、SNSだったり、用途によって使い分けるという至極当たり前のこと。
    その「用途」をリーチするユーザー数に的を絞っている点は納得。
    結局我々が提供したい商品は、「100人に売りたいのか?」「10,000人に売りたいのか?」「100万人に売りたいのか?」そこを見極めろってことです。
    そんな大したことを書かれていた訳ではなかったデス。
    (2014/9/16)

  • 70%辺りまで既視感ある経済誌のコラムを語っている印象拭えない。お酒の席でマーケティングの成功事例をツマミにウンチク語るノリ。挙句にご自身のLINEでの実績自慢の武勇伝が始まったので、よっぽど途中でやめようかと思ったけど、そこから一気にこれまでのコラムがマトリョーシカのような階層構造で連結されたので努力が報われた。結果的に『読んで良かった』に変換された。

  • なんか分析した気になっているけど、印象論の域を出ないなあ。
    心にしみない本

  • 結構参考になりました。

  • 広報担当として何かスキルアップができないものかと購入した。が、あまり自分の中にギュンギュンくるものはなかったのが残念。ここの理論や人数別の動かし方の話は面白くないこともないが、じゃあどうする?という実践の段階であまり自分の中に落とし込めず。うーん、自分の問題もあるかな?大学生協のプリンのくだりもあり、生協関係者には割と読んでほしい。

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著者プロフィール

本田事務所代表/PRストラテジスト「世界でもっとも影響力のあるPR プロフェッショナル 300 人」に 『PRWEEK』 誌によって選出されたPR専門家。1999年に世界最大規模のPR会社フライシュマン・ヒラードに入社。2006年にブルーカレントを設立し代表に就任。09年に「戦略PR」(アスキー新書)を上梓。P&G、花王、ユニリーバ、サントリー、トヨタ、資生堂、ロッテ、味の素など国内外の企業との実績多数。19年より株式会社本田事務所としての活動を開始。著書に「戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、「ナラティブカンパニー 企業を変革する「物語」の力」(東洋経済新報社)など多数。国連機関や外務省のアドバイザー、Jリーグのマーケティング委員などを歴任。海外での活動も多岐にわたり、世界最大の広告祭カンヌライオンズでは、公式スピーカーや審査員を務めている。公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)理事。

「2022年 『パーセプション 市場をつくる新発想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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