話し上手はいらない~弁護士が教える説得しない説得術

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799315415

作品紹介・あらすじ

説得術とは次の3つのステップであり、もっとも重要なのは、ステップ1の相手の気持ちを理解すること。ステップ1・相手の気持ち(心理)を理解すること。ステップ2・それに合った環境や材料を用意すること。ステップ3・クロージングトーク。そして、これらを戦略的に行うこと。

感想・レビュー・書評

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  • 相手にどういう印象を与えるかという観点と、バイアスを理解しておこう、という内容。
    いわゆる営業・プレゼン系の本によく書かれていることが多いが、シンプルで分かりやすいので★4。
    内容的には3でも良いかも感があるが(ベーシックなので)

    これらの技術はそれこそ各所で語られているので今さら特筆するものでもないのかもしれないが…定期的に本書を読み返せば備忘録にもなって良いのかもしれない。
    (1~2時間で読めるので)


    ==========================
    相手の承諾を得たいケースでは、

    【相手にとって出来るだけ好ましい環境をつくること】

    ・夕日の見えるレストランでプロポーズ
    ・雨の日の蒸し蒸しした喫茶店でプロポーズ
    同じ内容だとしても、このどちらが良いだろうか?


    ■話し上手よりも聴き上手。相手が勝手に説得されるのを待つ

    「初頭効果」
    ⇒最初に話されたことがいちばん記憶に残る

    【プレゼンでは一番初めに重要なメッセージを持ってきた方が良い】

    また、話の途中で重要な説明部分に入るときは
    「これからお話しすることが極めて重要なのですが…」と
    頭出しをしたり、間や速度を変えると良い。


    ■行動が感情や思考を変える

    【人間は、誰もが自分の下した判断を正当化しようとする】

    iPhoneではなくAndroidを買った人が「なんでiPhoneにしなかったの?」と
    言われると、「世界ではシェアが…」などと語り始める
    (ううーやっぱりiPhoneにすべきだった!という人は稀)

    愛情があるからセックスをする、のではなくて
    セックスをした結果、愛情が深まるという説も(行動⇒感情・思考)


    ■人は共通点と誉め言葉に弱い

    最初から意思決定をしている場合は説得は要らない
    ※マックにハンバーガーを買いに行ったら店員の態度が悪かった、とか
     ⇒初めから購買意志があるので最終的に買う

    意思決定を促す、という意味での説得の場合は
    「友好関係を築く」=とりもなおさず相手にポジティブな印象を持ってもらえる

    1.相手との共通点をアピールする事
    2.相手方を称賛する事

    =============================================

    ■人は物事を自分なりの方法で分類し、理解する(スキーマ)

    私たちの脳には無数の情報の棚があり、認識したものを無意識で分類している

    サンタクロース=「優しいおじいさん」という分類をしている
    ⇒サンタの格好でパーティ会場で銃を乱射すると混乱して適切な回避行動ができない
     ※実際にあった事件で、死傷者の数は同種の乱射事件より多かった


    スキーマは相手によって異なるので、どう分類されるかわからない

    【「抽象化、普遍化」が人によって異なるスキーマに対処する方法】

    例)
    うつ病の患者に
    「子犬でも飼ってはどうか?癒してくれるし、世話も楽しいですよ」
    ⇒過去に犬に噛まれて大怪我をし、嫌悪感を持っている場合にはアウト

    *子犬、というのではなく「かわいい動物」と抽象化する

    「かわいいと思える動物を飼ってはどうか?例えば子犬や猫や小鳥のように、
     そういうものを飼ってみてはどうか?」


    具体的な数字を入れて普遍化するのも有効
    ・機械を変更すれば、最低でも年間500万円の電気料金節約になります
    ・このプランを実行すれば年間の売上が50%増えます


    ■人は、現実を自分に都合がいいように解釈する(バイアス)

    1.帰属バイアス
    2.文化バイアス
    3.規範バイアス

    【客観的な観点から考えられる限りのメリットとデメリットを挙げて、
     最後の判断を本人に委ねる】


    ■人は、近道をして判断する(ヒューリスティックス)

    例)
    スーパーで今まで買ったことのないスパイスを買うときに、
    知っている有名なブランドのものを手に取る(調べもせずに)

    これは"ブランドが望ましい"という一種のヒューリスティックス

    速さと単純化のために正確性を犠牲にしている(※速さと正確さのトレードオフ)
    本来慎重な推論が必要な場面でも、このように判断してしまう場合も。。

    ---------
    1.代表性ヒューリスティックス
    2.利用可能性ヒューリスティックス
    3.係留ヒューリスティックス
    ---------

    1は上記の例。
    「数字を扱うのが得意だ、という男性は会計士か税理士だ」
    「音楽が得意だという男性は音楽家だ」
    …という判断を下すのも、この一種。

    2は「想像しやすいこと」⇒「現実に起こりやすいこと」という思考の近道。
    宝くじなんて当たるはずもないのに、CMを繰り返し見ることで「当たるかも?」と。
    接触頻度が高まることで親しみが増すのも同じ理由。
    ※携帯のCMは顕著で、中でも動物はより親しみやすい。。SOFTBANK。。

    3は"アンカー効果"に近い。最初の情報に左右されやすい。
    行動経済学で言うところの"相対性の理論"、"アンカリング"とも。
    合コンの幹事が自分より魅力的な人を誘わないのもこれ。。

    =============================================

    【実証された説得技術を使いこなす】

    ■希少なものほど欲しくなる

    「これはまだ他の誰も知らない事なのですが~~」
    「先ほど手に入れたばかりのデータで、正式な公表は来週以降です」
    「これは特別なお客さまにしか見せることのできない資料なのですが~~」


    ■敢えて「欠点」を示して信頼を得る

    欠点を自主的に示した方が、相手から正直で誠実だとみなされる

    「この中古車はトランクの開け閉めに力がいるのですが、
     それ以外は私が見たところ悪くないですね、走行距離もまだ短い。」

    最初に「欠点」を提示することでその後の説得に信頼感を持たせる
    ※欠点はその後に話す長所と関連したものであるべき


    ■「落としどころ」を見つければ、説得は8割成功

    双方に納得できるメリットをもたらさなければ、
    決して「落としどころ」は見つけられない

    説得プロセスにおいて「落としどころを探る」ということは、
    相手の納得するメリットを模索して提示する事と同義


    ■相手の不安を払しょくする論拠

    1.数値データ
    2.実話や実例
    3.比喩を用いたストーリーテリング

  • 【この本が有効と思われる対象】
    「なんで自分の提案が通らないんだろう…?
     提案内容は正しいはずなのにな…」と思っている人

    【内容】
    説得する為に使えるテクニックを多く記載した本

    【面白かった点】
    自己びいきバイアスの考え方とアクション

    自己びいきバイアス自体は日ごろから意識しているが、
    その対策は考えたことが無かったので、コミュニケーションを円滑に進めることに活用できればと思う。


    【この本を読んでのアクション】
    ビジュアルに気を遣う
    ⇒まずは髪を毎日整える

  • 2014.09.26
    新聞の広告で紹介されていた本。
    気になるので、今度書店で見かけたら購入予定。

    2014.10.01
    購入。

    2014.12.02
    読了。
    どんな話術を使うかといった内容ではなく、どんな環境を作って相手にも自分にもプラスになるようにもっていくかといった感じ。
    心理学をかじったことがあるなら、内容は知っていることが多いと思うけれど、実践するにあたって具体的に書いてあるので得るものは多いように思います。

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著者プロフィール

荘司雅彦(しょうじ・まさひこ)
1958年、三重県生まれ。81年、東京大学法学部卒業、旧日本長期信用銀行入行。85年、野村證券投資信託入社、86年9月、同退社。88年、司法試験合格。91年、弁護士登録。2008年、平均的弁護士の約10倍の案件を処理する傍ら、各種行政委員会委員等も歴任。元SBI大学院大学教授。
『中学受験BIBLE』『最短で結果が出る超勉強法』『最短で結果が出る超仕事術』(いずれも講談社)、『荘司雅彦の法律力養成講座』(日本実業出版社)、『小説離婚裁判』(講談社文庫)など著書多数。『男と女の法律戦略』(講談社)はドラマ「離婚弁護士II」の脚本に、弁護士の戦略として採用される。また「こたえてちょーだい! 」(フジテレビ)、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日)などテレビ、ラジオに多数出演経験あり。現在、サイバー大学客員教授として「六法と法哲学」を担当、NewsPicksのフォロワー数は10万人を超える。

「2022年 『すぐに結果を出せる すごい集中力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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