ビジネスモデル全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

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著者 : 三谷宏治
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2014年9月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799315637

ビジネスモデル全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)の感想・レビュー・書評

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  • ☆2(付箋12枚/P422→割合2.84%)

    経営戦略全史に続く本。内容はまったくリンクしていないのだけれど、似たようなビジネスの歴史なのに、見方によってこんなに異なるのだなあ。
    このシリーズは好きです。

    ・ビジネスというものが、「誰に対してどんな価値を、何をどこから調達・創造して提供し、どう対価を得るのか」と表せるものであるならば、その組み合わせ(セット)が「ビジネスモデル」です。

    ・アクセンチュアの世界主要70社調査(2001)や、IBMの765社調査(2006)もそれを裏付けました。「産業構造か、利益構造か、企業構造を変えなくては、成功はない」のだ、と。

    ・アプリケーション・ソフトへの課金で儲ける世界同一プラットフォームを、この世で最初につくり上げたのは任天堂でしたが、そのためにハードやOSは原価割れで普及させる作戦をとりました。
    一方、マイクロソフトはハードを持たず、OSで勝負しました。OSの魅力を上げるためにブラウザ(IE)や音楽プレイヤーは無料で付けましたが、そのアプリケーション・ソフトであるMSオフィスでは大いに儲けてきました。
    アップルの主たる収益源は未だ、粗利率50%超のハード自身です。

    ・三井高利:兄に疎まれ、江戸から郷里・松坂に戻されてからの24年間、ワシはずっと、考えておった。どうやったら江戸で呉服屋の革新ができるかを。…苦しい日々じゃった。しかし、遠く田舎にいたからこそ、既存の呉服屋のおかしさがわかった。なぜ、反物でしか売らない?切り売りすることで客も増え、小物にも使われよう。仕立て売りすることで至急の客も喜ぼう。なぜ、掛け売りしかしない?現金売りにすることで一見客も取り込めよう。なぜわざわざ江戸から京まで金を運び銀に変えて仕入れをする?両替商を兼ねれば、そこは要らんようになる。
    ターマン(シリコンバレーの前身を創った):私もそうですな。東海岸のMITで学んで、また後年、ハーバード大学に招聘されて初めて、西海岸に足りないものがわかりましたよ。それが産官学の連携です。ただの象牙の塔だと思っていた大学が、あれほどに産業界・政界と結びついて、その発展に寄与していたとは。

    ・当時、江戸・大阪では金貨中心・銀貨中心と分れており、多くの問題が発生していました。江戸の呉服店としては、京の西陣で仕入れなければなりませんが、金貨・銀貨の両替コストもかかれば、その為替変動リスクにも晒されます。
    同じ頃、かのバチカンと同じように江戸幕府も上納金の現金輸送に悩んでいました(バチカンにはメディチが食い込んだ)。大阪で集めた年貢米や産物を銀貨に換え、それを江戸まで数十日かけて現金輸送していたからです。
    高利は自ら政府に「公金為替」の仕組みを提案し、受け容れられます。「幕府の大阪御用金蔵から公金を三井両替店が銀貨で受け取り、2~5ヶ月後に江戸城に金貨で納める」というものです。
    三井両替店にとって、公金からの直接の収入はありませんが、巨額の資金を数か月間無利子で動かせること、そして、大阪で受け取った銀貨を越後屋の京都での仕入れに使い、江戸城への納金は江戸での売上金から行うことで、低コストでの仕入れが実現しました。大量の現金(銀)を東西に動かすコストもリスクもありません。

    ・競合よりも丈夫な上に何割も安く、しかも年々値下げして1925年には260ドルになりました。T型フォードはついに、世帯収入(2000ドル)の1/8で買える、大衆の足となったのです。
    いや、少なくともアメリカでは、こういった安値で馬の10倍も走る足ができたからこそ、土地の安い郊外の一戸建てに住んで都市や工場に通うという、「豊かな大衆」が出現したのです。

    ・スローン(GM)は「なにを持っているかで、あなたの価値は語られる」と消費者にすり込むことに成功し、かつ、新しい価値(ファッション化したモデルチェンジ)を提供しつづける力を築き上げたのです。
    そしてそれは80年後、形を少しだけ変えてりんごの上に降り立つのですが、それはまた後でのお話しです。

    ・王冠メーカーで営業担当として働いていたとき、ジレットは、自分が営業する商品が、一瞬だけ使われて捨てられていくさまを見て思いました。
    「使い捨てだからこそ、顧客はまた買ってくれるのだ」と。
    王冠を発明したのは、まさにその会社の社長でもあるウィリアム・ペインターでした。彼もジレットにアドバイスします。「君も、一度使ったら捨てられてしまうものを発明しろ。そうすれば客が安定するぞ」

    ・本格的な特許制度が生まれたのは17世紀のイギリスでした。イギリス議会は「専売条例」を制定し、発明や新規事業に対し最長14年の独占権を認めました。それまで国王が恣意的に与えていた不安定なものから安定的制度に変わったことで、イノベーションに向けた多くの投資がなされ、「産業革命」につながったと評価されています。

    ・Bussiness as a Service(BAAS)。彼はすべてのビジネスを、顧客への「サービス」(=相手に良い変化をもたらす活動)として捉えなおすべきだと説いたのです。

    ・大きなビジネスモデル革新は、決してひとつの領域の革新には留まりませんが、あえて「売り方」「つくり方」「決済・資金」「儲け方」の4つに分類したらどうなるでしょう。
    20世紀になって、車が安くなり、ラジオやテレビができ、電話やコンピュータが世の中に拡がっていきました。1990年頃までに、基本的なビジネスモデルのほとんどは、すでに確立されていたのです。
    「儲け方(収益モデル)」としての「替え刃モデル」「広告モデル」「従量課金制モデル」「プラット・フォームモデル」
    「売り方」としての「種々の小売業態(チェーンストア、GMS、ディスカウントストア、CVSなど)」「ドミナント・モデル」「ダイレクト・モデル」「eマーケットプレイス・モデル」
    「作り方」としての「大量生産モデル」「垂直統合モデル」「水平分業モデル」「系列モデル」「産業クラスターモデル」「リーン生産モデル」
    「売り方」「作り方」の両方にまたがる「SPAモデル」
    「決済・資金調達方法」としての「国際決済・為替ネットワーク」「トラベラーズ・チェック」「クレジットカード」「勧進帳」「マイクロ・クレジット」
    インターネットの急激な成長とともに1990年代から21世紀初頭にかけて、新たなビジネスモデルが加わり、それらが自由に組み合わされて展開されていきます。情報(ビット)において、距離・コスト・売り場面積の壁をなくしたインターネットは、その特有の力でさまざまな新しいビジネスモデルを可能にしました。
    「オープン・イノベーション」「クラウド・システム&サービス」「クラウド・ソーシング&ファンディング」「フリーミアム」「ロングテール」。

    ・それでも当初、組織はなかなか変わりませんでした。外様のガースナーに反抗したからではありません。逆に役員たちはみな、即座にシャツの色をガースナーと同じにするくらい上司には従順で、現場ではどんどんトップセールスを仕掛ける腕力を持ち、でも手続きはしっかり守る「優秀な」人材たちでした。だから、ダメでした。そういった上意下達の官僚型リーダーシップでは「サービス業」にはなれなかったのです。
    ガースナーはIBM社内を調べ、ソリューション・ビジネスに適応し成果を上げていたリーダーたちのやり方を調べ上げました。
    ・スタイル:率先垂範ではなく、「チームの力を引き出す」ことを重視。自分は前面に出ない。
    ・意思決定:手続き重視の階層型ではなく、「即断即決のフラット型」。
    ・モチベーション:業績目標達成だけでなく、「他者をよく変えること」自体に喜びを見いだす。

    結局、ビジネスのサービス化(BAAS)実現には、「自律分散型のリーダーシップ態勢(多くのマネージャーが自律的に動けること)」が必要でした。

    ・wikipediaをつくり上げるのに世界中で費やされた時間が、2010年までで約1億時間。でもアメリカ人だけで年間その2000倍、テレビを見てますもんね。そのたった1%を振り向ければ、wikipedia級のサイトがなんと毎年新たに20個つくれる(笑)。

  • 前著の「経営戦略全史」と同様に読み物として良い本。ビジネスモデルの研究史の紹介が少なく、そのためにビジネスモデル同士を横串で比較する視点に乏しいので、そこが強化されればより良かったと思う。

    ただ、「コースの定理」の説明を完全に間違えているのがすごく気になった(302ページ)。
    R. コースの主要な業績は、The Nature of the Firm(1937)とThe Problem of Social Cost(1960)という2つ論文。この足しても60ページくらいの短い論文でコースはノーベル経済学賞を獲ってる。
    このうち、「コースの定理」と呼ばれるのは、取引コストゼロの場合、所有権の配置に関わらず当事者間の交渉で社会的厚生が改善されるという命題で、1960年の論文(の前半部分)で主張されたもの。
    ところが、本書では、企業境界の決定要因は企業内外での取引コストの多寡によるという1937年の論文をあげて、これをコースの定理と紹介している。
    どちらも確かにコースの主張だけど、「コースの定理」が1960年の方ということは広くコンセンサスを得ており議論の余地はないはず。実際に、1937年を指してコースの定理と呼ぶ例に出会ったことは一度もない。だから、本書でのコースの定理の説明は間違いというほかないと思う。
    企業理論や契約理論など経済学・経営学で広く使われる、ごくごく基本的かつ極めて重要な概念なのに、なんで間違っちゃったのだろう。著者は結構な経歴の人だけど、ずっと間違えたまま覚えているんだろうか。
    本書の論旨に関わるものではないし、間違いをゼロにはできないけど、これくらいのベストセラーだと間違いがそのまま広まってしまいそうなのが気がかり。ネットで検索した限り、間違いをそのまま引用してる書評やレビューがちらほらある一方で、間違いを指摘しているものは見つけられなかった。もしかして、数千人、数万人単位で間違えて覚えてるかも。
    最新の版では直ってて欲しいところです。

  • 一昨年、話題になった三谷宏治さんのビジネスモデル全史。今週末の三谷さんセッションに向けた課題図書。400ページ超、ようやく読み終えました。

    ビジネスモデルとは何か、ビジネスモデルの草創期から、フリーミアムといった比較的最近のモデル、さらにはリーンスタートアップにも触れるなど、かなり幅広くカバーしていて、「全史」というタイトル通りの内容です。

    個人的には、任天堂のファミコン・プラットフォームの話やアリババのビジネスモデル、あとクアルコムのQRDモデルは、実は十分理解していなかったので、非常に参考になりました。

    ビジネスパーソンの一般常識として、知っておくべき内容だと思うので、若手の方にオススメの一冊です。

    あ、いちおう気になった点をいくつか。

    ・ビジネスモデルとは、旧来の戦略的フレームワークを拡張するためのコンセプト・セットであり、その目的は多様化・複雑化・ネットワーク化への対応である。

    ・優秀な人材ほど、辞めてしまって社内に囲っておけない。だから企業がイノベーションを創出するには、多くの外部者とのコラボは必然的

    ・スタートアップにチームは2つだけでいい。商品開発と顧客開発だ(スティーブ・ブランク)

    ・顧客に価値を提供できないモノはすべてムダ

  • 前作(経営戦略全史)とはまた趣が異なる面白さがあったかな.

    前作での主役は学者とコンサル(一部経営者)で,今作の主役は経営者.
    一言で言えば,科学と応用のような関係だったと思うし,
    前者は起業家のためのものであり,後者は顧客のためのものだった.

    経営戦略でも近代に入って急速にバリエーションが増加してきたのだと思ったものですが,
    それらの応用・組み合わせで生み出されるビジネスモデルは経営戦略の増加に応じて
    その累乗でバリエーションを増やしているので,ここ10年~20年で爆発的に増加している..
    しかも,各々のビジネスモデルの寿命は5~10年らしい.

    そういう状況なので,経営戦略論とは違って,ビジネスモデル「論」と言えるようなロジックは期待出来なかったですが,とにかくサンプルは色々と紹介されていました.
    逆にそれだからこそ知的好奇心は刺激されるところもありました.

    ビジネスモデル論の行方としては,あまりの組合せ爆発の状況を反映してか,
    モデルそのものを議論するというよりも,それを生み出す個人やチームのあり方(ケイパビリティ)を論ずる理論立てに向かっている印象でしたね.
    その傾向は,バリエーションが増加した経営戦略側にもいえますけど.

  • いやぁ、面白かった。刺激で脳汁でた。
    ビジネスの歴史、味わえます。

  • いろいろなビジネスモデルの開設と、その登場と背景、搭乗時の状況などが書かれており興味深かった。

  • 面白かった。一部「そうかな?w」という意見が挟まれているけど、ビジネスを学びたいと思った時に手始めに読める、時系列にまとまってわかりやすい本。

  • 真に顧客第一主義の企業は、競合を気に留めない。顧客を起点にすれば、本当に何をすべきかがわかる。競合がいてもいなくても、市場があってもなくても、求められているものを生み出せれば、市場も顧客もビジネスモデルも手に入る。
    …という理解でよいかな?

  • ビジネスがヒトのヒマによって進化してきたことが理解できた。そして、ヒマだが手間は非常に嫌がり、そこにはカネが発生する。

    ビジネスモデルは過去の成功に名前が付いたものなのでその言葉を使う際には、その歴史を知らないと軽い言葉になると思った。

    随時見返す本。
    面白かった。

  • 平易でわかりやすくビジネスモデルの遷移を綴っているので新入社員などに最適。ただし体系的にまとめてあるわけではないので注意。

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ビジネス書アワード2冠受賞『経営戦略全史』に第2弾登場
14世紀イタリア・メディチ家から2010年代のスタートアップまで
ビジネスモデルの先駆者たちの栄枯盛衰のダイナミクスを一気読み!

「ビジネス書大賞2014・大賞」「ハーバード・ビジネス・レビュー読者が選ぶベスト経営書2013・ 第1位」を受賞した
『経営戦略全史』の著者・三谷宏治の最新作。テーマは「ビジネスモデル革新の歴史」です。
14世紀イタリア・メディチ家、17世紀日本・三井越後屋にはじまり、2010年代のスタートアップまで、
約70余りのビジネスモデルを、その背景とともに紹介。
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ビジネスモデル全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)のKindle版

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