学び続ける理由 99の金言と考えるベンガク論。 (働く理由シリーズ)
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2014年9月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799315644
作品紹介・あらすじ
学生時代は面倒だった勉強も、社会人になるとその価値がわかるもの。古今東西の名言とともに、「学ぶことの意味」を今こそ考えよう!
15万部突破の『働く理由』、5万部突破の『続・働く理由』に続く、20万部突破のベストセラーシリーズ最新刊。
○良書を読むことは、その著者である過去の時代のもっとも優れた人たちと会話を交わすようなものである。
――デカルト(思想家)
◯解るということは、それによって自分が変わるということでしょう。
――上原専禄(歴史学者)
◯学べば学ぶほど、私はなにも知らないことがわかる。自分が無知であると知れば知るほど、私はより一層学びたくなる。
――アインシュタイン(理論物理学者)
感想・レビュー・書評
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非常に面白く読ませていただきました。
学び続ける理由として、最初に内田樹氏を引用した所が非常に印象的でした。
私も以前に氏のブログで見た内容だったからです。
引用すると、
「学びの始点においては自分が何をしたいのか、何になりたいのかはわからない。
学んだあとに、事後的・回顧的にしか自分がしたことの意味はわからない。それが成長するということなんです。」
今の大学生、科目を選択する際の資料として、詳細なシラバスというものがある。
シラバスは、科目ごと(一般教養、専門教科)で学ぶ内容が書かれている案内書のことである。
これを見て、学生は選択科目を選び、また、教える教官は、そのシラバスに沿って、
講義・授業を行う。最近は、ご丁寧に、どういう知識が得られるのか、授業のポイントは、
どこかまで、記してある。まさに、至れり尽くせりである。
内田氏は、確か、このやり方に反対していたような気がする。私も、手放しに良いとは思わない。
確かに、教える内容を予め開示することは、サービスを提供するという意味では良いかもしれない。
しかし、教える側と、学生側とが、需給関係で結ばれるような、一種、生産者と消費者のような関係では、
学生側の学びたいと思うスイッチは、なかなか発動しないと思う。
「これを学んで、何の役に立つですか」という質問の中に、
もう既に、学習の放棄の萌芽が含まれていると思う。何の役に立つかは、
他人に質問することではなく、自分に問いかける問題である。
大学時代に、ワクワクするような知やテーマに出会った人や、
未知なる知を知りたいと強烈に思った人間は、ずっと学び続ける。
しかし学習時間に限っていえば、日本の大学生は、世界最低水準である。
日本の大学生は、先進諸国の大学生と比べて、学習時間が著しく低い。
大学経営政策研究センターの調査では、1日で学習する時間は、
日本では8割以上の学生が1時間未満(半分が、ほとんど学習しない)に対して、
アメリカの学生は、平均で2,3時間を学習時間にあてる。
大学4年間では、3000時間以上の差になる。これは、日本人の学生の問題というより、
日本社会が抱える構造的問題だと思う。
バイトやサークルが一種の学びの場となったり、生活費のため等であることは、
否定しないが、この期間に集中的に学習時間を確保しなければ、
それ以降、集中的に確保できる時間を作ることは非常に難しい。
社会人だったら、誰でも知っていることで、
やはり、多くが、大学時代に勉強すれば良かったと後悔する。
学び続ける必要がない、もしくは、放棄したと思われる大学生が、
過半数を超えているのは(学習時間を考慮して)、世界的に見ても珍しいというか、
日本ぐらいである。学習時間だけを指標とするのは、どうかという意見があるが、
どのみち何かの技術や能力、知識で生きていくには、それらを身につけるまでに、
主体的に学習しないといけない。決して、誰かがご丁寧に教えてなんてくれない。
どこかの組織に属していればよいとか、
何かの資格があれば、喰いっぱぐれないとか、
そんなものは、過去の遺物となった。
この本では、大学教授から作家、野球監督まで、
幅広い指揮者の学びに関する格言をまとめている。
どういう態度で学べいいのか、学習を継続、
発展していく上で非常に参考になる話しが多い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても面白かった。
今後マネしていきたいことが二つある。
一つは、頭の中に浮かんでいることを一旦紙に書いて視覚化すること。躊躇せずに。そうすることで、新たな発想がわき上がってきやすくなる。
二つは、文章を書いていくなかで、「自分と対話するように」意識すること。なぜそんなふうに言えるのか?どのように?どこで?誰と?いつの話?…
そんなふうに、自分の中にいる二人の「自分」がテンポよく話をする状態をつくる。
印象に残った言葉
意欲=〈期待〉×〈価値〉
期待とは、これなら今の自分でもできそうに思うこと。
価値は、それが自分にとって価値あると感じるか。
アランの言葉
「楽しみは、努力を重ねて自分自身から引き出さねばならない」
本文中に、「読書の機能」について3つ書かれていた。自分なりにも考えてみた。
①精神安定
②小さな気付きを得られる
③(本文と同じく)文章を書く力を高められる -
学びに関する著名人の名言を紹介し、「学ぶとは何か」を紐解いていく。
・学ぶに暇あらずと謂う者は、暇ありと雖も亦能わざるなり
-りょうあん
P.45
勉強する時間がないと言う人は、たとえ時間があったとしても絶対に勉強なんかしないものだ
・「余りを足す」という方法だ
P.51
・学べば学ぶほど、私は何も知らないことがわかる。
自分が無知であると知れば知るほど、私はより一層学びたくなる。
-アインシュタイン
P.85
・(読書とは)受け身ではあり得ない。むしろ能動的で積極的な精神の営みであり、
生きる意志の反映だとさえいえるのである
P.100
・本棚がない部屋は寂しい。「本なんて読まない」という人とは話が続かない。
ついでに言うと「本も読まない、映画も観ない」という人とは話にならない。
P.131
・世界を知覚することは同時に自分自身を知覚すること、世界を表現することは同時に自分を表現すること、
世界を意味づけることは同時に自分自身を意味づけることになる。
P.146
・短文を心がけるだけで、悪文の8割は退治できる。
P.161
・教えることは二度学ぶことである。
P.198 -
この本を読む前に、齊藤孝先生の大人のための読書の全技術というのを読みました。書き方は違うけど、噛み砕くと大体同じようなことを言っている。
要するに、人間いつまでも勉強し続けないといけないということです。そのためには本を読むのが手っ取り早い。数で言うならば1000冊。自分の興味のないものにも手をつけてみる。意外なものに興味を持つかもしれない。そうやって自分の幅を広げる。とりあえず今はなんでも手当たり次第に読む段階です。
引用されていたアインシュタインの言葉に興味深いものがありました。
学べば学ぶほど、私はなにも知らないことがわかる。自分が無知であると知れば知るほど、私はより一層学びたくなる。 -
良い言葉が多すぎて、引用だらけになってしまった。
あまりこういうことは思わないのだが、大学生のとき、高校生のとき、中学生のときにこの本に出会っていたらとつい思ってしまった。
もし自分に子供ができたら、ぜひ読んで欲しいなぁ。 -
古今東西の賢者の言葉を引用しながら、学び続けるべき理由や学び方を系統的に解説している。そして、その流れの中でぴったりの賢者の言葉が引用されており、構成がいいなあと思わされる。
書かれていることは至極その通り。この中の一つでも今からできることを見つけたいものだ。 -
熟読するよりもパラパラとつまむように読む本かも。知識をインプット(アウトプット)するモチベーションアップになると思う。
「学ぶ」ということが人間の「話す」「書く」「聞く」という基礎的能力の底上げをしてくれるんじゃないかと思った。学ぶことで人に教えたり発表できる。インプットとアウトプット。
「学ぶ」がなければ全て止まる。 -
読むこと書くことについて、引用をはさみながら平易に語りかけてくれている。勉強をしていてやる気が抜けてくるときにさらりと読める座右に置いておきたい本。