いきたい場所で生きる 僕らの時代の移住地図
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2017年1月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799320310
作品紹介・あらすじ
2020年、あなたはどこに住み、どこで働いているだろうか?二拠点生活、リモートワーク、職住近接、シェアリング・エコノミー…震災、そして東京五輪の先にある新しい暮らしのかたちが見えてくる。
感想・レビュー・書評
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本書の主張は、「自分で自分の暮らす場所を決める時代」であるということ。海外の例も掲載されているが、概ね、日本国内、かつ、東京以外の土地への移住の実例を多く紹介している。
本書の発行は2017年、ということはコロナ前のこと。
当時に比べると、在宅勤務・テレワークが一般的になり、そういう観点でのハードルは少し下がった。一方で、ノマド的、フリーランサー的な仕事の需要が増えたのか減ったのかは、統計を見たことがなく、よく分からない。
「自分で自分の暮らす場所を決める」という主張には、特に反対はない。そうしたいのであれば、そういう暮らしが成り立つように工夫を自分ですれば良いだけの話というだけの感想。シンプルなことを捏ね回している本、という印象。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「働き蜂として社会の歯車にならず、個人としての豊かさを手に入れるための移住」。まさにそれを考える始めたところ。
地方の暮らしが豊かだ、とは思わない。つまり、自然が多くて、食べ物が美味しくて...みたいなだけでは足りない(そういう売り出し方をしている自治体は多いと思うけれど、情報の受取手はそれを求めていないこともあるのでは)。ではなくて、個人それぞれのQOLの充実をしやすいことに移住の魅力がある、と思う。本書はそういうことが前提にあるように感じられ、すんなり読めた。
読んで書き留めたポイント
・今の移住は地方都市への移住と農村漁村への移住の二種。→まさに。
・土地の気質が自分の生活に合うか。→ほんと。自分の場合、食が美味しいとか自然が豊かでは移り住む気は高まらない。
・移住に向けて、その地のキーパーソンを見つけること。→他でも書いてあるのを読んだけれど、なかなか難しいなぁと思っていたところ。実際、選ぶ段階でそんなに深くは繋がりたくないという思いも。ただ、やりたいことから導入して、そこに人との出会いがあれば、それはいいなと思う。サイト「仕事旅行」の体験ツアーで気になることから土地、人との出会いに入るのもありかもと思う。
・佐渡の斉藤夫妻の事例→いいなと思った。ここかもしれない、に遭いたい。
・京都は何で食べてるんだろう?という人が多い。→まさに。
・ベトナム・大石さんの事例。「生活費がとにかく安いため、週4時間ほど働けば生活に支障はない」。→日本にいながら、この考え方を始めたところ。最小限ではよくないだろうけど、必要以上に働く時間に割くことは果たして豊かなのかと。
・自分の人生のプライオリティを自問する。→重要。ただいま思考中。
新しい人生のステージへの移行期に、読めて良かった。働き方が変わる最中にいるという実感はある。実際にいま有休消化中の職は、基本出勤ながら、PCがあればどこでもできる仕事かつそのような働き方だったし、ハングアウトやスカイプで国内外を繋いで会議をしていたし、リモートワークのような部分も。自分のスキルを生かしながら次に入るのか、新しい可能性を模索するか、そもそもどんな生き方、暮らし方、働き方をしたいのか、よく考えるとき。 -
移住というキーワードで、国内・国外の移住者の事例を取り上げる。
一つ一つの事例が薄っぺらい内容のものが結構おおくて、
ふーんで終わってしまうものが多かったかな。
対談形式で掘り下げている、イケハヤさん他のパートはそれなりに読み応えが多くて、
面白いものもあった。
2016年の本で、この本では震災を契機に世の中が変わった。
東京一極集中を見直す契機になった。という流れだが、いまや時は2020年4月。
2016年のこの本では、先進的な取り組みとされているリモートワークが、
もはや当たり前になった、コロナ以降はこうした動きはさらに決定的になるだろう。
未来の働き方、生き方は、これからじっくり考えていきたい。 -
なにかと最近流行りの“新しい時代の暮らし方(移住論)”についてのテーマであるが、内容的には薄い印象。大部分をインタビューのまとめにしているからというのもあるが、筆者の住む場所の基準(価値観)が、新しい時代の考え方であるにも関わらず、あまりにも陳腐に感じる。多様な文化や芸術なら国内問わず都会、自然や生活コストなどのゆとりなら田舎と。それがインターネットなどのテクノロジーや交通網の発達により逆転してきているという話ではなかったか。田舎こそ日本古来の文化や芸術が根付いているということを、新しい世代により再発見・再発掘するということかと。
それとこれはどうでも良いが、“この本のタイトルにある「いきたい」には、「行きたい」と「生きたい」の二つの意味を込めている。”って、うまくないしそりゃそうだろ…と。
厳しめに評したが、新しい時代の考え方自体は概ね合意である。
ただ、昨今のこういった流れを見ていて最近感じているのが、結局人は「ないものねだり」で、モノに溢れ均一化してきた時代に「人と違うことがしたく」て、「人に認められたい」ということに尽きるかと。
昔の人たちが自然を開拓して住処を築いてきたように、産業革命・高度成長期に都市を築き上げ、現代になって飽和しその逆流が起きているということなのかもと。
結局人口減少の限界集落に若者が集まり、新しいコミュニティを作り、そしてまた近所付き合いが濃くなり、しがらみを生んでいくことにならないか。
日本は東京以外ほとんど田舎だし、これだけ情報格差がなくなった時代に、多少の気候とそれによる産物の違いがあるだけで、一皮むけばそんなに変わり映えもしない気もする。
結局「どこに住むか(土地)」ではなく、「誰と何をするか(人)」に尽きると思う。究極死ぬまで何をやって過ごしたいかということか。 -
嗜好は近いんだけど、なんか違うんだよなあという内容が結構あった気がする。そこが明確に説明できないから、今踏み切れてない気がする。
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移住に興味があって、移住している人がどういう風に働いて暮らしてるのか気になったのがきっかけでこの本を読んだ。33人の移住者の暮らし方やこれから移住を考えている人へのアドバイスがあってとても参考になった。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/692061 -
編集者をしている著者の知り合いを訪ねて、日本と世界の各地域に移住した人たちの話をまとめた本。
著者が編集者という立場のためか、ライターや地域創生で活躍している人たちが多く、企業に勤めている人が企業に勤める形での移住を求める場合には参考にならない。
今後、地域人としての生き方としては、憧れる部分はあるが、自分がなろうと思うかは考え直さてばならない。
これからは発信していく人が強いのだろうか。
そのためには、発信力を鍛えていく必要がありそうだ。 -
率直な感想。時代は凄いスピードで流れ、変化してるんだよね。生き方、生きる場所、みたいな観点から改めて強くそう感じたわ。
公共事業やっていて言うのも憚られるが、正直地方移住を促進することなんて無理だと思っていた。でも、地方ならではの良さとかに惹かれて移住する例は実際にあって、ニーズがあることに驚いた。とは言え簡単なことではなく、厳しい現実もあることを教えてくれるいい本。
最初は知り合いもいないから手探り状態で徐々に仕事を作っていった、というこの一文がどれほど大変なことか。。。