薫りの継承 (下) (ビーボーイコミックスデラックス)

  • リブレ出版
4.07
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本棚登録 : 977
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799726365

感想・レビュー・書評

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  • 中村明日美子的耽美もの完結編。
    耽美といえば、だいたいこんな収束方法が当たり前だった昔を思い出しました…
    ハピエンなんか禁断愛にとっては軽すぎて、許せなかったかつての乙女心…
    でも、すっかりBL体質になった今現在、これは衝撃的過ぎでした。切ないし、悲しいし、憔悴しきった竹蔵の姿を見るとますます辛い気持ちにさせられました。
    昔のように美化して受けとめることができるといいんだけど。
    でも、ハピエンがお約束になってるBLの中に投下されると改めていい刺激にはなりました。萌えながらドエロ読んだはずなのに、なぜか背筋伸びた気が…!

    エロといえば、濡れ場が芸術的にきれいでしたね。アングルとか、身体の描き方とか、絡み方とか、全部エロくてナマナマしくて圧倒されました。
    あと、オンナの嫉妬も描かれていて怖かったです。
    竹蔵の禁を犯す執着愛には切なさを感じたけど、茉莉子のはただの執着と妬みしか伝わってこなくてぞっとさせられました…

    目隠しを外したことで忍の気持ちが明らかにされていて、あのシーンは印象的です。せっかく二人の気持ちがひとつになれたのに…
    禁忌愛をまっとうできなかったのは、忍がきっと優しい人間だったからですね。
    あの眼帯男がボロボロになってまた登場していてびっくり…!人の気持ちを見透かすような言動で揺さぶってくる人物。

    要の成長も見る事ができました。これこそ継承ですね。
    要のその後もぜひ見てみたいです!
    ひさびさに深くて重いエロスを堪能しました。

  • 上巻よりもショックは少なかったように思う
    受けを軽率に殺す〜〜〜でもこれ以外どうしようもなかった気もする

    最後の短編、ひどくあっさりしたそれで「継承」されたことを知った

  • 受けの究極のツンデレ。合間にみる攻めの獣のような獰猛さ。そして二人の事実関係。最初に読んだときは受け入れ辛いストーリーでもう2度と読まないだろうとか思っていたのに、ある時ふと引っかかるところを思い出し、上下巻を読み返してみて考察し直すという事を何回か繰り返している。深い。

  • 兄、義理の弟、兄の息子の情欲の絡み合い下巻。兄の妻の疑念と立てた波紋が物語を終焉させる。実は純愛だったなんて反則!(誉めてます)。切ない。

  • これを10代で読んでいたなら、心酔していたろうな…
    息子の倒錯ぶりにはちょっと笑いましたが、こんなセンセーショナルで美しい結末になるとは。記憶にこびりつくような笑顔がとても感傷的でイイ!
    タイトル通り継承されたならこの後、オジ×息子になるのは時間の問題で妻の狂気に磨きがかかる…とか血生臭い妄想が広がる

  • 2015-8-21

  • 2017/04/15
    下巻は忍の奥さんもチラホラ出てきたけど中でも印象的だったのは今までずっと顔は描かれてなかったのに、あのシーンで真正面から描かれていた奥さんの顔が怖い恐い…。
    顔から滲み出る嫉妬や悔しさ、忍や竹蔵を見下している感の凄いこと…コワイヨー_(:3 」∠)_
    ラストはアンハッピーなの?バッドエンドなの?とウロウロしたけど、私は不思議にストンと落ちた。幸せに暮らせる程甘くは出来てないやな。
    いい本に出会えた。中村明日美子先生良いです!

  • 今の時代となってはBLという言葉も世間に出回り、同性愛もむしろ認める方向に動いているけど、中村明日美子さんが描くような『耽美』の中では『同性愛』まして『近親』は本当に死にも近い禁忌なのだと思う。それがあのラスト。

    兄が弟を遠ざけたのは、近づいたら『禁忌』を犯して全てが崩壊してしまうことを自覚してたからなのだろう。
    目隠しをすることで、『弟だとわかっていなかった』と言い聞かせ、弟と交わることへの罪悪感をなくす。

    あのラストが耽美らしい、とはわかっていても、やはり別の幸せの形があったのではないか?と思ってしまう(……のはハピエンBLに浸かりすぎたせいだろう)

    弟はこれからどうなるのか、
    救われるのか

    弟×甥という展開も美味しいのでは……と思うのは単に私が叔父甥好きだからですねすみません

    次はどの中村明日美子作品を読もうか…
    レビューを見るとダブルミンツがハピエンそうかな……

  • 切ない無限ループ

  • 時折伏線回収か?と思われるよなシーン描いたりしますが
    詳細不明にて後追い出来ず…

    というか、この作品の一番のアレは
    奥さん、あの【オンナ】丸出しなネイルとか口もと…すごく
    気持ち悪かった、

    そしてこういうエンドだともうほんとに誰もなにも救われないから
    勘弁してほしい、どこにどう気持ち落ち着けたらいいんですかエンドは
    読んでいてつらいなあ

    息子は息子でえらい雰囲気のある青年に成長していてこちらはこちらで
    描いてほしいな、と思った
    続編あるとしたらそーなるか…あのオンナ丸出しマッマがいるから
    無理かな、この二人の話なんてw

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著者プロフィール

二〇〇〇年に「コーヒー砂糖いり恋する窓辺」でデビュー。爽やかな青春物語からボーイズラブ、官能的な物語まで、多岐にわたる世界観で読者を魅了する。著書に『同級生』シリーズ、『薫りの継承』『あの日、制服で』などがある。

「2021年 『谷崎マンガ 変態アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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