検事の本懐 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 204
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  • Amazon.co.jp ・本 (465ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800202895

作品紹介・あらすじ

骨太の人間ドラマと巧緻なミステリー的興趣が見事に融合した連作短編集。県警上層部に渦巻く男の嫉妬が、連続放火事件に隠された真相を歪める「樹を見る」。東京地検特捜部を舞台に"検察の正義"と"己の信義"の狭間でもがく「拳を握る」。横領弁護士の汚名を着てまで、恩義を守り抜いて死んだ男の真情を描く「本懐を知る」など、全五話。第25回山本周五郎賞ノミネート作品。

感想・レビュー・書評

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  • 佐方貞人シリーズ第二弾
    読み応えバッチリ〜!⁽٩(๑˃̶͈̀ ᗨ ˂̶͈́)۶⁾
    息継ぎすること忘れて一気読み〜!¸¸♬·¯·♩¸¸
    (あれ〜死んじゃう〜)
    柚月裕子さんの作品は、私には吸い付く様に次から次へ入って来て読みやすいのだ

    今作は、佐方貞人の学生時代や検事時代の姿が短編に分かれて描かれている

    彼は若い頃から、他人の内面を読み取れる深い人間性を持っている
    そんな彼がどんな生き方して来たのかが描かれていて面白かった
    特に五番目の『検事の本懐』は、彼の亡き父親の話が出て来て、親子の関係性を知る興味深い話
    貞人が父親の背中を見て育って来たのがわかる

    「私は事件を、まっとうに捜査するだけです」
    彼が名台詞を若い頃からずっと言っていたのを知って、変わらぬ信念を持ち続けている事を嬉しく思った

    第三弾も楽しみ♡〜


    夕方娘と買い物に行ったら、空気がモヤっとしていて暑かった
    昼間は28度もあったらしい
    でも明日は最高気温が10度下がるらしい
    毎日着る物が手探り…
    桜も散る前に観ておきたい❀ ❀ ❀
    明日から4月だなんて早過ぎマス

    • ヒボさん
      ハッピーアワーさん、こんばん▽^ェ^▽ ワン!

      順調に進んでますね♪

      シリーズ第3作も期待を裏切らないと思います(*^^*)v
      ハッピーアワーさん、こんばん▽^ェ^▽ ワン!

      順調に進んでますね♪

      シリーズ第3作も期待を裏切らないと思います(*^^*)v
      2024/04/01
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      ヒボさん、おはようございます
      ありがとうございます
      第三弾も楽しみにしています♪
      今日は4月1日
      気持ちが引き締まります
      ヒボさん、おはようございます
      ありがとうございます
      第三弾も楽しみにしています♪
      今日は4月1日
      気持ちが引き締まります
      2024/04/01
    • ヒボさん
      ハッピーアワーさん、おはようございます♪

      今日から新年度ですもんね。
      いきなりちょっと寝不足気味でのスタートですσ(・ω・`)
      ハッピーアワーさん、おはようございます♪

      今日から新年度ですもんね。
      いきなりちょっと寝不足気味でのスタートですσ(・ω・`)
      2024/04/01
  • 柚月裕子3連読となる連作5話短編集。

    シリーズ2作目となる本作を最後に読んだこともあり、前読した『検事の死命』の【業をおろす】を先読みしてしまったが、本作【本懐を知る】を読んでさらに感慨深い気持ちになった。

    本作の中では【罪を押す】が良かった。無実を暴くというケースのストーリーで被疑者の不器用さにウルっと。

    佐方シリーズ、善き。

  • またまた、新たなヒーローに出会ってしまった!
    この前、五人の作家による短編集で初めて読んだ柚月裕子さん。
    面白かったので、図書館にあったこの本を借りてきました。

    その人は、地方検事・佐方貞人。
    この作品は5つの独立した短編で成り立っています。
    時間が前後していて、順番に語られるわけではありません。
    でも、5話それぞれが繋がって
    佐方貞人という人物の輪郭が浮かび上がります。

    一話では 佐方が事件に向き合う姿勢が
    二話で 上司の筒井が佐方に感服する様子が描かれます。
    三話は 佐方の高校生時代のエピソード
    四話では 正義が理解されない悔しさ
    そして圧巻の第五話で、佐方の生い立ちが
    父親の過去の秘密を通して語られます。

    この作品は佐方シリーズの第二作なのだとか。
    第一作目の『最後の証人』は、あいにく貸し出し中。
    順番が回って来るのを待って、ゆっくり辿ります。

    私の魅力的なヒーロたち
    御子柴礼司、岬洋介(中山七里)、加賀恭一郎(東野圭吾)
    彼らに加えての四人目!
    また楽しみが増えました☆彡

  • 面白かった
    佐方貞人シリーズ第二弾。2013年大藪春彦賞受賞作品!
    短編連作でした。
    短編とはいえ、佐方の人となりが明確になる物語
    一遍一遍が骨太の物語です。
    何が良かったかって最後の「本懐を知る」が素晴らしい

    ■樹を見る
    連続放火事件の解決を焦る県警上層部。被疑者は1件の犯行を否定。その真相は?

    ■罪を押す
    出所した当日に時計を盗んだ被疑者。再犯で片付けようとした上司の筒井。その真相は?
    筒井が佐方の優秀さを目のあたりにします

    ■恩を返す
    高校時代の同級生のために、悪徳警官に対峙する佐方。
    佐方の高校時代が明らかになります。

    ■拳を握る
    東京地検からの応援要請で政治家の贈収賄事件の捜査へ。自らの信義を通すことで、組織の壁に阻まれます。

    ■本懐を知る
    横領弁護士として汚名をきせられたまま亡くなった佐方の父親。週刊誌の記者が結果的にその真相を明らかにします。
    佐方のルーツが、信念のもとを感じました。
    この物語には熱いものがこみ上げます。

    本書を通して、佐方の人間そのもの、正義、信念があぶりだされていると思いました。

    とってもお勧め!

  • 柚月裕子、佐方シリーズ、佐方の貫く正義には心を打たれる。彼の検事としての仕事は地味ではあるが、王道を行く。この王道を行こうとする佐方をどうして邪魔する検事や警察がいるのだろうか?しかし、そこを突破する佐方の姿に共感・興奮し心を打つのだろう。佐方の父親である弁護士・陽世。父が受けてきた恩のために自己を犠牲にした真実を知った佐方の正義たる本分がそこにあるが、それが彼なりの答えだと思う。高校時代に「ナイフの偽証」をした佐方だからこそ、証拠を見るのではなく、事件を起こした人間を見る検事・佐方が完成したのだろう。

  • 柚月さんの本は『最後の証人』に次いで2作目。
    ヤメ検弁護士・佐方貞人の検事時代を描いた連作短編。
    このシリーズ、面白い!
    第3弾を読まなければ~

  • 2011年11月作品
    「樹を見る」
    東野作品なら放火娘が無実時効を迎えてキーパーソンとなる。そんなに刑事は??というところである。
    言葉「事件を起こす人間を見るんです」
    ヒロスエ、エイトがTVを賑わしている今日日。

    残り返却のため、後日。

  • 佐方検事の原点を知ると同時に、父佐方弁護士の真実に心を揺さぶられました。

  • 皆さんのレビューが良かったので、読んで見ました。
    結果、読んで良かった!
    最近歳のせいか些細な事で涙してしまうけれど、この本も読む途中泣いてしまった。
    各章に登場する主人公の周りの人々につい共感してしまって。
    若い頃勤めていた会社では、真面目に誠実に仕事をしていたので、仕事ぶりはそれなりに認められていました。お世辞やおべっかは使えないし、美人でもなく、愛想もよくなかったけれど。
    でも、今の会社ではそれではダメだなって思う。たぶん、認められるのは、上と仲良くやれて、愛想が良くて、プレゼンテーションの上手い人間。「真面目に働くとバカをみますよ、ここは」と若い同僚にも最近言われたし。
    この小説の登場人物は、そんな私みたいにバカを見る人だらけ。その中で佐方検事は、「希望」。
    まともに生きようとする人にも冷たい社会の中、佐方検事のような非凡な人間が現実にいたらよいなあと思います。できれば身近にいてほしい。
    シリーズ本なので順を追って読もうと思う。

  • 「自分は事件をまっとうに捜査するだけ」といつもクールな佐方シリーズ第2弾。
    検事時代の若き佐方の人となりを知り、ますます好きになった。
    5編の短編はどれも男くさいヒューマンドラマ。
    佐方のカッコいい生きざまに魅せられた。

    今回も心にガツンとくる文章が多かった。
    「遠目から見れば一面緑の樹海でも、目を凝らせば一本一本の樹の集まりです。私達の仕事は樹海ではなく樹を見なければいけない」
    「検察の正義は法だけで裁くものではなく、人として裁くものでなければならない。佐方は法と人、両方で罪を裁ける人間だ」
    「相手に真実を吐かせようと思ったら、人間として向き合うべき」

    違和感を覚えたことは納得するまで追及し、事件の裏の裏まで貪欲に調べあげる佐方。
    そんな佐方シリーズも次回第3弾で終わることが非常に残念でならない。

  • 県警上層部で連続放火事件の手柄を急ぎ、決着させるが、影に潜む別の放火事件を佐方検事が見抜き、正しく裁く。

  • 米崎地検の検事、佐方 貞人(さかた さだと)の物語。
    彼を主軸とし、彼の同僚や幼馴染み、亡くなった父親など、関係者を交えた、五編の短編集。

    佐方検事の人を見る人間性に、改めて、なるほどと頭が下がります。

    五編全てが、骨太の人間劇となっておりますが、特に、最後の「本懐を知る」は、彼の父親の物語であり、寡黙で人情に厚い彼の性格は、まさしく父親譲りと言えるのではないかと思います。
    良書。

  • 佐方貞人、やっぱりスゴイ。
    検事時代の話に戻って、5話の短編。

    どれも、良かったけれど、
    「罪を押す」と「本懐を知る」が特に。

    同じ本を読んだ学生の息子が
    「思うに、普通のことをきちんとできる人が
    仕事のできる人、なのかなぁと思ったよ」と。

    その通り。
    でも、それがもっとも意志のいることなのだよね。

    佐方氏シリーズはあと1冊。
    もっと書いてほしいなぁ。
    こういう、真面目な人好きだわぁ。
    なかなか、現実にはいないものね。

  • 五話から成る連作短編集。主人公は『最後の証人』で活躍したヤメ検弁護士の佐方貞人。この作品では佐方が弁護士になる前の検事時代のエピソードを描いている。中でも『本懐を知る』が非常に良い。読みながら涙が溢れた。これまで柚月裕子の『臨床真理』『最後の証人』と読んだが、最高傑作ではないだろうか。

    この本に収められた作品のどれも素晴らしい。『樹を見る』では佐方の視点と推理力に舌を巻く。『罪を押す』でも佐方は類稀な才能を発揮するのだが、何よりもその真っ直ぐな気持ちと真相に涙する。『恩を返す』では佐方の過去に触れ、佐方の人間性がいかにして育まれたかの断片を知る。『拳を握る』。組織に従属することと正義を貫くことの難しさを佐方の人間性が物語る。最後の『本懐を知る』。佐方貞人の父親の真実に迫る最高傑作。

    池上冬樹の解説も非常に良い。本当に良い。

  • 柚月さんの作品をはじめて読みました。とても面白かったです。いわゆる笑いという面白さは全くありませんが、推理という要素だけでなく、人間の深さや、信念といったものが、押し付けがましくなく描かれています。
    いい作家さんにであったら、その方の作品を読みまくるので、これから柚月さんの作品を読んでいこうと思います。

  • 事情聴取の前に検面調書(検察官面前調書)が出来上がっていて、あとは、サインを書かせるだけ・・・何としてでも起訴できる証拠を見つけ出す
    前もってストーリーありきの取り調べ こんな事は小説の中だけと、思いきや現実にこんな信じられないことが起きている
    厚労省課長 村木厚子さんの「私は負けない」の中には、生々しい取り調べの様子が書いてある
    この小説の中では、上からの圧力に屈せず、検察官としての信義を通した佐方貞人がいたが、現実には、こんな検察官はいるのだろうか?
    「恩を返す」の中の高校生の佐方貞人と天根弥生の昼休みの貯水タンクを挟んでの屋上デート?は、佐方貞人の初恋ではないだろうか?
    心がぽっと温かくなったシーンだ

  • 読後しばし呆然とします。感動、余韻、それとはちょっと違うような・・・、心の揺さぶられ方、柚月裕子さんの作品です。芥川賞や直木賞には収まらない、そんな範疇を超えてる作品と思います。「検事の本懐」、2012.11発行、佐方貞人検事の幼少から検事なりたての頃、そして佐方検事のお父さん、佐方陽世弁護士の話です。454頁の大作、樹を見る、罪を押す、恩を返す、拳を握る、本懐を知る、の短編連作5話です。柚月裕子さん、すごい方だと思います!

  • 参考人であれ、被疑者であれ、人として向き合い、事件の奥底にあるものを見極めていく。
    上司の思惑も、自分の保身も、関係なし。
    佐方検事の人間性が魅力的。
    警察側から描いたり、ジャーナリスト側から描いたり、バラエティに富んでいて面白い。
    「本懐を知る」はじーんときた。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-e5ec.html

  • 「検察の正義は法だけを裁くものではなく、人として裁くものでなければならない」を信念とする、佐方検事の短編連作集。5話どれも読み応えあるが、特に第5話「本懐を知る」は、検事佐方の背景を知る上で、秀逸である。

  • また柚月さんに泣かされた。
    短編集で、ガッカリと思ってたけど、
    短編とは思えないほど一つ一つのストーリーの内容が濃い。
    樹を見る
    罪を押す
    恩を返す
    拳を握る
    本懐を知る
    の5篇からなる。

    特に「罪を押す」と「本懐を知る」は良かった。
    うるっとほろっと。いい話でした。

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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