デフレ化するセックス (宝島社新書)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800202932

感想・レビュー・書評

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  • 前著に続いてセックスビジネスが大して金にならないことを述べた本書。

    中学生は難しいと思うけど、高校生とかには必読にすべき本だと思う。

    倫理教育なんかよりも、儲からない現実をはっきりと見せた方が性モラルの向上には役立つと思うけど、そうはならないんだろうなぁ。

    この本を読んで思ったことは、世の中美女>イケメン>醜男>醜女というヒエラルキーになっていることがよくわかった。

    そういう意味では整形ってのは結構良いことなのかなぁと思う。

    人は見た目が9割ということです。

    では、バイちゃ!

  • 当たり前のことだが性業界は現実の社会を色濃く反映する。

    貧困、バブルの後処理など。

    風俗やAVにいく人は一昔前みたいに貧困や家庭問題を抱えた人だけではなく、一選択しとして選ばれている。

    その反面、この業界にもスペック、偏差値という判断基準が用いられ、最初から勝負がついた上で始めなければいけない息苦しさはある。

    世の中は金だけじゃないという人は信じられないが、ここに出てる様な人は修羅場はというか現実を見てるから軽はずみに言葉を発しない。
    そんな言葉の重みを知ってる人が増えればいいな。

  • セックス産業にもワープアの波が・・・。

  • 2005~6年頃からカラダを売る女性たちの人種が変わり、2008年からは一般女性ばかりに。女子大生、学費と生活費の捻出にはカラダを売るしかない。性風俗は女性たちの副業として一般化。求人サイト、メール一本でコンタクトできる。2010年代、AV女優はセックス市場の中で人気職種だがほんの一握り、応募女性の7割は不採用。女性の大量流入は継続しセックス価格は下落の一途。草食化男性は女性の裸にお金を使わず、一方、女性の性へのライト感覚化は顕著に。一人暮らしの女性の貧困、大きな問題です。非正規雇用、何とかならないものか

  • 風俗関連の雑誌ライターによる、風俗業に携わる女性について記した本。AV女優やソープ、デリヘル、イメクラ、ピンサロなどで働く女性、また個人売春をする女性について、多くのインタビューを基に調査結果をまとめている。著者は、1998年から同種の調査をしており、時代の変化を克明に記録している。客観的なデータは少ないものの、調査の難しい裏の分野について、その一面がよく理解できた。
    「私の感覚だと慶応でさえ、在学中の地方出身の女の子の7、8人に1人は確実に風俗をしていると思う。外見的な能力も必要だから、それなりにかわいい子に限定すれば3人に1人くらいかもしれない。地方から勉強しに来ている子は本当にお金がかかるから、真面目に勉強したい、将来はちゃんと就職したいって子ほど風俗を選択する」p26
    「風俗をやっている女の子ほど本気で(就職)活動する。このときのために頑張ってお金を貯めてきたって。吉原の店には早稲田、明治、青山学院の同じ年の友達がいて、みんな良いところに就職しましたね。自宅から通っている学生と比べると、風俗やってる子の方がバイタリティーがある。親に頼ってないし、実家に帰れない、後に引けないって追い詰められた環境なので、本気で決めたいって思うんです。意識が違います。風俗やってる子の方が普通に優れている、これは事実じゃないですか。だから就職の結果もいい」p29
    「(AV女優)シビアな競争がされているので顔は可愛い、もしくは美人でさらにバストがCカップ以上と外見的なスペックが求められる上、社会性の薄いだらしない女性や仕事を甘く考えているモラトリアム層は排除される」p81
    「各種風俗採用の難易度(偏差値):
    80 単体AV女優(給与 1本40~100万円)
    72 企画単体AV女優(給与 1本12~25万円)
    69 高級デリバリーヘルス(給与 60分1万8000円以上)
    66 高級ソープランド(給与120分2万5000円以上)
    62 イメクラ(給与 60分1万円以上)
    61 企画AV女優(給与 日当3~5万円以上)
    59 都市部デリヘル人気店(給与 60分9000円以上)
    55 大衆ソープランド(給与 60分1万円、120分2万円程度)
    53 ファッションヘルス(給与 30分4000円、40分6000円程度)
    52 都市部人気ピンクサロン(給与 時給2500円~3000円)
    51 地方都市デリヘル(給与 60分7000円程度)
    50 地方都市ヘルス(給与 40分5000円程度)
    49 地方都市ピンサロ(給与 時給2000円~2500円)」p101
    「セックス市場関係者が口をそろえて言うのは「病んでいる女性はダメ」ということ。繰り返しお客さんに来てもらわないと経営が成り立たないリピート型サービス業だからである。風俗は身体のすべてを使う究極のサービス業であり、精神的肉体的に健康状態にない人にはまったく向いてない。よほどのスペックがあっても断るのが普通である。対人関係で問題を起こす、自分本位の接客で客を怒らせたり、店側に空気を読まずに理不尽な要求をしてきたり、スタッフの目を引くために自傷行為、自殺騒動を起こしたりと、なにかしらトラブルが勃発する」p116
    「風俗店は運営スタッフを5年もやっていればあらゆるトラブルを経験しているため、採用は当然、採用後も女性たちに目を光らせて危機管理をしている」p117
    「面接ではまずリストカット、注射痕、刺青を見ますね。1つでも確認した段階で断ります」p117
    「①精神疾患、人格障害のある女性、②容姿、スタイルが平均より劣っている女性、③決まった日に数時間働くことができない、時間に融通が利かない女性。この3つのどれかに該当する女性は風俗店勤務をあきらめて、個人売春に流れざるを得ない」p131
    「採用偏差値66となった月収170万円を超える高級ソープになると容姿的スペックは当然のことで、腹をくくって仕事に取り組んで技術を磨く姿勢が必要となる。プロフェッショナルな仕事が求められ、気軽に稼ごうという意識では到底つとまらない。性格は真面目で素直、勤勉でないと無理という条件の厳しい仕事である」p210
    「AV女優の仕事は育ちや学歴は関係ないと思われがちだが、高学歴、高偏差値で育ちがいい女性ほど人気を集めやすく、“稼ぐ”という結果を残している。お金に困っていない女性にお金が集まっているのだ」p215

  • 特記すべき事項なし。売春のみならず、風俗産業・キャバクラ等産業のデフレ化の進展を述べ、タイトルのとおりである。

  • 一種裏稼業のミクロ経済学的解説書な側面もある。貧困と精神不安定とが複雑に交錯している様子はよく分かった。

  • 身体をゼニに変える最終奥義も現代では大金にならない無常さ。全盛期に6000万円稼いだ話とかは脱帽する。
    出会い系での女性の売春料金の詳細もあり調査の苦労が伺える。

  • うーんだんだんマンネリしてきたなー「職業としてのAV女優」一冊だけよめばいいかも

  • 読みやすい本です。おもしろかったです。人生を真面目に考えず、道を踏み外すと大変なことになります。誤字脱字はありませんでした。

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著者プロフィール

1972年生まれ。ノンフィクションライター。AV女優や風俗、介護などの現場をフィールドワークとして取材・執筆を続ける。貧困化する日本の現実を可視化するために、さまざまな過酷な現場の話にひたすら耳を傾け続けている。『東京貧困女子。』(東洋経済新報社)はニュース本屋大賞ノンフィクション本大賞ノミネートされた。著書に『新型コロナと貧困女子』(宝島新書)、『日本の貧困女子』(SB新書)、『職業としてのAV女優』『ルポ中年童貞』(幻冬舎新書)など多数がある。また『名前のない女たち』シリーズは劇場映画化もされている。

「2020年 『日本が壊れる前に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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