いつまでもショパン (『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800205513

感想・レビュー・書評

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  •  シリーズ3弾。
     舞台が海外ということもあり、これまで様々な事件を解決してきた岬は事件捜査の前面には出てきていない。どちらかというと今作ではピアニストとしての岬のすごさがクローズアップして描かれている。
     いつもラストに驚かされる中山作品。今作もこの人が…と思いつつ、途中の伏線がラストにこういうことかと納得。そして、音楽の持つ力を感じる作品だと思った。

  • 岬先生シリーズ第三弾!図書館予約で一ヶ月待ったかいがありました。

    今回は日本を飛び出してポーランドへ。伝統のショパンコンクールが舞台。
    ショパンの曲がたくさん出てきますが、残念ながら曲名だけではどんな曲か分からないほど無知な私。
    ですが、やはりそこは流石中山さんと言ったところでしょうか、前2作同様クラシックの知識がなくとも頭の中に音楽が響いてくるような表現力は素晴らしい。
    コンテスタントたちの演奏の違いまで表現できるとは。恐れ入りました。
    岬先生の演奏同様に癖になってしまいます。
    ただ、今回はコンクールが舞台なだけあってか、少し多すぎかなと。
    知識がない者としてはだんだんと読むのが辛くなってきてしまうかもしれません。

    そして舞台が外国へ移りコンクール中のテロと戦争、そして多くの死。
    今まで身近にあったものが一気に遠くなってしまったように感じられました。
    ミステリー要素もさらにおまけ程度になり、もはや音楽小説?
    犯人は丸わかりな上に警察の動きや肝心の岬先生の推理はほぼ皆無。
    中山さんお得意のどんでん返しもなく、ミステリー好きにはちょっと物足りなく感じてしまいました。

    しかし、物語を通じて主人公が成長する過程はとても引き込まれます。
    なにより今回は岬さんが先生としてではなくいちピアニストとして登場しているのでさらに魅力アップです。欲を言えばもっと岬先生の演奏が聞きたかったな。
    岬先生によるお言葉も健在で、変わらず勇気をもらえるようで大好きです。
    最後のノクターンのシーンは演奏している先生の姿が思い浮かんで思わず涙腺が緩くなってしまいました。人質救出エピソードは少し大げさのように思えますが、それだけ音楽には力があるという表しのようで私は好きですね。
    前2作に登場した教え子たちがちらりと出てくるのも嬉しいサプライズ。
    やぱっりこのシリーズ読むのがやめられません。

  • 今回のどんでん返しは中山さんにしては控えめな感じ。その代わり、何とも言えない読後感があります。やっぱり中山さん、凄い。

  • ピアノとかクラシックとか無縁の環境だけど、中山七里さんのドビュッシー、ラフマニノフ、ショパンのシリーズ読んでるとなぜかクラシックが聞きたくなってくる。

    そらくらい物語に引き込まれて一気読みです。

  • ピアノを聴いたことはほとんどないけど,この本を読んだあとは、ショパンのCDを聴いてみたくなった。ふーん、コンテストの世界はこんな感じなんだ。

  • 3部作で一番面白かったと思います。
    お父さんか先生が犯人かな?と、目星がつけやすかったけど、
    ショパンコンクールが舞台になっていて、クラシックが好きな人には面白いと思います。
    ポーランドの歴史ももっと知りたいと思いました。

  • 『さよならドビュッシー』『おやすみラフマニノフ』『さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿』に続く
    ピアニストであり優秀な探偵でもある岬洋介シリーズ
    初参戦です
    楽器音痴のけいたです

    『いつでもショパン』ですものね
    ショパン
    音楽家
    ショパン・コンクールって
    ピアノのコンクールだよね
    物語の大半を費やすコンクールのくだり
    ピアノ演奏の臨場感、緊迫感が
    まったく
    分からん・・・・・
    どんなに演奏を音楽を名曲を文字にして文章として生き生きと情緒豊かに表現しようともこんな読者では何も響くことはなく
    まったくもって中山七里様、そして、フレデリック・フランソワ・ショパン様に申し訳ない・・・・・

    リンクするポーランドとショパンコンクール
    そして、アフガニスタン情勢
    顔を覗かせるシリーズの登場人物たち

    普通にミステリーをお求めの方は痛い目に合うかも
    クラシック音楽が主題です
    御間違いないように
    http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-259.html

  • 技量の高いピアニストの音楽描写の書き分けは、一種の能力バトルもののようで面白かった。
    指を切断された死体という謎が冒頭に出てくるが、推理要素は抑えめで、途中からはスパイものを読むような感じで読むといいのかもしれない。
    岬洋介の音楽が巻を追うごとにパワーアップしている。この名探偵が物語の中でどんな結末を迎えるのか大いに気になるところ。

  • 岬洋介シリーズ第3!初の海外シリーズで舞台はポーランドのショパンコンクール。
    岬先生の話はほんと大好きです。岬先生の言葉を聞くと現実から逃げてはだめだ!という印象を受けます。ただ辛辣に言葉を放つわけではなく、導いてくれる言葉を紡ぎ出してくれるので何度も読み返したくなります。
    今回はミステリーより音楽描写の方が多かった気がします。
    私はショパンも大好きなのでたまりません!ショパンの曲の中でバラ3がぶちたまらん(^^*)

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「音楽描写の方が多かった気がします。」
      ふ~ん、、、
      「さよならドビュッシー」の映画化が決まって、ピアニストの清塚信也が出るから、力を入れた...
      「音楽描写の方が多かった気がします。」
      ふ~ん、、、
      「さよならドビュッシー」の映画化が決まって、ピアニストの清塚信也が出るから、力を入れたとか?
      2013/01/17
  • 岬洋介シリーズ海外版。ラストはジーンとします。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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