生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
3.38
  • (190)
  • (507)
  • (676)
  • (197)
  • (41)
本棚登録 : 4663
感想 : 544
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (491ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800222916

作品紹介・あらすじ

北海道根室半島沖に浮かぶ石油掘削基地で職員全員が無残な死体となって発見された。陸上自衛官三等陸佐の廻田と感染症学者の富樫らは、政府から被害拡大を阻止するよう命じられる。しかし、ある法則を見出したときには、すでに北海道本島で同じ惨劇が起きていた-。未曾有の危機に立ち向かう!壮大なスケールで未知の恐怖との闘いを描く、第11回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 高野和明さん著『ジェノサイド』が好きな方にオススメの1冊です。

    安生正さん初読みの『生存者ゼロ』はゼロシリーズ(と言っても内容は独立していそうです)の1作目にしてデビュー作のようですが、本作のSF要素は高野和明さん作品と似て、読む手が止まらなくなりました。

    概要です。
    訓練を終えたばかりの陸上自衛隊の三等陸佐である廻田(かいだ)は、四時間後に不可思議な任務で北海道の東の海上に浮かぶ石油掘削施設へ調査に飛び立つ。到着した廻田たちは作業員たちの無惨な最期の姿に唖然とし、生存者ゼロという事態に違和感を抱く。
    その日を契機に廻田三佐は、生存者ゼロという未知なる恐怖との戦いに奔走する。

  • 判断軸のスケールが大きすぎて想像を絶しました。本の醍醐味ってこういう世界を臨場できるところにあると改めて思いました。

  • 北海道根室半島沖の北太平洋に浮かぶ石油掘削基地で、
    職員全員が無残な死体となって発見された。
    救助に向かった陸上自衛官三等陸佐の廻田と、
    感染症学者の富樫博士らは、政府から被害拡大を阻止するよう命じられた。
    北海道本島でも同様の事件が起こり、彼らはある法則を見出すが…。


    恐かった~怖かったです。
    コロナ禍の今、最初は感染症だと思われたこの事象。
    ひたすら怖かった。
    コロナに比べてはるかに劇症で生存者はいない…。
    何なの?なになんだろう…とても気になった。

    有事の際の国の舵取りをする国の上層部のなんと情けない姿…。
    今の日本の現状…。
    第一波…第二波…第三波…第四波…第五波…。
    一体いつまで続くのか
    専門家の意見に耳を傾けるふりをしてるリーダー達。

    この物語は、感染症ではなくてシロアリが原因だった。
    海底開発で未知の生物がってあり得る事だと思った。
    あまりにも症状が激烈で衝撃的だった。
    このように日本が襲われたら…きっとこんな風には抑え込めない。
    怖いです。

  • 北海道根室半島沖の北太平洋に浮かぶ石油採掘基地TR102で、職員全員が無惨な死体となって発見された。
    原因はバイオテロなのか、
    謎の感染症なのか_。

    未知の恐怖が日本に襲いかかる!

    TR102で発生した感染症の原因がわからないまま、
    9ヶ月後 北海道の道東 標津町でTR102の状況と酷似したパンデミックが起きる。

    一晩で町を壊滅させる感染力。
    感染源はどうやって海を渡り北海道に上陸したのか?

    無能すぎる総理と、責任逃ればかりを考える官僚たち。翻弄される自治体、自衛隊、警察。混乱を避ける為 何も知らされない国民。 北海道は…日本はどうなるの!?

    後手後手に回る感染症対策はまるでコロナ禍の日本のようだと思った。

    やがて北海道で第3のパンデミックが起き、死者は8万人を超える。感染したものは必ず死ぬ。生存者0。

    後半はパンデミックの原因がわかり、
    そこからは まさに
    パニーーーーーック!!

    逃げまどう人々。
    必死の応戦もむなしく 為す術もない自衛隊。

    この状況をとめるために 爆弾を投下し北海道を焼き尽くすと決める総理大臣。もう 無能とかじゃなく悪魔だろー!

    それでも食い止められずに 本州に敵が上陸したら
    日本はどうなるの!!北関東住みのわたしなんて
    すぐに死ぬだろ!!ヨーカドーに逃げるとか、数年前 市で唯一のデパートヨーカドーが閉店になったわたしはどうすればいいの?もがき苦しみなが死ぬなんてイヤだ!!

    日本の運命は、廻田三佐と小生意気で美人な生物研究者の弓削ちゃん、そして政府と感染研の上司に強い恨みを持つ薬物中毒の感染症学者富樫博士の3人に委ねられた!

    ☆マイナス1の理由は
    薬物のせいでおかしくなった富樫の狂人ぶりが
    何故かツボにはまってしまい面白かったこと笑
    神と会話できるとか もう笑
    パニックを煽る要員としては必要か。


    • おびのりさん
      田舎のイオンかヨーカドーは、必須。
      ごめーん、今は、図書館予約は厳しいけど、なんでもありまーす♪
      田舎のイオンかヨーカドーは、必須。
      ごめーん、今は、図書館予約は厳しいけど、なんでもありまーす♪
      2023/05/20
    • ゆーき本さん
      イオンモールは田舎の週末には欠かせないアミューズメント施設です!!笑
      イオンモールは田舎の週末には欠かせないアミューズメント施設です!!笑
      2023/05/21
    • みんみんさん
      ミスドにサーティワン!そして唯一の映画館笑
      スッピンでも行ける気軽さだ( ̄▽ ̄)
      ミスドにサーティワン!そして唯一の映画館笑
      スッピンでも行ける気軽さだ( ̄▽ ̄)
      2023/05/21
  • 謎の死を遂げる感染症、怖いなぁ

    その正体、怖いなぁ

    死んじゃう描写、怖いなぁ

    無能な政治家、怖いなぁ

    妄想なのか神のお告げ聞いちゃうの、怖いなぁ

    沢山怖いなぁでした:(;゙゚'ω゚'):

  • 怖すぎてグロすぎて、星2つにしてしまいましたが、実は夢中で読みました。
    ちょっとセリフの書きぶりがわざとらしくて(そんなしゃべり方せんやろ、と思っちゃって)、感情移入しづらかったです。自衛官ってほんとにそんなしゃべり方するの?(笑)
    あと時代設定がよくわからなかったんだけど、近未来ってこと?自衛隊がアフリカとかの戦闘地域に出向いて戦闘に巻き込まれたことがある、っていうことになってる。
    何か国難に直面したとき、内閣が責任をもつ覚悟を決めて決断できない、危機的状況なのに保身しか考えないっていうのは、実際にありそうだな、と思った。いや、東日本大震災のときも同じような不毛な会議をしていたんだろうなって思う。
    とにかく、残酷すぎた…。

  • 第11回このミス大賞受賞作だが、ミステリというよりはフィクションが多くSF的なエンタテインメント作品として読めた。読ませる構成力は力強く、分厚いページも24Hのように切り替わるシーンが続き、次は?と読み進んでしまう。

    ただ、やはり気になるのは既存の同素材の扱い方。特に最初から最後まで「The Hot Zone」の構成そのもの。人類の自然界進出により未知のウィルスとの遭遇、宿主はどこだとの探索、止まらないパンデミックに最後の手段として気化爆弾の登場と奇跡的な回避。「The Hot Zone」そのもの。これには途中考えてしまいました。

    ウィルスの人間への感染ではなく、寄生生物の変異と人間への攻撃をもってきたところはアイディアなのだが、現実にありえない関係で、これはやはりミステリではなくSFかな?と思ってしまいました。

    神の啓示的要素の加え方も、あまり本編の流れに力強さを与えない。未知のウィルスによるパンデミックという素材をもう少しリアリティーのある構成にできなかったのか。

    それにしても、現在アフリカで猛威を振るっているエボラ出血熱。「The Hot Zone」の題材そのものであるが、まだ治療法も確立しない状況で、医師も2次感染で倒れてしまっている。これこそ恐ろしいリアリティーだ。

  • 初めましての作者さん
    このミス大賞ってことなので無意識に期待が膨らむ

    いやぁ、たまりませんなぁ…
    こういうの好きだわ
    先が気になりすぎて、久々に夜更かし読書してしまった

    パンデミック系といえばそうだし
    パニック系といえばそうだし
    それらとも違うといえば違う
    感覚的には「らせん」を読んだときの印象に近いかな?

    ちょっと唐突感があったり、読んで思い描いた描写と次のシーンの描写の乖離があったり、ちょっと読みづらさがあったのが少し残念
    まぁ相性のレベルよね

    全体的に伏線ぽいのをいっぱい感じたんだけど、読者にお任せなのか、あえて明記しないことで…のパターンなのか、忘れて回収しきれなかったのか、そもそも伏線ではないのか…

    実はあのメモは、あの時にあいつらが食ったあれがあれで、そこでああなって、それにあいつは気付いて書いたやつで…

    謎は深まるばかりです

    気になることは多いけど、本筋がわけわからず終わることはないので、しっかりとおすすめしたい作品です
    神とか黙示録とかのフレーズが結構出てくるんだが、そういうの好きな人ならより一層楽しめるかも

    有意義な読書タイムをありがとうございました
    この読後感を噛み締めつつ

    個人的にはアホな政治家のところが世も末な感があって好きです

  • 自衛隊と感染症学者の未知との闘い。

  • 「このミス」とは相性がイマイチなので、読みたかったけど先延ばしにしていた一冊。

    私の中では富樫の設定は・・・(勝手に)
    日本を滅ぼす病原菌の特効薬を見付けて
    ハイ!!日本は救われました・・・って言う立ち位置だったんだけど

    予想外な富樫の設定に、ふむふむ・・・こういう展開もあるのか~と面白かったです。

    バイオサスペンス好きなんですが、まさかの正体はアレだったのは想定外でした。

    無能で楽天的な政治家たちは本でも現実でも
    同じなのですね(笑)

    パニック小説として十分に楽しめました。

全544件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年、京都市出身。京都大学大学院工学研究科卒。第11回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、『生存者ゼロ』にてデビュー。同作から続く〈ゼロ〉シリーズは、累計130万部を超えるベストセラーに。現在、建設会社勤務の傍ら、執筆活動を続けている。著書に『レッドリスト 絶滅進化論』(幻冬舎文庫)、『ホワイトバグ 生存不能』(宝島社)、『不屈の達磨』(角川春樹事務所)などがある。

「2022年 『首都決壊 内閣府災害担当・文月祐美』 で使われていた紹介文から引用しています。」

安生正の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ピエール ルメー...
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×