いなくなった私へ (『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 345
感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800237293

感想・レビュー・書評

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  • なんとなく手に取ったがとても面白かった。これぞミステリーという感じ。話の展開が楽しくて読みやすかった。

  • あらすじを見て読みたいと思ってた。
    おもしろい設定だと思うし、終わり方もよかった。

    ただ主人公があまり好きになれないのと
    真相の残酷さで入っていけなかった感じ。

  • 文章が拙い…という表現は不遜だし、ベテラン作家の文章と比べるのも気の毒だけれど、もう少し練ったものを読みたかった。同じ内容を宮部みゆきが書いたらどうなのかな、などと考える。
    ファンタジーとしてはまあまあ良く出来ている。“ミステリ”に超常現象を持ち込むのって、もひとつ受け入れられないんだけれど、一応初めからヒントが提示されていたからセーフかな。
    主人公は健康保険に入っていないのに病院で治療を受けてるけれど、費用は幾らで誰が払ったんだろうとか、今後芸能活動することになるとして、戸籍がないことがバレたら××人だとかネットで大バッシングされちゃうかもとか、義務教育期間中の少年は誰が保護者の役割をするんだろうとか学校に通うための手続きはとか、イロイロ考えちゃう。
    タイトルは応募時と変えているようだが、編集者とか、そういうプロのひとが考えたのかな。だとすれば流石。最初のタイトルは作文の題名みたいで、後のは“売れる”本のタイトルらしさがある。(2019-06-29L)

  • 洗練された文章と物語でさくさくと読み易かった。設定も興味深くて、とても自然に引き込まれた。終盤のピンチにはハラハラさせられた。色々と割り切って爽やかな読後感だった。

  • 2014年このミステリーがすごい!大賞の優秀作「夢のトビラは泉の中に」を改題、改稿(たぶん)した作品で、現役東大生のデビュー作。

     トップミュージシャン上条梨乃は、目が覚めるとごみ捨て場にいて、誰も自分が梨乃だと気づかない。それどころか、ニュースでは上条梨乃は自殺したと報じられていた。
     自分のことを上条梨乃だと気づいてくれたのは、大学生の優斗と自殺現場で車にはねられて死んだ10歳の樹(いつき)の二人だけで、どうやら梨乃も本当に死んだようだ。

     樹がネットで調べた情報からインドの奥地にある輪廻の泉が関係して、死後現世に転生したのではないかと推測するが、ここにカルト教団が関わっていて、犯罪が背後にあるという謎めいた展開になっていく。優斗が梨乃を認識できる理由は意外だがわかると当然だと納得させられてしまう。。
     エンディングはハッピーエンドめいているが、梨乃が友人だと名乗って実家に電話して自分に気づくか試した時、母は梨乃の「くせ」に気づいていたと語る場面では涙腺崩壊してしまった。

     ただ、教団は他にも殺しているだろうから、同じ状況の人は他にもいるんじゃね?(笑)

  • 目が覚めたらごみ集積所に居て、有名芸能人である自分を周りの人が認識しない。どうしてこうなったのか、と考えるうちに平行して進む2つの物語が1つになる、謎が解けるところが面白い。
    姉がなぜ優斗のことがわかるのか、だけが消化不良だったが、かつての自分を取り戻そうとせずに今の姿のまま生きようとするところに人間の強さを感じた。

  • 間に挟み込まれた不穏な手記とハートフルファンタジー風味な本編のギャップが不思議でどう繋がるのかと思っていたら、後半に入って急にサスペンスフルで意外などんでん返しも有り一気読みしてしまった。
    巻末の大森さんの選評通り甘くてキラキラだし登場人物達にとって解決しきれていない問題は残っているけれど、伏線はきっちり回収してあって読後感も良く面白い。

  • 第13回このミステリーがすごい!大賞優秀賞受賞作。主人公達が優し過ぎてややリアリティに欠ける感じは否めませんが、スピリチュアル要素のあるミステリとしては、きちんと成立していると思いました。

  • 「このミステリーがすごい」優秀賞
    デビュー作だけに、気になる部分もあるが、それを吹っ飛ばしてしまうくらいぐいぐいと小説の世界に連れて行かれた。
    登場人物も好感がもててよかった。

  • 面白いし読みやすい!ある日自分が自殺したことになってる上に、自分のことに誰も気付かない、というところから始まる。気付かないといっても幽霊で見えない訳じゃなく別人として認識されるなんて混乱の極み。芸能事務所やカルト教団などが絡みつつ、読後感はすっきりでミステリとしてもよかった。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。東京大学在学中の2014年、「夢のトビラは泉の中に」で、第13回『このミステリーがすごい!』大賞《優秀賞》を受賞。15年、同作を改題した『いなくなった私へ』でデビュー。21年、『十の輪をくぐる』で吉川英治文学新人賞候補、『トリカゴ』で大藪春彦賞受賞。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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