建築士・音無薫子の設計ノート 謎(ワケ)あり物件、リノベーションします。 (宝島社文庫)
- 宝島社 (2015年12月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800247483
作品紹介・あらすじ
建築を学ぶ今西中が、風変わりな喫茶店で出会った小柄な女性。彼女こそ今西がこれからインターンとして働く建築事務所の代表、音無薫子だった。天才的な観察眼と奇抜な発想で依頼に応える彼女の元には、ちょっとワケありの依頼人ばかりが訪れて…。イケメン助手に謎多き喫茶店のママ(?)など個性的な面々が織りなす"建築"連作短編開幕!
感想・レビュー・書評
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すぐに読めて面白いです。ただ、薫子の非凡さを際立たせるためか、他の登場人物のレベルがあまりにも低いため非常に気になります。
ベッドの跡があったから寝室として使っていたのだろう。とか、誰でも気づくような内容でスゴいという評価になっているのが違和感しかないです。
でも、読みやすいし面白いから好きです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表紙に既視感があると思ったら、「これは経費で落ちません」の表紙と同じイラストレーターさんでした。
変にミステリー仕立てに拘ることなかったのにな~。家の細部から暮らしている人の生活や想いを汲んで、本人も気づいていなかった本当の願いを反映したリノベーションを行う、というだけでもう引き込まれます。建築士音無さんのキャラが立ってて、月見里(やまなし)さんも味があって、主人公は…まあ、うん、がんばれ。 -
意外性はそれほどだけど、
何気に引き込まれていく不思議な魅力。
続編を期待したい。 -
半分から斜め読みで読了。皆さんの評価は良いようですが個人的にキャラの誰も好きになれませんでした。建築ってすごく重要だし、一生を左右すると思うので、こんな簡単にハッピーエンド的な解決方法になってしまって・・・はぁそうですかって感じ。2章目のモテないオンナと捨てられない男は、まさにわたしら夫婦でした。こんなに極端じゃないけど。身につまされるというか、なんかそういうのもあり、なんだかなぁって感想です、すみません。残念。続編も読みません。
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賃貸物件でしか暮らしたことがないけれど、暮らし方を想像しながら間取り図を見るのは面白いです。
この小説も、そんな感じでそれぞれの物件の中を動きながら読み進めていく感覚が面白いです。 -
大学で建築を学ぶ学生、今西は、教授からの紹介で、独特なリノベーションを行う建築家、音無薫子の建築事務所でインターンとして働くことになる。
喫茶店の2階を事務所にして、依頼主の要望は聞くけれどもその要望通りにはリノベーションしない、という大胆な手法をとる彼女に、今西は日々翻弄されながらも設計の面白さと奥深さに触れていく、という連作短編集だ。
キャラクターや「依頼主の要望通りには設計しない」という前提条件がかなりぶっ飛んでいるのだけれど、フィクションと割り切ってしまえばその無茶苦茶さも面白い。
リノベーション前と後の間取り図が差しはさまれていたり、作者が楽しんで「設計」「空間の作り方」を考えているのがわかる。
衣食住のひとつである、住まい、っていうのは大切だよな、ということをしみじみ思う。 -
家の設計によって、その人の悩みなんかを解決していく。
リフォームとリノベーションの違い等々…
なかなか面白かった。
2022.2.20 -
建築について知りながらストーリーを楽しめる、面白い作品でした。それぞれの物件のビフォーアフター図面も載っているので、想像が膨らみます。女子大生会計士の事件簿等が好きな方は楽しめるのでは。
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うん
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設計事務所にインターンで働くお話
リフォームではなくリノベーションについて主に描かれる
リフォームとリノベーションの違いは曖昧なようだけど
リフォームは修繕、修復のようにマイナスをゼロにする作業で
リノベーションは役割の変更の意味合いが強い
住む「人」に注目するのがリノベーションなのかな?
連作短編で描かれているのは4つのお話
窓のない部屋を居室として使用していけないというのは知らなかった
ま、作中でも書いてあるけど、そんなの建ててしまえば関係ないんだろうけどね
男女間の物の所有に関しては、僕はどっちかというと物を捨てない方かな
特に書籍類は捨てたくない
あと、思い出の品とかもね
ただ、どうでもいいものも捨てる機会がなくて持っているという面もある
捨てる必要に迫られれば悩みながらも捨てられると思うんだけど…
老夫婦の家の課題は意図が容易に推測できる
けど、学生のうちは無理かもね
今だからこそそんな発想がすんなりと出てくる
資産価値を高めるリノベーションに関しては納得
中途半端に新しいのは確かに不自然だものねぇ
ってか、その建物の元々の意味や目的というのはやはり大事なんだねぇ
今住んでる家はまぁまだ新しいけど、いずれリフォームやリノベーションするときがくるのだろうか?
ただそんなお金もないわけだけれども、想定される一番理想的な状態になったとしたら
リビングの隣にもう一部屋増やすとかかねぇ?無駄に庭が広いのを利用できるからなぁ
などと来ることのない未来を想像してみた
続きを読むのが楽しみ -
(パート2でまとめて記載)
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あっさり読めた。やや綺麗事かなと思う部分も無くはないけれど、こういうのも必要だと思う。ただ、人情に訴えるストーリーの割に私の心になにも生まれないのはなんでだろう? もっと心に刺さるものがあったら大好きな作品になりそう。
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紹介されてインターンをしに行った場所の1階は
喫茶兼不動産屋だった。
連続短編で、何故主人公がバイトで忙しかったのか等
理由が判明してみたり、そのうち元カノがでてきたり。
リフォームもリノベーションも、説明されると
違うような、けれどやはり同じような…?
若干違う、というのは分かるのですが。
改装してからの引き渡し、という1話目に
現実ではまったくこれはできないな、と。
確かに実物があると納得しやすいですが
これはお金がかかりすぎる実物です。
2話目は、こういう男女いそうだな、でした。
部屋の中身、ではなくて、性格が。
かっちりはまっている感じなので、その点に関しては
建築士の予想通りでした。
すごいのは3話目、でしょうか?
いやでも普通に考えれば、訪れを待つ人は
結構いる気がします。
という本筋は置いておいて、本は1階の方が
耐久の関係でいいかと思います。
そんな下準備があって、の4話目。
発言がおかしい、と思いましたが
そんな過去があったとは。
そもそも課題が『誰』にとって、で選択が大量。
相手を観察してさかのぼって、ようやく見えてくる。
しかし全編通して、完全に売り上げ度返し、です
この建築会社。 -
『リフォーム』、『リノベーション』、貴方が求めるのはどちらですか?
天才的な観察眼と奇抜な発想で、様々な建築プランを提案する音無薫子(おとなし かおるこ)。
彼女の元には、奇妙な依頼人ばかり訪れる。
しかし、彼女の提案は、依頼人さえ気づかない事まで指摘する。
果たして、学生インターンの今西中(いまにし あたる)は、彼女の元で建築士として、やっていけるのか?
様々な建築プランを体験していく中で、今まで自信のなかった自分に、一筋の光が見えてくる。
登場人物も、個性派ばかりで、楽しめます。
ぜひ、続編を期待しています。
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2017.6.26読了 72冊目
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(収録作品)窓のない部屋/モテないオンナと捨てられない男/使われなくなった部屋/建築がつなぐもの
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キャラはテンプレ気味な気がしますが、
設計って視点が面白いです。