匿名交叉 (『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 195
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800257451

作品紹介・あらすじ

児童向け雑誌の担当を外された編集者の楓は、娘のコスプレ衣装を自作する"ソラパパ"のブログに批判的なコメントを残したことから、過去のブログを匿名掲示板に晒されてしまう。そのことから陰湿なストーカー被害に遭うようになった。一方、"ソラパパ"こと棚島は、家庭や職場でのストレスを解消するため、ブログで粘着してきた"色葉"を破滅に追い込もうとする-。匿名の二人が交叉したとき、驚愕の真実が浮かび上がる!

感想・レビュー・書評

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  • SNSを介して起こった様々な人間模様を描いた物語。
    それぞれが最初は断片的だけど、終盤につれひとつにまとまっていく。
    意外な点達がひとつの線に繋がっていくさま。
    読み応えのある作品でした。
    この物語で幸せになった人はいないのではなかろうか。

  • 2017年作品「彼女はもどならい」というタイトルに改名された文庫本を読んだ。

    昔からこの手の事件をミステリーにする作品が多かったが、そこに現代のSNSを織り込んだ作品。

    私の勝手なロジックを加えると、
    主人公をシングルマザーにして、15年前の悪夢がよみがえる。主人公に姉がいて、姉の娘として育てられ、出所した犯人と人知れず闘う。不倫相手の奥さんも殺害する。サイコミステリーなら、現実か?幻覚?をわからなくできたかも。(実際問題、幼児好きは再犯が高い。)

    ミステリーを読みなれている人は誰と誰が同一人物か?
    半分も読まずしてわかる気がする。
    強いて言えば、彼の嫉妬・復讐と転落事故?がミステリーかな。

    タイトル「彼女はもどならい」やっぱりと思った。

  • すごい.....
    信じていた世界がひっくり返る瞬間の、あの衝撃。
    何度もその衝撃がやってきて、本の可能性がどんどん広がっていった感じᐠ( ᐢ ᵕ ᐢ )ᐟ
    現代社会を風刺している部分もあって、お話としても面白かった!

  • 書き方が上手いので、表面的な人間関係に騙されてしまった。
    ただ登場人物が魅力的ではないので、感情移入はできず、色々と驚かされたけれど後味が悪かった。

  • 誰も幸せにならないイヤミスな感じかな。
    途中でそれぞれの関係性がわかった時にはなるほど、と思ったけど、てっきり楓が殺された方なのかと思ってしまった。でもネットの書き込みって怖いね。

  • まさかそことそこが交叉するとはね…ネット社会の儚さ。

  • 互いに隠していた真実。
    彼は眠り続ける本当の妻と離婚もせず他の女と付き合っている所か、彼女の事を内縁の妻として暮らしているだなんてタチが悪いでは済まないだろう。
    過去を語りたがらないのは当たり前だろうが、夫婦として話をしていたらネット内で傷つけ合う事も無かったろうし彼女が狂う原因の一つは排除出来たのではないだろうか。

  • 単にSNSでトラブルになった男女の話と思いきや・・予想を超える驚きの展開に。でも、荒唐無稽じゃない、ちゃんと腑に落ちるので、読後感は悪くなかった。

  • 続きが気になって一気読みしてしまった。

  • 児童向け雑誌の担当を外された編集者の楓は、娘のコスプレ衣装を自作する〈ソラパパ〉のブログにコメントを残したことから、過去のブログを匿名掲示板に晒されてしまう。そのことから陰湿なストーカー被害に遭うようになった。一方ら〈ソラパパ〉こと棚島は、家庭や職場でのストレスを解消するため、ブログで粘着してきた〈色葉〉を破滅に追い込もうとする……。

    途中から怪しいとは思ってたけど、ちゃんと明らかになって繋がった時のすっきり感はさすが。謎を余すことなく明らかにしてくれるから気持ち良い。ただ内容的にはなかなかしんどい。ひたすら娘が可哀想で、事実を知るこの先を考えると絶望しかない。そして楓も、あまりにも人生が翻弄されすぎてて辛い。彼はただただクズ。その辺のストーリーテリングが巧みであっという間に読めた。

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著者プロフィール

(ふるた・てん)プロット担当の萩野瑛(はぎの・えい)と執筆担当の鮎川颯(あゆかわ・そう)による作家ユニット。少女小説作家として活躍後、「女王はかえらない」で第13回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、同名義でのデビューを果たす。「小説 野性時代」掲載の「偽りの春」で第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。同作を収録した短編集『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』を2019年に刊行した。他の著書に『匿名交叉』(文庫化に際して『彼女は戻らない』に改題)『すみれ屋敷の罪人』がある。

「2021年 『朝と夕の犯罪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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