愚者のスプーンは曲がる (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800268068

作品紹介・あらすじ

ある日突然、銃を所持した超能力者(らしい)二人組に拉致された町田瞬。彼らは組織の命令で、危険な能力を持つ(らしい)瞬を殺しに来たのだという。その能力とは、超能力の「無効化」。つまり、瞬の前では超能力者による超常現象は発生しない(らしい)-。なんとか命拾いした瞬は、代わりに超能力者による組織『超現象調査機構』で働くことになり、やがて奇怪な事件に巻き込まれていく…。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。一気読み。

    いかにも「このミス」らしい感じがして楽しかった。
    主人公の持つ超能力の無効化という超能力。そういうのもあるかもしれないけど、そもそも思い付かない。すごいなぁ〜桐山徹也さん。
    瞬とキイチとマキ、取り巻く仲間たちとの信頼関係で事件解決。最後のページ…瞬、良かったね。

  • 超能力が出てこない超能力もの、というちょっとひねった物語。そのせいで、渦中の主人公がいつまでも超能力を信じ切れない、という…。
    設定だけでなく、ストーリーもおもしろかった。ユーモアとシリアスの間をくねくね通り抜けました。マキさん、いっぱいラーメン食べてね~。

  • 2日間くらいで一気に読めた。
    アニメっぽいと思った。

    登場人物が多くて、その能力と代償が覚えきれなくなってくるが、解説に登場人物の紹介が載っていた。これを見ながら読めば良かった。

    後半で、ニナが水をこぼす時に、普通なら主人公にかかるはすなのに、かからなかったのはどうしてだろう?っていうのがよくわからなかった。パッ〜と読んでしまったから見落としたかも…。

    あと、なんで最高幹部の時間を操れるおじいさんが、操れる時間残り6分のうち2分も主人公にあげると言ったのかもよくわからない。主人公のことを希望だと思っているから?

  • 「このミス2017」の隠し玉。

    主人公の瞬は不運に見舞われるというか何をしてもツイていない。
    大学受験でも試験会場に行くことすらできないほど。
    そんな彼の周りに超能力者という人たちが現れ・・・物語は始まる。
    超常現象の話で何でもありで終わりなのかな。と思いながら読んだが、主人公目線で描かれている物語には超常現象など起きず進められる。
    一人一人がキャラ立ちしているし、みんな愛すべきキャラクターでとっても楽しい。
    瞬は、みんなと一緒に食事したりお酒を飲んだりするだけで、涙ながらに感謝される。こっちまで可笑しい。

    ユーモアミステリーというジャンルだが、笑かせてやろうといった気負いも感じさせず、ただただ笑わせてくれる。クスッとしたり時には声に出して笑わせてくれる。
    第2弾も期待しています。

  • 「このミス」の隠し玉。超能力がテーマなのに、主人公が超能力を無効化してしまう能力者なために彼の前では一切超能力が現れないという斬新な設定がウリの小説ということで興味を惹かれて読んでみた。確かに設定は新しいし、超能力者にはそれぞれ代償があるというのも面白い。例えば無効化の力をも瞬は「不運」など。でもなんだか話を展開するためにキャラクターたちが動かされているような印象を受けた。もっとひとりひとりの感情に踏み込んだところを読んでみたかったなあ。

  •  おもしろかったぁ~~!!
     本屋さんで おすすめしてて、手に取りました。大当たりです。

     超能力を持ってる人たちが 政府の指示で危ない超能力者を監視したり排除したりする話
     いろんな超能力者がいるんだけど その代償もある。頭がいつも痛かったり、味覚がなかったり そんな中、超能力を超能力で相殺してしまう、超能力者がいた(主人公)危険とみなされて 排除されそうになるが 使い方で有効なんじゃないかとして助かるが…

     こんだけ 濃いキャラがそろったんですから 続!出ないともったいないですよね。
     超能力本当にみなさん もっているのか?疑問は残りますが (最後の最強キャラも!)

  • ユーモア・サイキック・ミステリー。主人公の瞬は何をしてもツキに見放され不運に見舞われる。 そんな彼の周りに超能力者という人たちが集まりだし…。 超常現象の話で何でも有りで終わりなのかな、と思いながら読んだが、主人公のある能力により超常現象など起きずに展開していく。そこが脱力な感じで面白い。 一人一人がキャラ立ちしているし、みんな愛すべきキャラクター。 第2弾も期待しています。

  • 突如アパートにやってきた人物に殺されそうになる。

    一体何故殺される羽目になったのか、ですが
    確かに、これは困るやも知れません。
    が、逆を言えば、普通の生活もできる??

    主人公に、共感がまったくありません。
    存在しそうな呑気さと、ポジティブさと卑屈に
    現実感はあるのですが、周囲に現実感がない。
    その溝がさらに不思議な状態になっていく…とはいえ
    甘くて楽な方向にしか転がっていく主人公に
    いらっとする人種だな、としか思えなかったです。

    最終的に、探していた存在がどういうものか、も
    分かったのですが、本当にどうするつもりだったのか。
    うっかり叫んでしまう、という感情は分かりますが
    無責任だ、という気持ちしかなかったです。

  • まず設定が面白い!超能力を題材にした作品は珍しくないですが、この小説は一味違います。超能力者がいっぱい出てくる話なのに、超常現象は一切起こらないんです。「超能力はあるの?ドッキリなの?」という疑問がワクワク感につながり、最後までどんどんと読み進めてしまいました。さらにところどころでクスっと笑えるようなユーモアも交えているので、テンポよく進めていけるのも良いですね◎

  • 帯に書いてあったとにかく面白い小説が読みたい方に、、
    の文言通り一気読みでした。

    超能力バトルはほぼない?笑 ですが、ストーリーも良く
    読み進めることができました。続編とか出でるのでしょうか。あれば即買いです。桐山徹也さん覚えました!!

  • 最高です。大好きです、この本。

    超能力の話なのに超能力が出てこないって、どういうことなんですか?笑

    作者の着眼点に驚きましたが、内容も読みやすいちょっとブラックファンタジー的な内容で良かったです。

    自分ももしかしたら何か能力が…と思えたりして。

    コロナ禍で非日常を手軽に味わいたい時にオススメです。

  • 後半で一気に登場人物が増えてこんがらがりましたが、それ以外は気楽に読めて面白いです

  • 実は私も超能力者なんじゃないかってワクワクさせてもらえました。
    どうやら世の中には超能力というものが存在しているようだが、主人公はその超能力を無効化するという超能力を持っているからほんとに超能力があるのか分からない。
    自分では何もしてるつもりはないのに何故か色んなことに巻き込まれたり、色んな人に必要とされたり、色んな人に感謝されたり。
    主人公は特に大きなことは何もしてないけどなんだかみんなの感情がたくさん動いて楽しいなって思いました。

  • とっても読みやすい。
    一気に読み終えました。

    もっと内容を濃くしてくれた方が。。

  • 超能力持った人が主人公の近くに寄ったら超能力が消えるって話。

  • さまざまな超能力者が組織する「超現象調査機構」。ある日突然超能力者であると告げられた主人公が巻き込まれる事件。……っていうと、それこそど派手な超能力バトルが開始されるのか、と思えるのですが。なんと主人公の能力が、他者の超能力の無効化ってことはつまり……主人公の視点からしてみれば、超能力なんてものは一切存在しない(笑)。ものすごーく肩透かしな感じなのですが。なぜかそれが面白いです。
    超能力とともに「代償」があるというのも面白いし(そんな代償得てまで欲しくないわ超能力!)。超能力もありきたりなものからニッチなものまでさまざま。たしかに、それってどうして自分の能力に気づいたのかが気になるよなあ、ってのも。かなりのイロモノ感があって楽しい作品でした。

  • ジョジョ、SPEC…

    能力と代償という概念は面白かった!

  • 4.5

  • 場面の切り替えや人の描写が一歩か半歩物足りない、というのが私の印象です。続編があったとして読み続けるかは微妙かな。しかし、この類を読むと魔法の国ザンスを思い出すな

  • 超能力者って本当にいるの?

    ある日宅配便を装い僕の家に入り銃を突きつけたキイチとマキ。
    この世の中には超能力を持った人間がいる。しかしその能力を持った人間は同時に代償も伴う。
    僕もその一人だと告げられた。
    僕(町田瞬)は全ての能力者たちの能力を不能にする力がある。しかし代償は不運。
    小さい頃からの不運はその為だったのか?
    キイチとマキに殺されずに済んだが超現象調査機構なる所で働く事になる。
    主な仕事は電話番。毎日不思議な電話がかかってくるのを聞いてメモする。
    とても正気とは思えない内容の電話がかかってくる。
    一応はメモしておく。後々この内容が事件にかかわっていく。
    キイチとマキの仲間になりいろいろな能力を持つ者を紹介されある事件にかかわるが
    「決してアヤカにかかわるな」
    との言葉を残し息絶えた同じ能力者。
    「アヤカ」とは一体誰なのか?

    「愚者のスプーンは曲がる」
    不思議なタイトルに惹かれ読んでみました。
    超能力を持つ人間がいる。しかし主人公、町田瞬の前ではその能力は消える?
    本は町田瞬目線で始めから最後まで書かれている。
    ん?って事は超能力なんてものはないんじゃない?
    主人公は何か大きな策略で騙されているんじゃない?
    などと深読みして読み進めていったが結局最後まで超能力はある体で書かれている。
    しかしその能力は出てこない。
    なんか不思議な内容だなぁと……
    結局本当に超能力ってあるの?

  • 超能力者が多数登場するのに、超能力を使うところが見られない。なぜなら、主人公の『町田 瞬』は、本人も知らない最強の超能力者であった。

    彼の能力は、相手の超能力の『無効化』。なので、彼の周りでは、一切超能力は発現しない(笑)。

    毎回、不運に見舞われる瞬は、田舎からやって来た貧乏学生ですが、冒頭から引き込まれます。

    シリアスな場面もあり、ストーリーの展開も良く、直ぐに読めます。

    なかなかユニークな設定で、ユーモアもあり、周りの超能力者たちと共に、事件解決に奔走する姿に引き込まれます。

  • 世の中にはちょっとした超能力を持つ人が結構いて、彼らはその代償として人間なら当たり前の能力が欠けている。主人公は一見すると単なるツイてない人だけど、実は超能力者の能力も代償も無効化するという稀な能力を持っている、言わば無自覚のジョーカーです。
    本書はこの能力と代償という設定の使い方が上手く、シリーズ化しても面白そう。

  • 意外と登場人物が多く、この人誰だっけ?って言うのが度々有った

  • 相手の超能力を無効化する超能力が自分にあると言われても信じがたい。確かめようにも誰も自分の前では能力を使えないし。半信半疑のまま超能力者集団に巻き込まれていくドタバタサスペンス?設定は面白かった。

  •  昔から運が悪い青年 町田瞬はなんとか合格した東京の大学で夢のキャンパスライフを送るため都内のアパートに引っ越してくる。しかし引越しの荷ほどきも済んでいないなか、突然拳銃を持った男女二人組 キイチとマキに瞬は誘拐されてしまう。聞けば彼らは超能力者であり、同様に超能力、しかも危険な能力を持つ瞬を消しに来たという。その後何とか命は拾った瞬だったが、今度はその能力を買われてキイチとマキの所属する組織のために働くことを強いられる。そして瞬は超能力が絡んでいるらしい大きな事件に巻き込まれるのだが…。
    果たして瞬の持つ超能力とは、そして事件のカギを握る「アヤカ」とは一体何なのか。

     本作は「超能力]をテーマにしているが、イメージするような内容ではなく良い意味で超能力という概念を壊してくれるものだと個人的には感じる。また著者もあとがきで書いているが、こういう内容の作品は珍しいと感じる。そのため物足りない人には微妙かもしれない。
    また個人的に所々で展開が急だったり、もう少し詳しく描写してほしいなと感じる部分もあった、あとラストに向かうにつれて多少しりすぼみな感じはある。(アヤカの正体とか)

    まとめると総合的には好みなので続編を期待したい。

  • 異能もののエンターテイメント。テンポよく進むし楽しく読み通せた。

  • 超能力を無効化する能力を持つ主人公。ただしその自覚はない。なぜなら超能力を無効化出来るゆえに超常現象を自分で見る事が出来ないから。
    そんな主人公が超能力を持つ集団に組み込まれ事件に巻き込まれていく。
    設定が面白い。超能力を持つ者は代償をも持つ。他人の痛覚を操れる者は味覚を奪われ、サイキックを持つ者は常に頭痛に悩まされる。主人公はその代償も無効化してくれるので重宝される。
    ちょっとミステリっぽいところもあるが全体的にはライトノベル感満載。

  • サクッとコメディ感覚で読めました。
    楽しむことは出来ました。

  • 超能力が出てこない超能力小説として一部で話題のサイキックミステリ。デビュー作ということで文章が中二っぽく、「ぐしゃっとスプーンが曲がる」ってオチだったらどうしようと最初本気で心配した。読み終えてみると、オープニングが良くできている。いきなり主人公が二人組の男女にアパートに乱入されて拉致られる。銃を突きつけながら、女は湯を沸かしてコーヒーを飲んで一言「ほんとだ、殺すしかないわね」。わけわかんないが一応ワケはある。能力者には各々の能力とともに代償がある。例えば、女は「液体の温度を上げる」能力と「熱いものを口にできない」代償を持つ。そして主人公は「近くの能力者の能力と代償を無効化する」能力を持つのだ。Xメンみたいにいろんな能力者がわらわら出てくるが、なにしろ無効化能力なので、主人公の前では何も起こらない。したがって、超能力はそもそも無く、周りがみんなしてドッキリ仕掛けてる疑惑が、最後まで続く(のが上手いところ)。そんなこんなで未解決の大量殺人事件の捜査に巻き込まれる。お互いに殺しあってて真犯人が不明。どんな能力なのか、意外性はあんまりないけどね。とにかく今までにないネタやらかした、ということで+1。

  • う~ん、ただ変わった登場人物が出てくるお話だった。話は凄い読みやすいのでサクサクいけます。

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著者プロフィール

1971年生まれ。埼玉県出身。日本大学藝術学部文芸学科卒業。第15回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として、『愚者のスプーンは曲がる』(宝島社)にてデビュー。

「2020年 『ループ・ループ・ループ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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