警視庁「女性犯罪」捜査班 警部補・原麻希 氷血 (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800268310

作品紹介・あらすじ

北海道に帰省していた原麻希一家は、観光に寄った札幌の公園で、氷漬けとなった女性の遺体を発見する。女性は以前、東京に住んでいた際に、警視庁「女性犯罪」捜査班にストーカー相談に訪れていたことがわかった。捜査を開始した麻希は、警察官を志すきっかけとなった北海道警の瀧正義警部と再会するも、その姿は変わり果てていた-。天才捜査官・原麻希の切ない過去が初めて描かれる、人気シリーズ最新作!

感想・レビュー・書評

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  • 警察庁が銃刀や麻薬の押収のノルマを全国の警察に課したことに対し、北海道警察は暴力団に銃と麻薬を密輸させるということをやらせた。こんなことって本当にあるの?小説だけのことなのかとふと思うが、これに絡んで、原麻希の恩人の瀧正義刑事は暗闇に落ちていく。北海道に夫の則夫と里帰りした原麻希は、氷漬け死体を発見してしまう。そこで瀧刑事と再会するのだが、彼は麻希を全く覚えていなくて、逆に麻希たちに罠を仕掛けてくるのだ。今回は原麻希と瀧刑事の悲しい物語だ。それなりに読ませる。

  • 吉川英梨『警視庁「女性犯罪」捜査班 警部補・原麻希 氷血』宝島社文庫。

    ハラマキ捜査官シリーズ第9弾。シリーズ第1弾から順に読んでいるが、女性犯罪捜査班シリーズに変わってからでは一番の傑作ではなかろうか。これまでとは雰囲気の異なるハードな警察小説。

    北海道に帰省中の原麻希一家は札幌市内の公園で女性の変死体を発見する。事件は北海道警察の暗部とも関わりを見せ、それは原麻希の過去とも関連していく…

    一皮剥けたかのような作風の大きな変貌に次の作品が楽しみである。

  • 原麻希・女性犯罪捜査班シリーズ第4弾。
    「アゲハ」から読み続け、途中間が空いてしまったが、とうとう今出ている作品の最後に来てしまった…「アゲハ」が面白くて、人に勧めたけど、なかなか理解してもらえなかったのに、気づけば、長いシリーズになって、何となく感慨深い。
    お正月休みに家族3人で、故郷・旭川に帰省した原一家。しかし、家族との折り合いも悪く、年明け早々、札幌に移動し、観光に出かけた3人は川岸で凍死した女性の遺体を見つけてしまう。しかも、亡くなった女性は少し前まで東京にいて、女性犯罪捜査班にストーカー被害の相談に訪れていたことから、麻希も捜査に加わる…と言う、ま、いつもの強引な滑り出し。
    ここ2作品ぐらいは、この強引な始まりから、軽いノリで展開されるストーリーが好きになれなかったのだが、今回は麻希の過去と現在の捜査をクロスさせながら、物語は進み、今まで謎だった麻希の刑事になった経緯も明らかになる。
    北海道が舞台なので、道警の不祥事も描かれ、ラストの本当の敵との闘いは、前シリーズのリクルーターを彷彿とさせた。
    内容からすると、このシリーズも、ここでひと段落かな…とりあえず、頑張って、読み切った!

    • ことぶきジローさん
      思いの外、長いシリーズになりましたね。高嶋哲夫さんの巨大災害シミュレーション小説は全て読んでますが、必ず近い将来、同じような事態が訪れるので...
      思いの外、長いシリーズになりましたね。高嶋哲夫さんの巨大災害シミュレーション小説は全て読んでますが、必ず近い将来、同じような事態が訪れるのではと危惧するようなリアリティーを感じる作品ばかりです。
      2017/07/01
  • ハラマキシリーズの第9弾。
    北海道に家族で帰省中のハラマキが事件に巻き込まれます。ハラマキのプライベートが描かれていて、過去が切なかったです。

  • 北海道に帰省していた原麻希一家。
    しかし、観光中に氷漬けの遺体を発見してしまう。その女性は、以前、警視庁の「女性犯罪」捜査班に、ストーカー相談に訪れていた。

    そして、原警部補が、警察官を目指すキッカケとなった瀧警部との再会。しかし、瀧警部は、あまりにも変わり果てていた。

    次々と明らかになる北海道警察の闇また闇。
    二転三転する真実に、卑怯な罠の数々。

    本当の敵は、誰なのか?
    真犯人は、ストーカーなのか、それともヤク中の瀧警部なのか?

    あまりに切ない原警部補の過去が明らかに...
    表題の「氷血」の意味に、しんみりとします。
    良書。

  • 帰省旅行で北海道に入ったヒロインが、思いも掛けずに戸外に遺棄された遺体の発見者となってしまう。
    刑事として捜査協力をすることになるのだが、「とんでもないこと」が白日に晒されて行くこととなる。
    ヒロインの想い出の中に在った人物が、非常に好ましくない型で眼前に現れ、やがて対決することにもなる。
    なかなかに夢中になった…

  • 北海道警察の不祥事を絡めて、主人公の過去を描いている。世話になった警官の過去の姿と現在のギャップが大きく、中盤までは面白かったが、堕ちた理由はイマイチ。ハラマキの謎解きも唐突。

  • 原麻紀さんの過去に触れる作品です。
    レギュラーメンバーの意外な一面が数多く見られ、また本シリーズとしては珍しく人情の使い方が上手で読み応えがありました。

  • 4月-20。3.5点。
    麻希の実家に行く、一家。ツアー中に死体を発見。
    麻希の過去とシンクロしながら、物語が進む。

    あり得ないような、警察の暗部だけど、読ませる。
    ミスリードのテクニックはさすが。

  • 有名な道警不祥事を舞台設定にしてますが、ハラマキの高校時代回顧を絡めての展開。やはり主人公の過去を絡ませてくると流石にネタ切れかなと。夢ちゃんを主人公にしてもいいかなと。または10年後になって娘がアゲハになるとか。

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著者プロフィール

『私の結婚に関する予言38』(宝島社文庫)にて第3回日本ラブストーリー大賞のエンタテインメント特別賞を受賞し、2008年デビュー。近著に『ブラッド・ロンダリング』(河出文庫)。そのほか、「原麻希」シリーズ(宝島社)、「新東京水上警察」シリーズ、「海蝶」シリーズ(ともに講談社)、「十三階」シリーズ(双葉社)、「警視庁53教場」シリーズ(KADOKAWA)、「感染捜査」シリーズ(光文社)など著書多数。

「2023年 『警視庁捜査一課八係 警部補・原麻希 グリーン・ファントム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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