もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら

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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800271105

作品紹介・あらすじ

太宰治、村上春樹、星野源…ネットで大反響の文体遊戯!100人の多彩な文体で綴るフタ、かやく、湯切り…

感想・レビュー・書評

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  • 改修工事で長いこと閉館していた図書館が再開して嬉しくて嬉しくて館内をウロウロしていた時に目に留まった本。
    嬉しいから目に留まった本は片っ端から借りた中の一冊。
    だただひたすらカップ焼きそばの作り方について書いてある。
    それぞれの作家さんの味がよく出ていて面白かったなぁ。

    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      翠さん、お返事ありがとうございます♪
      私の名前、打ち込みのメンドくささ半端ないので、
      「本と珈琲」で結構です(次回がありましたら‥)

      小学...
      翠さん、お返事ありがとうございます♪
      私の名前、打ち込みのメンドくささ半端ないので、
      「本と珈琲」で結構です(次回がありましたら‥)

      小学生への読み聞かせ、いいですね〜。
      子どもの真っ直ぐな眼差しや目の輝きは、何ものにも
      変え難いですね。
      今後も、是非子どもたちに本の素晴らしさ、夢を
      与えてくださるよう、期待いたします。
      2023/05/02
    • 翠さん
      ではお言葉に甘えて本と珈琲さんと呼ばせていただきますね(^^)
      子ども達から「あの本面白かったー!」なんて言ってもらえた日には飛び上がる程元...
      ではお言葉に甘えて本と珈琲さんと呼ばせていただきますね(^^)
      子ども達から「あの本面白かったー!」なんて言ってもらえた日には飛び上がる程元気がでますね。
      子ども達が本と出会う小さなキッカケになれるようがんばります!
      2023/05/02
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      グッジョブです(笑)
      グッジョブです(笑)
      2023/05/02
  • 太宰治や村上春樹、ドストエフスキーまで、もし彼らが「カップ焼きそば」の作り方を書いたら…

    それぞれの文豪たちの表現の特徴をうまく捉えて書かれていて、思わず「わかるー!」と女子高生よろしく声に出してしまいそうになる、そんな作品です。

    文学って難しそうと思っている皆さんにも、手に取りやすく、読むって楽しいんだ!表現って自由なんだ!と気づかせてくれます。

    おすすめです。

    『「このかやくがいいね」と君が言ったから七月六日はカップ焼きそば記念日』

  • 『好き』のスタートはいつだって物真似から始まる。
    僕も学生時代、いくつのスターたちに憧れ、なりきってきただろう(笑)


    お腹に当てた両手の平を見て
    『なんじゃ、こりゃぁぁぁーっ!』の松田優作。

    『寝たふりぃ~してる間にぃ~出ていってくれぇぇ~♪』で
    シルクハットを華麗に客席に投げた
    スーパースター、沢田研二(ジュリー)。

    くわえタバコで肩をすくめながら
    ルーズにギターを弾く
    ストーンズのギタリスト、キース・リチャーズ。

    ボギーに憧れ親指で唇を撫でる仕草が決まってた
    映画『勝手にしやがれ』のジャン=ポール・ベルモンド。

    『怒るで、しかしぃ』『メガネ…メガネ』の口癖が
    クラスで大流行した
    浪花の天才漫才師・横山やすし。

    単身アメリカに渡り、お尻をぷりっと打者に向けるトルネード投法で
    メジャーリーグ相手に三振の山を築いた野茂英雄。

    『スコーン、スコーン、コイケヤスコーン♪』
    『スコーン、スコーン、コイケヤスコーン♪』
    『カリッと サクッと おいしいスコーン♪』その強烈なインパクトと怒濤の勢いに
    誰もがワケも分からず口ずさんでしまった(笑)
    いまや伝説の湖池屋『スコーン』のCM。


    などなど。
    (最後はシャレです笑)




    そして…


    そんな『好き』から始まる行為は
    ときにオリジナルを凌駕することもあるのである…。




    ということで、この本。
    誰もが知っている文豪や著名人、ミュージシャン、Instagram風、雑誌風、迷惑メール風など、100通りの文体で
    カップ焼きそばの作り方が書かれている。
    (てか、ほんまにカップ焼きそばの作り方しか書いてない笑)


    昔から、『好きこそものの上手なれ』とはいうけれど、
    そんな好きからくる物真似がここまで完コピだと、
    もはや笑うしかないし(笑)、
    これはもう、紛うことなき『愛』なのだ。


    好きな作家や馴染みのある作家なら
    確実に笑えるし、
    知らない作家であっても、
    (たとえ下らない内容であっても笑)
    文体から興味が湧いて
    なぜかその人の作品を読んでみたくなるから、
    あ~ら不思議(笑)


    個人的にツボだったのは、
    初期のニヒルな村上春樹になりきった
    『1973年のカップ焼きそば』、

    めんどくさいことをまた言ってる(笑)
    星野源的ニュアンスが笑える
    『焼きそば恥だがカップ立つ』、

    ウキウキ通りをペヤング通りに変えた歌詞のセンスに唸った(笑)
    小沢建二の大ヒット曲のパロディ
    『痛快ウキウキ焼きそば通り』、

    80年代に青春を送ったチェリーボーイたちなら
    誰もが一度は読んだであろう(笑)
    雑誌『POPEYE』の文体を真似た
    『カップ焼きそばは、日本発の世界的大発明なのだ!』、

    読んでてなぜかドキドキした自分が恥ずかしい(笑)
    官能小説家・宇能鴻一郎のパロディ
    『食欲の悦び』、

    アララギ君の一人語りが脳内で繰り広げられる(声は勿論、神谷浩史!)
    西尾維新の『食物語』、

    学生時代、男の子ならお世話になった、
    あの「週間プレイボーイ」がよみがえる!(笑)
    『カップ焼きそばクン(18)』、

    懐かしい文体に不覚にもちょっと泣きそうになった (汗)
    中島らもの
    『カップ焼きそばよりもトリスください』、

    かな~。



    それにしても、下らない(笑)

    しかし、ここまで様々な作家の文体や
    創作者の醸し出す雰囲気を模倣できるということは
    すべての作品を読みこみ、
    文学や本という表現が好きじゃなきゃ到底できないこと。
    (その労力たるや!)


    それに僕は、下らないことに全力を懸ける大人がけっこう好きだ。
    くだらないことに
    一所懸命になれる心が好きだ。


    カッコ悪いということは、実はカッコいいのである。

    やっぱ、
    『愛なんだよ、愛!』

    • 夜型さん
      円軌道の外さん、こんばんは。初めまして。
      先程はいいね!だけでなく親切にコメントまでありがとう御座いました。
      こちらもご挨拶したく、お邪...
      円軌道の外さん、こんばんは。初めまして。
      先程はいいね!だけでなく親切にコメントまでありがとう御座いました。
      こちらもご挨拶したく、お邪魔させていただきます。

      ブクログでは、読ませるレビューが多く、また人と出会い、さらに新しい本とも出会える場でもあり、すごく気に入っています。
      それにみなさんいろいろな語り方をされていますよね。
      円軌道の外さんのレビューも面白く読ませて頂いています。なので、いいね!しました。
      本というのは、人の性格やバックボーンすら見せてしまうかもしれません。
      小生からすると周りは個性豊かな人たちばかり。
      円軌道の外さんも個性的に見受けられました。

      この作品もとても面白そうに思います。
      松岡正剛氏の千夜千冊で取り上げられていましたが、まるでレーモン・クノーの文体練習の実践編のようです。
      文体によって人が出てくるのをこの本は教えてくれそうですよね。

      まったりレビューしたためてゆくつもりです。
      豆腐メンタルなのでたまにネガティブになったりポジティブになったりですが、いろいろに書き方ができるのではと僭越ながら実験的な試みもしてゆきたいと思っています。

      よろしくお願いいたします。
      それでわんこ!
      2018/01/23
    • 円軌道の外さん
      読書猫さん、コメントありがとうございます!

      今週は東京は久びさに大雪が降ってうちの町でも
      25センチほど積りました。
      僕は昼間は便...
      読書猫さん、コメントありがとうございます!

      今週は東京は久びさに大雪が降ってうちの町でも
      25センチほど積りました。
      僕は昼間は便利屋の仕事をやっているのですが、
      今週は雪かきの依頼や夜逃げの引っ越し仕事や遺体の出た部屋の掃除など、かなりバタバタと忙しくしておりました。

      たくさんのポチを頂きながら、
      お礼が遅くなりホンマすいませんでした!


      読書猫さんの仰有る通りだと思います。
      僕も『文体こそが人なり』と常々思っています!
      過ごしてきた環境や今までの経験や人との触れあいの記憶が、
      その人を作るし、
      書く人それぞれの文体を作るのではないでしょうか。

      ブクログは本当にいろんな人と交流ができるし、単純に楽しいですよね(笑)
      なんと言っても自分の『好き』がカブる人たちばかりなので、
      お互い共感もしやすいし、
      やっぱ好きを語る人たちの文章を読むのは、嬉しくなります。
      それに僕は『我以外みな師なり』と思っているので、人が書いたレビューを読んだり、考えかたを聞いたりするのは
      すごく勉強になるんです。

      あはは(笑)、いやぁ~、僕って個性的ですか?
      自分では分からないし、そう見えてるならとても嬉しく思います(笑)
      レビューなんて、人と違ってナンボだし、
      逸脱しなきゃ、個性とは呼べないと思って生きてきたので、
      表現者としては、迎合するのではなく、
      常に『逸脱すること』を意識しながら今も文章を書いてます。

      読書猫さんの文体も充分に個性的だし、
      僕は好きですよ。
      正直だし、血が通ってる文章だと思うし。
      何より、レビューを見ただけで、
      コレは読書猫さんが書いたものだって分かりますよね。

      あはは(笑)、僕もすぐにレビュー書けなくなるし、
      大丈夫ですよ。
      落ち込んでいたとしても、自分に正直に書いた文章の方が
      実は読む方も共感できるのです。
      逆に読む人を意識し過ぎて
      体裁を整えた文章は、心の深いところにはまったく響かないですし。

      実験的な試みにも期待してます!(笑)

      ではでは、これからもよろしくお願いします!
      2018/01/28
  • タイトルに惹かれてしまった 
    ううっ、読みたい!
    読みたいけど、さすがに図書館には置いてない
    定価で買うのは勿体無い
    ということで今回もお世話になりましたメルカリ様様

    最初から真面目に読む必要なし
    バッグに入れておいて、駅や病院の待ち時間など隙間時間に好きな所を
    ただし、吹き出してしまってお隣の人に怪しまれるかも

    世界の村上春樹が「はじめに」と「あとがき」を書いているので、しようもない本の格がぐっと上がるかな
    と言っても本物の村上春樹さんではないのでお間違えなく

    私のお気に入りは、沢木耕太郎の「深夜焼きそば特急」
    又吉直樹「火ップ焼きそ花」・・・
    『週刊文春』「VERY」・・・
    しょうもないけど、よくもここまで考えられる
    ある意味すごいわ

  • 私はものすごく面白かった!
    すごい笑った!
    カップ焼きそばの作り方でしかないのに確かに書きそう!って思わせてくれるリアリティと、それぞれの文豪や雑誌やよく見かける文章が、すなわち文章が本当に好きなんだなと思わせてくれて幸せになれる。

  • 完全にジャケ買いしてしまった本作(笑)

    著名な文豪(じゃないパターンもかなりあるけど)っぽく「カップ焼きそばの作り方を書く」という意欲作…?

    ううーん、まあまあかなー…
    まああれかな、この初速のみを楽しむ感じかな(笑)

    200ページまで頑張って引き伸ばしてる感が凄まじく…ストーリーの一貫性を無視して尺稼ぎに走るリメイク版ドラゴンボールを見ているようでした。

    村上春樹とか、町田康とか、上手く書くなーと笑えるところももちろんあるんですが…

    間違ってソースをお湯よりも先行投入して、全体的に味薄くなっちゃったパターン…?

    <印象に残った言葉>
    ・完璧な湯切りは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。(P17、村上春樹)

    ・しまったしまった島崎藤村。(P43、町田康)

    ・私はその官能的とも言える美質に感動を覚えながら、麺に接吻をした。そして唇を開き、一気に啜る。ズルズルと喉を通っていく快感で私は慄えた。確固たる生命力のいうものを感じ取ったのである。(P77、三島由紀夫)

    <内容(「BOOK」データベースより)>
    もしも村上春樹がカップ焼きそばの容器にある「作り方」を書いたら――

    ツイッターで発信され、ネット上で大拡散されたあのネタが、太宰治、三島由紀夫、夏目漱石といった文豪から、
    星野源、小沢健二らミュージシャンまで、100パターンの文体にパワーアップして書籍化されました。
    読めば爆笑必至の文体模倣100連発。

    さらにイラストは、手塚治虫をはじめとした有名漫画家の模倣を得意とするマンガ家・田中圭一氏の描き下ろしです!

  • タイトルと表紙で面白そうな予感。
    知ってる作家や人物には、それっぽい!雰囲気出てるー!と、にまにましながら楽しんだ。
    元ネタというか、下敷きになった作品がわかると猶楽しめる。

    1人だけ物申したい。
    ホームズは紅茶の国の人だから、あの推理では甘い。ワトスン君、感心してる場合じゃないよ。

  • 読んだことのない文豪たちが沢山登場し勉強不足を、痛感させられた。

  • 年末年始のテレビで大好きなのが、ものまね王座決定戦(フジテレビ系)とものまねグランプリ(日本テレビ系)だ。

    ものまね番組は、大物芸能人自身が別の有名人の唄まねをする企画物からスタート。その中から、本職の歌よりものまね番組での出演がメインの芸能人が登場。そして、「ものまね芸人」という専門のジャンルが作り出された。

    ものまねのレベルが上がってくると、ご本人が登場するドッキリ企画から一緒に歌い上げるという定番のシーンも生まれた。

    ものまねをする方は、デフォルメで笑いを取りながらもその根底にあるのは相手への尊敬。

    ものまねされる方は、自分自身でも気がつかなかった個性や特徴に驚き、喜んで「ご本人登場」となる。

    ものまねされることで、人気が再燃した芸能人も数知れない。


    この本では「ものまね」を、古今東西の文豪を相手に行っている。

    しかも、「カップ焼きそばの作り方」というしばりをかけて。


    本物が素晴らしいから、ものまねが輝く。
    ものまねが面白いから、本物を手に取ってみようと思う。

    そんな相乗効果が、この本にはある。

  • この本には「カップ焼きそばの作り方」についてが書かれている。それ以上でもそれ以下でもない。何ら実用性はないし、深い洞察があるわけでもない。
    (はじめに)

    本当にカップ焼きそばの作り方しか書かれていない(笑)
    太宰治や夏目漱石、村上春樹などの文豪から池上彰、尾崎豊、デーブ・スペクターにヒカキン。更には週刊文春や国語の過去問、求人広告、まさかのInstagramまで。
    元ネタを知らないとただのカップ焼きそばの作り方だが、知っていたら脳内で綺麗に再生されるほど素晴らしいカップ焼きそばの作り方になる。
    全然嬉しくないけど本の最後には、それぞれのメーカーのカップ焼きそばの作り方がそのまま記載(笑)
    大人が真面目にふざけた本でした。

    よし、とりあえずお湯を沸かそう。

  • もし、文豪がカップ焼きそばの作り方を書いたら。という設定で、1~2ページの短文で表現されている。

    とにかく、ぷっと笑ってしまう可笑しさ。
    文豪だけではなく、雑誌の文面やブロガーまで多種多様。
    「女性向け自己啓発エッセイ」とか、「自己啓発本」とかあるあるの感じが良く出ていて笑ってしまう。使い古された定型フレーズにあふれてるんだなと。

    これは、仕事においても編集者など文章に関わっているからこその鋭い観察眼なのでしょう。

    「カップ焼きそばの作り方」という題材の取り方、企画が絶妙なのだろう、手順が多い、麺、かやく、ソースというシンプルな登場人物たち。湯切りという行為。意外と物語性を高められる。文学だろうが、週刊プレイボーイだろうが表現できてしまう。

    大学の先輩で、色々な雑誌の文体を縦横無尽に真似できる人がいたが、それを思い出した。言葉に対する感覚が優ってるんだなと、しみじみ思う。

    また、物まね芸人と一緒で、基本的には対象のことを好きなのだと思う。(時に毒のある、バカにしてるなこれ、というようなものもあるが、親しみ込めて、愛憎半ばで表現しているのだろう。)

    蓮実重彦や村上龍と坂本龍一の対談における難しい言葉が空回りしている感じも本人が自信満々だけに面白い。

    『暮らしの手帖』の少し思いつめたラディカルさ。又吉は完コピなのではと思った。

    自分が親しみ深い(思入れが深い?)、志賀直哉、ドストエフスキー、rockin'onなどは、不思議と違和感を感じてしまう。

    ただ、田中圭一の漫画カバーはどれも秀逸。西原、青木雄二など、本物みたい。さすがプロ。

  • 文体模写もの。100種あって、「分かるなあ」と思える物が半分位。いろんな分野を読んできたつもりだけど、まだまだだなあ、と思った。
    似てる、と思えたなかで、うまい、と思えたものを挙げると、最初の村上春樹と、最後の村上龍X坂本龍一対談か。純粋な娯楽本として気楽に読むのにちょうどよいです。

  • どれだけ「あ〜わかるわかる」と共感できるかが、面白さの幅を決める。
    もちろん知らなくても、ある程度は楽しめるのだが、だんだん飽きてくる。
    読み続けるのがキツくなってくる瞬間が訪れる。せいぜい5分がいいところか。

  • 2回目。
    ビジュアル系と女性向けエッセイと、求人広告と、インスタがすき。

  • 文体模写による、100通りのカップ焼きそばの作り方。当初は「ふーん、売れてるなぁ」と横目で見ている程度だったが、試しに手に取ってみたら、その乗り移りっぷりが面白くて!決定打となったのは星野源だった。文豪から雑誌の文体、ビジネスメールや迷惑メールまで、多彩な憑依っぷりがお見事です。元ネタを知らないと楽しめないかもしれないのと、延々カップ焼きそばの作り方が続くので胸焼けしそうになるのが難点だが(だから読了まで時間がかかった)、軽い気持ちで楽しめる。田中圭一さんのイラストもさすがの似せっぷり!
    ラストで、各社のカップ焼きそばの作り方が載っていて、ちょっと驚く。(そもそものオリジナルなんだけど。)そういえばこれまで各社の文体の相違など気にも留めなかったなと…新鮮な気持ちになった。
    くだらないけど、ちょいちょい読み返したくなるかも。

  • 思ってたよりおかしくて、結構笑ってしまった。文体の真似が次から次へと登場して、その数何と百人(「文豪」だけじゃなくて、なかには人間じゃないのもまじってるけど)。読書量とセンスがないとできないと思うが、こんな方向で頑張らずとも良かろうに、というくだらなさ加減がわりと好きです。

    「アハハ、うまい!そうそう、この人ってこういう書き方だよねえ」と思ったのは、池上彰・町田康・又吉直樹・小林よしのりあたりかな。吉田豪やロッキングオンのインタビュー記事も、いかにもそれらしくて笑った。新聞コラムや自己啓発エッセイ、広告でよくある「利用者の声」あたりも特徴が出てる。思わず吹き出してしまったのが「国語の問題」。あるよあるある、こういうの。

    なかには「これ誰?」というのもある。ブロガーとかユーチューバーとか知らんもんね。でも、ははーん、この人はこういう感じの書き方なのね、となんとなくわかるところが面白い。

    真似されて不愉快な人もいるだろうな。これは顔マネなんかも同じだと思うけど、ある種の「批評」になる場合があるものね。誰とは言わないけど、やたら小難しそうな持って回った言い回しがしっかり模倣されていて、これはちょっと痛快。

    新聞広告にも使われていたが、「まえがき」も「あとがき」も村上春樹(のマネ)。これまたそれらしいのだけど、なんだか気取った鼻持ちならない感じが濃厚に漂う。もともと村上春樹ってそういう文体…あわわ、いやわたしは村上春樹の文章がとても好きなのだけど、どういうマジックで読むと快感を感じてしまうのか、あらためて不思議に思ってしまった。

    解説は柳家小三治(のマネ)だが、これがすごくうまい。きっとファンなんだな。絵で参加しているのが田中圭一で、これも面白いけど、西原理恵子の絵はあんなにちゃんとしてないから。「土佐日記」などの古典で古文が間違ってるのもご愛敬?

  • ああ、なんかもう絶対バカ本だってジャケットや帯で分かりすぎるくらいにわかる!
    だけど、こういう本つい買っちゃう。
    むしろ好きだったりする(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

  • もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら
    著作者:神田桂一
    発行者:宝島社
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    読めば爆笑執達の文体模倣連発。

  • タイトルの通り、文豪の特徴ある文体や名作に似せて、カップ焼きそばの作り方について書いたものを集めた企画本。
    全てが文豪モノというわけではなく、アーティストの歌詞にかけたモノやインタビュー形式など変化球の方が全体的に多いがクスリと笑わせる小ネタが散りばめられている。
    そして所々に登場する文豪作品は、特徴を捉えて小ネタよりもワンランク上の完成度。更に大文豪の作品の後には、田中桂一による一枚漫画が添えられていて、これがまた完成度が高い。
    気軽に読める一冊である。

  • 地下鉄で読んでいたけど、これは危うく人前で噴き出しそうになった。
    この著者のような人たちが、将来AIクリエーターになるんだろうな。この本に取り上げられた文豪達をすべて知っていれば、もっと面白いんだろうけど、読んだことがなくてもモノマネがうまい事が想像つく。このような特徴を抽出できる人が、人の特徴をAIに教え、その人の成りきりAIを生み出すんでしょう。
    ともかくサイコーです。

  • 中学生の頃、
    男の子たちがどうでもいい(ように見える)ことでバカ騒ぎしていて、
    それを女の子たちは「ほんと男子って、、、」と呆れつつも微笑ましく、なかばうらやましさも感じながら眺めていた。

    男子ってくだらない、
    なんて思いながら、聞こえてくる言葉に吹き出しちゃったりして。

    どうしようもないのに、なんかいい。
    そんな、「負」とは無縁のところにある1冊。

    とにかく、くだらない。
    だからこそ、疲れたときに手に取りたい。
    頭を使わず、心揺さぶられることもなく、
    でも、読んでいるとそれなりに集中できて、他のことを忘れられる。
    さらに、ときどき不意打ちで、思わず笑みがこぼれるような一節に出遭う。

    「文豪たちが書いたら」には期待できないけど、
    (ごめんなさい)
    想定していなかった癒し?効果はあり。

    肩肘張らずに、頭もカラダも心も脱力モードで。
    プロローグにあるように、「読後、なにも残らない」がちょうどいい。

  • 読み終わって何も残らないことを目指すと書かれている通り、スカッと通り過ぎていくような、文学的には全く持って意味のない文章である。カップ焼きそばの作り方を、村上春樹なら、女性誌VERYなら、村上龍なら、など、本当にその特徴を捉えていて、思わず笑ってしまう。落合陽一のこ難しい言い回しだけど実態的にはあまり持ってまわる意味のない語りや、暮しの手帖や相田みつをなど特徴に思わずふふっとなるような秀逸な作品もあり。高城剛とか馬鹿にしすぎだと思うけど思わず吹き出した。
    確かに、結果的には記憶に残らないし、不思議と誰かに話そうと思っても出てこない。それが本書の凄いところだろうか。村上春樹の言い回し、「完璧な湯切りは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」は、本当に思いついたときの衝撃は凄かったことだろう。素晴らしい発想、そしてあまりにもくだらない内容。

  • 目の付け所!
    発売後から話題になっていましたが、思い立って今更ですが読了。全ての元ネタを知っている訳ではなかったのですが、知らないものでも「あぁ、こういう文体なのか」とわかって面白いですね。

    「小説+モノマネ」という組み合わせを発想したところが第一ですが、意外性があって怒られにくい(笑 カップ焼きそばの作り方という題材を選んだところや、キャッチーで幅のあるモノマネ相手の選択(文豪だけだと文学好きにしか受けないですからね)もまた上手い。
    モノマネ相手へのリスペクトが実際あるのかどうかは不明ですが、ちゃんとしたモノマネだ!というのが感想。元ネタに忖度し始めると途端につまらなくなるもので、そんなコトないプロの作品でした。個人的に大好きなオザケンのくだりはやっつけ感がありましたが…。

    読み終わって思ったのは、「元ネタに触れてみたい」よりも「カップ焼きそば食べたい」の方が強いなぁと(笑
    それでも、普段本を読まない人にも手に取ってもらう効果はあるんじゃないかと。たとえ継続的な読書週間にはならなくても。

    (誰かの文体をマネして感想が書ければ良かったのですが、難しいですね。そう思うと、やっぱ本著は凄いんだなぁ)

  • 紀貫之から週刊文春まで
    もはや文豪に垣根などないな・・・

  • 本書が発売されたときに結構話題になっていたし、実際自分がどれくらいの文豪の特徴が分かっているのか試してみたかったので積読リストに入れてました。

    が、ほとんどは著者の特徴を似せているのではなく単に特定の作品をアレンジしたような、もっと酷いと有名な名文に「ソース」とか「湯切り」とかいうコトバを挿入しただけみたいなものも多く、楽しめるレベルにもなっていないものが多くて残念でした。
    村上春樹はなかなかよかったんだけどなー

  • レイモン・クノーの『文体練習』を面白く読んだ人にとって、さらに輪をかけて楽しめる一冊。
    誰もが知っている「カップ焼きそばの作り方」について、ここまで多種多様な文体が展開されるなんて、すばらしいの一言です。
    この単純作業が大御所作家の流麗な表現に生まれ変わるというすごさ。

    なぜにカップ焼きそばなんでしょう?という疑問はありますが、文体練習、文体模写が好きでたまらない人たちが集まって作った一冊という感じ。

    また、文学者だけにとどまらず、幅広い文体を集めているのがこの本の魅力。
    前書きにあるように「近代から現代までの国内作家、代表的な海外の作家、歌手やエッセイスト、それと特徴的な文体の雑誌」を収録しています。

    目次を読むjだけでも、おもしろいものばかり。
    ・カラマーゾフの湯切り
    ・麺の細道
    ・限りなく透明に近いお湯
    ・仮面の焼きそば
    ・伊豆の焼きそば
    ・羅蕎麦門

    もうなんでもありですね!

    スーザン・ソンタグまでが登場します。特徴が無いようで、やはりしっかりと文体と口調をつかんでいるところに、センスを感じます。

    ヴィジュアル系の歌の歌詞や、迷惑メールの文にもなっていて、笑えました。
    著名な文筆家は特徴的な文体を持っているもの。それを応用した愉快な一冊です。

    くだらなさと真剣さをベースに、発想力と実行力で作り上げた本。一読の価値ありです。

  • 文豪からヒカキン、インスタグラムまであらゆる文体で綴られるカップ焼きそばの作り方。このコラボレーションを考え出した才能に乾杯(^-^)v
    読んだことのない作家やジャンルにも興味が湧く、新しい形のブックガイドとも言える。

  • 今月金欠気味だからネタ系の本に使うお金なんてないんだからね、と自らを戒めていたにも関わらず、いざ書店で手に取り目次をパラ見したらダメだった……抗えなかった(買った)。

    夏目漱石、村上春樹、森見登美彦、シェイクスピア、週刊文春などなど、100通りの文体でひたすらカップ焼きそばの作り方を綴るという奇書。
    似顔絵やモノマネ歌番組を楽しむ感覚だから、元ネタを知っているに越したことはないんですけど、「よく知らないけどきっとめちゃめちゃ似てるんだろうなあ」と感心しながら読んでしまいました。

    道民的にはカップ焼きそばと云えばやきそば弁当なので、作る過程に「湯切りの湯でスープを作る」がないのが寂しいんだぜ。

  • これを学術書と言っていいのか困るのですが、とりあえず学術書と言っておきます。

    様々な作家の文体(文章)でカップ焼きそばの作り方についてただひたすら書いている本です。
    まず、表紙開いて目次見ただけで吹きだしますよね。これ。
    紀貫之から星野源まで。あげくはユーチューバーまで…。っていうか、紀貫之とか反則じゃないですか?土佐でカップ焼きそば日記とか、もうどうしようもないですよね。

    日本の作家だけではなく、海外のドストエフスキーとかもカップ焼きそばの餌食になっています。コナン・ドイル氏のシャーロックホームズの本は読んだことがないのですが、わずかな事実からカップ焼きそばを食べたということまで考えぬいたホームズ氏の推理力をすごいと思いつつも、コナン・ドイル氏はこのなぞ解きをカップ焼きそばではなく、違うものでひたすら文章にしたのか。と思うとちょっと読んでみたくなったものです。

    個人的には志賀直哉と太宰治が好きですね。元の文章が好きという点ではほかの作者もいるのですが、志賀直哉の小難しい文章でカップ焼きそば作っておいて、「作者は此処で筆を擱く事にする」とか、もうね!!志賀直哉様バンザイ!でした。
    ちなみに太宰治は元の文が羅生門でした。是非読んでください。

    全体的にカップ焼きそばの作り方が軽い感じなので、逆に重厚な文章の方の方がギャップで笑ってしまうのかもしれません。カップ焼きそばからかけ離れていればかけ離れているほど笑える気がします。また、ところどころにある田中圭一氏の二重の意味でのパロディを見れるのが本当に楽しいです。
    人前で読むのにはあまりお勧めしない本です。(吹き出すから)

  • ものすごくくだらないと思うけど、凄いとも思う。
    この作家ならこんな風に書きそうだなと思わせる。
    面白かった。

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著者プロフィール

1978年、大阪生まれ。フリーライター・編集者。一般企業に勤めたのち、写真週刊誌『FLASH』の記者に。その後『マンスリーよしもとプラス』編集を経て、海外放浪の旅へ。帰国後『ニコニコニュース』編集記者として活動し、のちにフリーランスとなる。雑誌は『ポパイ』『ケトル』『スペクテイター』などカルチャー誌を中心に執筆。ウェブでは『やまもといちろうメルマガ』編集、『本の雑誌』『論座』などに寄稿し、その他マンガ『アイアムアヒーロー』のリサーチなども行う。著書に『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(菊池良との共著、宝島社)、『おーい、丼』(ちくま文庫編集部編、ちくま文庫)。マンガ原作に『めぞん文豪』(菊池良との共著、河尻みつる作画、少年画報社。『ヤングキング』連載中)。

「2021年 『台湾対抗文化紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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