- Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800271235
作品紹介・あらすじ
17人のレスラー、関係者による禁断の告白!プロレスと格闘技の間を漂流し続けた男たちの葛藤、内紛…全内幕!『1984年のUWF』への前田日明の反論。
感想・レビュー・書評
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「おまえらは自分のやっていることをああやっていわれて腹も立たないのか! あんなヤツ、つまみ出せ!」
新日本プロレスでの新弟子時代。
前田日明は、師匠アントニオ猪木が巡業先で愛弟子たちにかけた言葉が神聖なものとしてずっと残っているという。
「あんなヤツ」とは、プロレスを馬鹿にして八百長呼ばわりする客のこと。
「プロレスっていうものを、おまえらは真剣にやっているんだろ? 下手したら命を落とす場合もあるだろ? それでもやってるんだろ? それって真剣勝負以上のものじゃないか」
世界の総合格闘技の源流ともなった伝説の団体UWF。
ファンに語り継がれ、思い出を肴に酒を酌み交わす。
今では様々に検証がなされ「Uもプロレスだった」としたり顔で論評する者も出現している。
そういうのを後出しジャンケンの卑怯者というのだ。
個性的な顔ぶれが集い、短い年月を燃焼し尽くし、分裂していったUWF。
その中で、いまだに現役の第一線で活躍する猛者もいる。
「30年前の話ですよ!? いつまで昔の女引きずってるんですか。オレにとっては大事なのはいま。いつだって昨日の試合がベストバウト。UWFの他のメンバーなんて、ほとんど現役じゃない。でも今年49歳になるオレは、世界規模にまで成長した新日本プロレスで、二十代のメインイベンターたちと競い合っているんだから。過去の細かい話はプロレスを辞めたら話しますよ」(鈴木みのる)
そう、過去を振り返りノスタルジーに浸るのもいい。だが、今を生き抜くことが一番大事なのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今の総合格闘技が確立する前の前夜という感じの、プロレスから格闘技色の強いUWFの誕生から崩壊まで混沌とんとした時代の貴重な証言集。
YouTubeで当時の試合動画をたまたま見て、そう言えば読んでなかったと思い出し、思わず手に取ってみた。
少年時代のワクワクした感じと、今と違って情報がわからない事に対する苛立ちを思い出す。 -
面白かった
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この本に限らずここ数年のUWF本でわかったことは、
・高田が思ったよりいい奴、でも徹底的に俗物
・前田はやはり純粋な良い人、ただ強権的で面倒くさい
・神はまだ諸説ある -
人によって言うことが違う。田村のインタビューが一番印象的だった。解散の理由は前田の度量が少し足りなかったことかな。
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新日本プロレスクーデター事件の余波で設立された新団体、UWF。猪木のプロレスに飽き足らなくなったコアなファンを取り込んでいき、少しずつ大きくなっていった。しかし中心に輝く選手がいなかったことが災いし、崩壊。当時の新日、全日を中途半端な形で出て行かざるを得なかった選手の集まりだったが、レスラーは我が強いため、まとまりをとるのが大変だったんだな。突然トップにならざるを得なかった前田も、結局はまとめる器がなかったんだろう。Uを持ち上げたメディアも、自分の雑誌を売るための宣伝戦略でUWFを利用したんだろうな。 U、そしてUを取り巻く人々、結局は山師のあつまりだったのだろうか?
本文中のほとんどの証言者が、当時の状況の自己弁護に収支しているんだな、これが。唯一の例外が鈴木みのる。”昔の女みたいなもんなんで、今の俺にとってはどうでもいいです” 今を生きる、ってこういうことだと思う。そして、自己弁護している人たちにとって、今を生きる、ということがUWFを振り返ることなのかもしれない。 -
猪木・馬場に独占されていた世界を変える潮流を生み出したUWF。あの事変を関係者の証言から多角的に浮き彫りにさせることを狙った書。当事者であっても感じ方、考え方は一様ではない。人の数だけ真実がある、ということを改めて感じさせる。
『そんな昔のこといいじゃん。オレにとって大事なのは今。』鈴木みのるの言葉が印象的。