【2018年・第16回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】 オーパーツ 死を招く至宝 (『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2018年1月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800279361
作品紹介・あらすじ
貧乏大学生・鳳水月の前に現れた、顔も骨格も分身かのように瓜二つな男・古城深夜。鳳の同級生である彼は、OOPARTS-当時の技術や知識では、制作不可能なはずの古代の工芸品-の、世界を股にかける鑑定士だと高らかに自称した。水晶の髑髏に囲まれた考古学者の遺体、夫婦の死体と密室から消えた黄金のシャトル…謎だらけの遺産に引き寄せられるように起こる、数多の不可解な殺人事件。難攻不落のトリックに、変人鑑定士・古城と巻き込まれた鳳の"分身倹ひ"の運命は?2018年第16回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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作家さんのデビュー作品
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主人公コンビの設定も面白いし姉のキャラもいいけど探偵役のオーパーツ鑑定士ほうはキャラがまだ掴みにくいというかちょっと中途半端な印象。もっとオーパーツにこだわってほしかった。短編でオーパーツのネタ数で勝負、もしくは長編でオーパーツの来歴にまつわるようなエピソードが読んでみたい。
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何度も書いているが、私はNHKの「幻解!超常ファイル」という番組が好きで、本書もオーパーツという言葉につられて読み始めた。
クリスタル・スカル(映画『インディ・ジョーンズ』のクリスタルスカルの話はシリーズ一の駄作だと思うが、それはまあいい)、黄金シャトル、恐竜、ストーンヘンジ......。
謎の物体がさらなる謎を呼ぶ。
出版社が宝島社なのも洒落ているじゃないか!
古城と水月というドッペルゲンガーによって引っ搔き回され、解かれる謎。
エピローグは大げさな印象も受けたが、古代文明やオーパーツはシリーズ化しやすそうなので、それを見越してかもしれない。
それに、古城がちゃんと鑑定をするところも見てみたい。
「じっちゃんの名にかけて!」とは『金田一少年の事件簿』の有名な決めゼリフ。
名探偵には、ワトソンのような助手の存在、そして決めゼリフがよく似合う。
本作では「すべてのPARTSは揃った」ときた!
なんだかカッコつけすぎ!
だが、繰り返されると、人は慣れてしまい、物足りなく感じるようで、決めゼリフを待つ自分がいた。
第3章での謎の少女は詳しく書かれていない。
謎のまま終わった。
心残りではあるが、これも次作への布石かもしれない。
二人の掛け合いが軽妙なのもよかった。 -
漫画のネームがきれそうな話でした。
顔はそっくりだが赤の他人の2人が出会い、エキセントリックな片側に引きずられて事件に巻き込まれる。根底にあるのはオーパーツ。
オーパーツといえば、過去に被れてオカルト本読み漁っていたので、私的にはああ、あれか、みたいな感じだったのですけど、最近あまり話題に上らない感じなのですかね。そういう情報収集しなくなってしまったので世の中の流れがよくわからない。
1話2話は面白かった。3話は蘊蓄語ってるところは面白かったけど事件()って感じ。4話は正直なんだかなあ。この舞台使いたかっただけなんかしら?みたいな。登場人物が、登場(してるだけの)人物。時間切れっぽい感が。
このミス大賞選考作ということで、選評が付いてまして、やっぱり後半(というか4話)は書き直しが要求されていたのですけど、書き直してこれだったりするのか、もしかして。
あと最後のいい日旅立ち。
個人的に蛇足感が。
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2018年「このミステリーがすごい!大賞」大賞受賞作。初読み作家。
貧乏学生の鳳水月は、同じ大学に通う自らにそっくりな男・古城深夜に出会う。古城は自らを世界を股にかけるオーパーツ鑑定士だと名乗り、鳳に接近する。オーパーツに絡む密室殺人トリックを2人は解決出来るのか。。。
オーパーツという言葉を初めて聞いたのと、このミス大賞ということで期待しすぎたか・・・漫才のような掛け合いは面白いものもあるが、オーパーツの考古学的な流れに話に寄せてもよかったのでは。 -
ちょっと表装の雰囲気と比べると内容が軽すぎるか。ライトノベル調。
マンガ、アニメやドラマとこれからの二次利用が期待できる作品。 -
初めの2話は、文章もなんだかイマイチ読みにくいし、トリックも、「はあ・・・」って感じ。
でもせっかくだから最後まで読んだ。
新人登竜門的な作品は、読みにくいのが多い。
ただいろんな蘊蓄は面白かった!!
ラストの感じだと、まだ続くのかな・・
映像化に向きそうな設定だわね。 -
軽い連作ミステリ。オーパーツの蘊蓄はそれなりに楽しく、ドッペルゲンガーとも思えるそっくりの二人の大学生+女刑事という濃いキャラ達も印象深いですが、大森氏いうところの物理トリックばりばりのぶっ飛び系本格を楽しめるかどうかがこの本の好き嫌いになるのではないかと思います。奇抜なトリックを予想しながら私はさらさらっと楽しみました。水晶髑髏のギリギリ感とかストーンヘンジの大掛かりなところとか特に好きです。手放しで絶賛はしませんが水月の過去など含め続編が出たら楽しそうです。どんなふうに化けていくかこの先を期待します。