ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

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著者 : 石川清
  • 洋泉社 (2017年2月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800311733

ドキュメント・長期ひきこもりの現場からの感想・レビュー・書評

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  • 著者が言いたいことは、「対話」の価値をもっと見直そうです。
    逆説的に、著者は、今の日本は、「対話できる相手」が、急速にいなくなっていると、
    訴えています。

    著者のような人が日本社会に、もっと増えてくれればいいなと切に願います。
    しかし、現状日本は、引きこもりに関して、より無関心になっています。
    最近は「今のあなたの状態は、全てあなたが招いたもの=自己責任論」が、
    人が他人を見る価値観の主流となっています。
    これから、引きこもりに関して、より厳しい社会的状況となります。

    内閣府の発表「子供・若者白書」によると、
    現在日本には54.1万人の引きこもりがいると分析しています。

    実際は、恐らくこの数倍になると思います。
    引きこもりの実体調査は非常に難しいですし、
    それは、主に家族が、世間体を気にして、
    公にしたくないという意志があるからです。

    引きこもりが注目されたのは90年代後半ですが、
    すでに20年を過ぎています。

    その当時、引きこもりだった青年は、今は30代~40代になっています。
    また、当時豊かだった日本は、もう豊かではなくなっています。
    ※この20年、日本のGDPは上がっていません。

    また、貧困問題も、クローズアップされるようになりました。
    引きこもりを支援するという会社も、機関も、自治体も、
    これから、ジリ貧になっていくでしょう。
    技能がない人間を雇う会社は、日本には、ほとんどありません。

    著者のように、何年もかけて、「対話」をしていくのは、ベストな
    対処療法だと思いますが、現実的にそれを多くの人へ支援するのは、
    カネも時間も人的資源も、現状ほとんどないのが現実です。

    調査によると、ひきこもり状態に陥る理由が、分析されています。
    不登校、職場になじめなかった、病気、就職活動失敗などです。
    病気を抜かせば、このどれもが、「人間関係の失敗」です。

    日本は、学校においても、仕事においても、非常にコミュニケーション能力を重視されます。
    その能力が低いものは、社会的に必要のないものと、
    判断されることもあります。

    人間には色んな人がいることは、大変重要な価値観だと思いますが、
    日本は、その人間に格差をつけています。
    こういう社会ですから、どんな人も、ひきこもり状態になる可能性があります。
    これは、肝に銘じていかなければいけません。

    そういう状態に、陥った時に、この著者のような、
    対話できる相手がいることが、救われる数少ないことだと、
    この著作を読んでわかりました。

  • 深刻そうな装丁とは裏腹の、カラリとした著者の語り口に大いに虚を突かれた(いい意味で)。ひきこもり当事者の誤解を恐れずに言えば、面白く読めた。
    訪問や社会復帰のための活動のノウハウについてはこの著者の特異なキャラクターに負う部分が多いから、あらゆるひきこもり当事者の現場で役に立つ内容というわけではないけれど、深刻ぶってヨリソイヨリソイ唱えるだけの本より、よっぽどよかった。ああこういう方法もあるのねぇと思った。
    もっと明るくて、アジアンかわいい感じの装丁とタイトルにすればよかったのに。

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