シュガー・ラッシュ (ディズニー・リミテッド・コレクターズ・エディション)

著者 :
  • インフォレスト
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本棚登録 : 15
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800620064

感想・レビュー・書評

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  • ゲーム好きとしては、観る前から大変な興味を持っていたわけだけれど、反面少々心配でもあった。それはきっと、ディズニーが今までに扱った事のない世界観であったからだろう。あのディズニーがゲームを扱うなんて!と興奮したのは確かだったけれど、こちらの期待が大きすぎやしないだろうか?という、
    ディズニーからすればはた迷惑な心配を小さく持って、再生ボタンを押してみれば、そこは、物語の頭から尻尾の先まで、余すところなくゲームの世界。
    当初抱いていた心配も不安も吹っ飛ばす、気持ち良いリズムとテンポで物語が進んでいく。

    ゲームの中では悪役なのに、「ヒーローになりたい」主人公ラルフが、ヒーローを目指して進む。物凄く簡単にするとこんなストーリーなのだ。
    でも、その中には葛藤・嫉妬・弱いものいじめ、などの完璧に純粋とは言えない、人間らしい感情が織り込まれている。だからいつしかラルフを応援している自分がいたのだと感じる。
    人間くさいシーンは他にもあって、キャラクターが揃って、ヒロインのヴァネロペをいじめるシーンがある。いじめるのはヴァネロペと同じ世界に住む女の子のキャラクター達で、円を組んで、かなり過激ないじめ方(あくまで主観)をする。ここがどのシーンよりも過激で少し戸惑ったのだが、後のフローに繋がるという点と、感情を揺さぶる、という点では良かったのかな。

    物語を見る前から気になっていた、ゲーム世界の表現について。
    8bitな2Dゲームから3Dへ移行する表現が、何の違和感もなくすんなりと受け入れられた事に驚いた。その逆も然り。ネタをばらしたくないので詳しくは書けないけれど、ストーリーとの紐付けが非常によく出来ている。
    ゲームの表面で話が終わるのではなく、ゲームの内部までもストーリーにうまく組み込んでいる所は、ゲームのコアなファンにとっては特に嬉しい事なのではないだろうか。私は嬉しかったです。
    他にも、サウンド、キャラクターの動き、「バグ」の表現……一番最後のディズニーマークに至るまで、ゲームファンをニヤけさせる演出が、そこかしこに散りばめられている。エンディング終わって放置していると面白い事が起こるゲームがあったけど、あれのオマージュなのだろうか。どちらにせよ、製作者の遊び心を感じる、とても良い作品でした。

大畑隆子の作品

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