貧者の息子―カビリーの教師メンラド (叢書“エル・アトラス”)

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制作 : Mouloud Feraoun  青柳 悦子 
  • 水声社 (2016年11月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801002418

貧者の息子―カビリーの教師メンラド (叢書“エル・アトラス”)の感想・レビュー・書評

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  • アルジェリア文学の始祖とも言われるムルド・フェラウンの作品

    アルジェリアのカビリー地方の原住民カビリー人でもある筆者
    ムルド自身を作品の下地にし、民族の文学、歴史、慣習をフェラウンという青年の目語られる

    フランスの植民地 貧しい農民生活 カビリー人の家族の在り方 誇り
    少数派民族の彼らを通して人間温かさ、優しさ、残酷さ社会の不条理など善悪の混在を描く

    弱い者、劣った者が逆転して勝利することを目指すのではなく、あくまで弱さを抱えたまま、つまり他者を虐げる勝者となることなしに、しかしながら他者への隷属とは違う方法によって、人間として充足した状態に至る道をこの作品は模索してるように思われる

    この訳者あとがきを裏打ちする一文がある
    「ときにはフランスを疑うという小さな罪犯したかもしれないが、たとえ口から出る言葉が時流に流されたとしても、彼らの素朴な心が変わることは一度もなかった」

    無知だからこそ、抗う文化を持たないのではないか?とも疑問憤りを感じたりもしたが、フェラウンは学があった
    社会の矛盾を知ってもなお自分たちの在るべき姿を追い求めたのだろうか
    良いものは変わらなくてもいい
    変わらない事を選択した強さ
    理想主義者と安易に語れないのは、フェラウンの目から観た虚飾のない貧困、人間の姿
    そこには私たち近代文明に浸った者が忘れてしまった沢山のものがあった

    私にとっても大事な一冊になった

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