- Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
- / ISBN・EAN: 9784801902862
作品紹介・あらすじ
"不運な屋敷"-ロンドンの高級住宅街メイフェアの、ある屋敷はそう呼ばれていた。なぜかその屋敷を借ると、みな不幸に見舞われるのだ。そのため家賃は安くても借り手がつかない。そこで働く使用人たちも、喜劇役者のような執事、怒れる料理人、気取り屋の従僕など、くせ者ぞろい。そんな悪評を知らずに屋敷を借りたフィオナという美しい娘と後見人が花婿探しのためにやってくる。彼女は貴族と結婚するために社交界にデビューする気らしいのだが、ぼんやりしていて何を考えているのかよくわからない。誰もが彼女のことを美しいだけの娘と思っていたが-。個性豊かな使用人たちが活躍する、『ダウントン・アビー』ファン必読のシリーズ!
感想・レビュー・書評
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楽しく読めるヒストリカル・ロマンス。
最近ではアガサ・レーズンのユーモア・ミステリ・シリーズで知られる作家さんですが、ロマンスものを多く書いていたんですね。
1807年、ロンドン。
高級住宅地のメイフェアですが、67番地は不運な屋敷として知られ、借り手がつかない。
召使たちは暇をもてあましていました。
というところへ、フィオナという美しい娘を連れて、お金に困っている後見人が、花婿探しに来たのです。
綺麗なだけでぼんやりしているように見えて、実は賢いフィオナが、召使たちの力も借りて、好きになった伯爵の心を射止めるまで。
安定した筆致で、面白おかしく読ませてくれます。
続いての作品「メイフェアの勇敢なシンデレラ」も収録。
次の借り手は、ハート大佐一家。
絶世の美女の姉と比べてぱっとしない次女のジェーンが主人公。
姉ばかり溺愛する母親にかまってもらえず、チャンスを逃しそうになりますが。
フランス人の侍女の手を借りて変身!
憧れだった男爵と、いろいろあって、ついに‥
いぜんの屋敷の住人に起きた事件を解決するというサブストーリー付き。
やっぱり、ミステリも好きだったのかな。
召使たちの人間模様も色々あり、それがシリーズとして繋がっていくらしいですね。
「ダウントン・アビー」ではないけれど、英国の上流階級と召使たちの二重構造の物語の楽しさって、いぜんからあるんですねえ。
時代的にはむしろ「高慢と偏見」といった作品が好きな人にもおすすめ☆詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ロンドンの高級住宅街メイフェアのある屋敷は住人が次々と自殺、賭博による破産、謎の死に見舞われたため“不運な屋敷”と呼ばれていた。
その悪評から家賃が安くても借り手がつかないのだが…そんな噂を知らずに美しい娘フィオナとその後見人が花婿探しのため、社交界にデビューするシーズン期間屋敷を借りることに。
ぼんやりしていて何を考えているのかよくわからない、誰もが彼女のことを美しい外見だけの娘と思っていたが―。
喜劇役者のような執事、腕は確かだが怒れる料理人、気取りやの従僕など屋敷で働く個性豊かな使用人達が活躍する、表題作他「メイフェアの勇敢なシンデレラ」収録のロマンス連作。
表題作は見目麗しさを前面に出して、頭の良さを隠し周りを誘導するヒロインが面白い!
身分違いが切なくもあるけど。
2話目はロマンスと共に不審死を遂げた以前の住人の真相探しのミステリーもありで楽しかった。
前話で幸せになったはずの2人が冒頭でとんでもないことになっててビビりましたが…
美人の姉の陰で自身の美しさに気付けなかったヒロインが開花するのも良かった-
しかしヒーローはフォロー下手すぎじゃないか?
どちらの話も知識が無かった(ふりした)り幼さで貴族社会のルール違反しちゃったりが面白くも切なさを感じさせて、保護者の無関心、放任が気になったけど…
ホットなシーンはなく、貴族、使用人の生活の描写も面白く読めました。
シリーズは全6作で完結済みだそうで、残りの翻訳も全部出して欲しいな- -
中編2作、最初のが良い。ジョージェットへイヤーに雰囲気が似ている。
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図書館で。
孤児院出のヒロインがあのお屋敷で活躍するシリーズなのかと思ったら、お屋敷とその使用人たちの方が活躍するシリーズなのか。個人的には悪いヤツが金を持ち逃げして、使用人達が元のお屋敷に戻った辺りで、これが繰り返すときついな…とその後を読む気力を無くしました。
多少は環境が改善されないと、ツライよなぁ~ -
いわゆるシンデレラ物語。地位も名誉もない孤児の美しい女の子が、憧れの伯爵と結婚する、めでたしめでたし…なお話。なんだけど!2編目はちょっとした謎解きもあり、こちらの話はグイグイ引き込まれました!特に、意地悪な母と姉の最後はザマァみろでした(笑)執事含む、メイフェア屋敷の使用人たちが生き生きしていて良いキャラばかり☆この時代の迷信(お風呂には入らない、洗髪しない、病気を治すにはシラミを飲む)には気持ち悪くなりましたがf^_^;続編も読んでみたいです☆
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ダウントンアビーを見終わって喪失感に襲われている時に最適。時代設定は19世紀でかなり違うし、白粉やら髪粉やらずいぶん旧時代なしきたりが多いが、階級社会のおかあいなプライド、晩餐会、嫁取り騒動…いつの時代も変わっていないのかもと思わせる内容
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思ったほど幸せ満開のお話しではなかった。
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ロマンス小説…なのかな?一冊に2話入っていて、1話が結構短いのでサクサク読めます。割とドタバタな、コメディ風味で楽しんで読めました。ちょっとピリッとした毒のある感じというか容赦のない感じもあって痛快。登場人物の心理描写を丁寧に読みたい時には不向きかも。
主役は屋敷の使用人達なので、屋敷の借主の恋愛パートは割とあっさり進んで行く感があります。使用人達には幸せになって欲しいな。続きも買ってあるので読むのが楽しみ。シリーズは全部で6話書かれているらしいので、以降の邦訳も早く出るといいな。 -
ヒロインのラブストーリーは王道ですが、それをとりまくメイフェアの“不運な屋敷”の使用人達の言動が物語に花を添えており、喜劇的な要素のある楽しい作品。
主人公視点からのロマンス小説を読み慣れているだけに、古典的ともいえる視点からのロマンスというのも新鮮だった。
あらすじなど下記
http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-5386.html -
久しぶりに続きが読みたくなるほどヒットした本。
レーベルから、もしかしてハーレクイーンなのかなといろんな意味でドキドキしていたけれど、ちょっとイチャつく程度の描写だった。良かった。
ハーレクイーンではないものの、ハンサムで地位もお金も情もある男と、若くて美しく、そして素養とユーモアがある女性がどたばたの末にくっつくというある意味王道ラブロマンス。
メインはそこだとしても、その脇を固める家僕たちが個性でおもしろい。あれだ、これはイタリアの道化的な役割だ。アルレッキーノとか。
時代的描写も嘘くさくなくていい。
19世紀初頭のロンドンの貴族的生活を垣間見たい人におすすめ。