サーブ35/37 ドラケン/ビゲン (世界の名機シリーズSE スペシャル エディション)
- イカロス出版 (2017年8月28日発売)
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感想 : 1件
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- Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
- / ISBN・EAN: 9784802203951
感想・レビュー・書評
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スウェーデンの重武装中立政策が産んだ独特の戦闘機、ドラケンとビゲンの特集本。
ビゲンはもう『世界の傑作機』が出てもいい頃合いだけどまだないので本書が一番情報豊富な日本語資料。
ドラケンはダブルデルタの独創性と機体のコンパクトさが目を引く。ビゲンと比べてマイナーで、1980年代は雑誌に記事が載るだけでもありがたかった。今では操縦が難しいだとか垂直尾翼の前のアンテナが横滑り時に渦を発生させて方向安定性に寄与するとか知ることができる。
ドラケンは垂直尾翼が低いこと、ベントラルフィンがないこともポイントで、マッハ2に届くような高速機でありながら方向安定性がいい。大迎角時は内翼の渦が主翼の失速を防ぐと同時に、垂直尾翼に当たる気流も安定させるのだろう。
ビゲンはスウェーデンの国土に特化しすぎて輸出ができなかった。グリペンはその反省もあり、より大きく、より重く、ではなく、ビゲンの性能でより小さくを目指した。
BAEと組んで安い戦闘機として世界に売れているグリペン。そのバックグラウンドにはこれら2機の独創的な戦闘機がいた。
そして、スウェーデンがもう独自の戦闘機を開発することはなさそうなところに一抹の寂しさを感じる。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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