小野寺の弟・小野寺の姉 (リンダブックス)

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著者 : 西田征史
  • 泰文堂 (2012年2月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784803001662

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小野寺の弟・小野寺の姉 (リンダブックス)の感想・レビュー・書評

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  • 先日観たテレビ番組の「今年のベスト本」特集で北上次郎さんがピックアップされていて、フツーなのに微妙なタイトルが気になって手に取りました。帯に「『本の雑誌』2012年上半期第2位!」の美々しい文字が。知らなんだ!

    文字どおり、小野寺の弟と小野寺の姉のお話。しっかり者のお姉ちゃんと、ちゃんと大人はやっているものの、やっぱり弟キャラな弟が、2人で住まう日常。二人ともそこそこの年齢になってしまったこともあって、青春の蹉跌もロマンスも過ぎ去っており、日々の小さな起伏をメインに細やかにつづられる。江國香織さんの『間宮兄弟』に似ている空気かもしれない。

    お姉ちゃん目線と弟目線でお話が切り替わりながら進む。お姉ちゃんは家長にならざるを得ないこともあってか、男らしさ漂う武骨で生真面目な語りで進み、弟の語りには、意識してもいなくても、頼る人がいることからくる、ちょっぴりの甘えとセンチメンタルさが加わる。決定的な衝突をしたことがない姉弟の間に流れる、微妙なイラつきやさりげない思いやりは、まるで見てきたような上手さ。背中にヘンな汗が落ちる気がする(笑)。

    お姉ちゃんのビジュアルや行動が少々スットコであったり、弟が匂いや感触に敏感だったりする理由も、さりげなく説明されて無理なく次のエピソードに流れ込む。個人的には、お姉ちゃんの一生懸命ながらも空回りしてしまう場面にはちょっと胸をつかれたし、弟がひとりで留守番していて桃を剥いて食べるシーンと、ちょっと前に別れた恋人とのやりとりを回想するシーンが繊細で、全然そんな描写じゃないのに、ちょっとしたエロさが漂っていてドキッとした。何、この地味な上手さ炸裂の小説は!だから『TIGER & BUNNY(すみません、観てません)』はあんなにヒットしたのか!とにかく、小野寺の弟と姉に幸あれ!と読み終えた。

    「読んだよ」と人に言っても、「何、それ?」という薄い反応しか返ってこない本のように思うけど、毎日が同じようであって、決して同じようではない様子をすごく上手く描いた小説だと思う。私は北上さんの推薦本はどうも苦手なんだけれど、これは好きです。あと、ブックデザインが地味ながら実は凝っていて、弟がドン引きしたお姉ちゃんお手製のアレも見られます(ただ、図書館で借りると見られないかも)。あそこまで再現するとは!

  • 切なくも微笑ましい姉弟の物語。一人っ子には羨ましすぎる!
    ポンポンと交わされる台詞のキャッチボールが心地いい。小野寺家にお邪魔した気分で、つい長居したくなります(と言いつつ、あっという間に読み終わっちゃったけど…)。視点が交互に切り替わる章立ても絶妙。
    相手を思いやるがゆえに、自分の幸せを後回しにしてしまうより子と進は、どこかオー・ヘンリーの『賢者の贈り物』みたいでほのぼのしました。
    映画も見たいなぁ。

  • 時々クスって笑ったり、ジーンってなったり。
    心がまぁるくなった。。
    駆け引きなしに、誰かを思いやれるのって、素敵な関係だ。

  • 小野寺姉弟めっちゃかわいい。
    幸せになってほしいなー片桐はいり

  • 姉弟といっても、もう大人同士。同居していてもつかず離れず、かといって、肉親だから遠慮のない発言もある。両親を亡くしたあともそこに住み続ける姉弟の暮らしが淡々と描かれています。映画になるとわかってから読んだので、どうしてもあのひとたちが浮かんでしまいました。
    弟のモノローグと、姉のモノローグが交互になって物語が進むので、お互いの思惑とか、すれ違いとかが、読み手にはわかります。キーワードはやっぱり「酢味噌」ですね。それと、弟がいつすきやきを食べられるか(笑)
    よくある日常を、こんなふうにドラマにするって簡単なことじゃないと思う。好きな作品です。次回作も期待したいです。

  • まったり、じんわり、ちょっと笑いあり。
    お互いに思いやり合うアラフォー姉弟が、
    ちょっと不器用で、変なこだわりと純粋さが溢れていて
    いいなと思った。
    適役!片桐はいりと向井理の映画で観たい!!

  • ほのぼのほっこりする物語。こんな風に姉弟で思いやれる関係って羨ましい。親子でも友達でもないけど、この姉弟っていい距離感かも。恋人同志でもないのに、相手の事を一番に考えられる小野寺姉弟は普通に考えると不思議な関係に見えるけど、二人にしか分からない姉弟愛が双方にあるのが素敵でした。

  • 日経の読書の記事にてみかけたこの1冊。

    なにしろ旧姓がタイトルになっていたものだから、
    それだけで心惹かれてしまって、
    しかも☆☆☆☆だったから、
    ますます期待も高まって。

    しばし時間を置いた後、手元に渡ってきたわけですが、
    終始さくっと読み進められ、
    笑って、笑って、泣けました。

    姉弟だからなのか、
    なんとなくお互いがわかっていること、
    わかっているのに知らないふりしていたりすること、
    恋人や友人とはまた違った、姉弟だからこその、
    その空気感やお互いを察して接するあたりなど、
    なんとも言えない雰囲気を表現していて、
    それがまた胸をキュンとさせたりします。

    確かによかった。
    おすすめです。

    ちなみに西田さんとの出会いは「半分の月がのぼる夜」

  • 読み終わってふわっと心が温かくなる。
    間宮兄弟に似てるかな。でもこちらは異性の姉・弟なので、適当に距離感もあっていい。

    同じエピソードを姉目線、弟目線でつづると、姉が(弟は知らないだろう)と思っている事を、弟はちゃんと知ってて、しかも姉は弟が知らないと思ってる事もわかっているので、わざと知らないふりをしていたりする。
    知らんふりをしながらもちゃんとお互い分かりあってる。二人とも不器用だけど、とってもいい。


    西やんの本だからかな。読んでる間はずっと弟が仁さん、お姉さんはトモコの賢太郎さんで脳内再生されてました。ごめん小野寺の姉ちゃん。トモコほど気持ち悪くないよ。全然いいよ!(笑)

  • 映画化されたことで知った小説。
    タイトルが気になります。『間宮兄弟』を連想させます。
    弟が先に書かれているのはなぜ?

    おそらく、弟の語りから始まるからでしょう。

    「姉に殺意を抱いたことが、これまでに三度ある。」という出だし。
    つかみはOKです。

    『間宮兄弟』に雰囲気が似ています。
    兄弟は遠慮がなく、気取りがない関係だからでしょう。
    ただ、性別が違うせいか、微妙な緊張感もあり、そこから話が動いていきます。

    笑い方がぎこちない姉。
    その笑顔を気にする弟。
    そのわけが次第にわかってきます。

    また、兄弟と違うのは、料理の場面が多いこと。
    基本、おうちごはんの彼ら。映画ではおいしそうな料理が並んだようですが、原作は映画ほどグルメ要素はなさそう。

    同じ学校卒なので、共通ネタで盛り上がれるのがいいところ。
    平松先生のエピソードには笑いました。
    「ぎっくり腰」を「へっぴり腰」、「カルボナーラ」を「ボラギノール」。「喉のポリープ」を「喉のブリーフ」、「お電話が少し遠いようで」を「お耳が少し遠いようで」
    自分も間違えそうで、油断していられないのですが。

    姉はめがね店、弟は調香師。
    でもお互いのカギとなるのは、眼でも鼻でもなく、歯だということが次第にわかってきます。
    なにも遠慮がないような間柄でありながら、ずっと「歯」のことが二人の間に横たわっていました。
    身内の間の微妙なわだかまりが上手に出ています。

    こちらの弟はちょっともてるようで、彼女もおり、姉との微妙な距離感が生じています。
    長い年月を一緒に過ごした分、家族の絆は切っても切れないもので、いくら恋人でもそこに入っていくことはできません。

    いい子がいい子ではない面や、いけすかない子がいい子な面が書かれていたりします。

    正反対の性格でありながら、人を憎まずに不器用に生きる二人。
    ぎこちない仲良しです。
    『間宮兄弟』ともども、読んだ後に兄弟っていいなあとしみじみ思えました。

    追伸・「すみそ」の意味がすごいです。

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小野寺の弟・小野寺の姉 (リンダブックス)の作品紹介

東京の片すみ、木造一軒家に二人で暮らす小野寺進と小野寺より子の姉弟。結構な歳だけど結婚できずにいる二人は、特別仲がよいわけでも、悪いわけでもないけれど、なんだか支えあって暮らしている。ある日、そんな小野寺家の郵便受けに間違って配達された一通の手紙。二人はその手紙を届けに行くことにするのだが-。引っ込み思案な弟と、こだわりが強く生命力の強い姉の、さえないけれど、ささやかな幸せが香る日常を描いた物語。

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