戦国小町苦労譚 五、宇佐山の死闘と信長の危機 (アース・スターノベル)

著者 :
  • 泰文堂
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本棚登録 : 52
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784803010374

作品紹介・あらすじ

1570年、夏-オウギワシ、シェパード、孔雀、ターキッシュアンゴラ、ゾウガメまで仲間入りし、動物園状態の静子たち一行。姉川の戦いを勝ち抜くも、損失の激しかった信長軍は三好三人衆との戦いに苦戦を強いられていた。それまで後方支援に徹していた静子は、ついに自ら矢を番えてゲリラ戦を展開!ますます目が離せない、大人気戦国ファンタジー注目の第6巻!!

感想・レビュー・書評

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  • 宇佐山城の戦いで、静子軍は表に立って戦う。圧倒的な差の敵軍の淺井・朝倉・比叡山連合軍に、ゲリラ戦や弓部隊を使った戦いで攪乱するが、やがて力で押し切られようとされる。しかし、そこからの戦いが感動的というか、涙なくしては読めない。兵たちの静子に寄せる感謝と期待の気持ちが熱い。本願寺が参戦したり、三好三人衆が四国から戻ってきたり、比叡山、淺井・朝倉勢など、信長包囲網が敷かれ、信長最大の危機であったが、和睦をすることができ(敵は馬鹿だねえ、チャンスを逃したよ)、信長軍は一息をつく。それにしてもねえ、森長可の暴れぶりというか、狂気は凄いねえ。気に食わなければ相手を嬲り殺しにする。信長には寵愛されたようだが。そうそう、父親に追放されて意気消沈の堅物義弟・淺井長政への信長の思いやりは意外だ。
    静子は、戦死した兵の残された家族への慰労も怠りなく、紡績工場を拡張して、寡婦たちを雇い入れる。疲れで倒れてしまった静子だが、回復後また精力的に動き出す。じっとしていられない人なのだ。岐阜酒造会社を作って、株式の仕組みを導入したり、ペニシリンを作ったり、マラリア特効薬のクソニンジン抽出液を作ったりする。しかしなあ、静子って何でも知ってるよね。戦いでの胆力も凄いし、やはりスーパーウーマンだね。そうそう、越後の龍が前久のもとに雲水姿でやってきて静子と対面するよ。さあて、これからどう関わって来るのか。

    • goya626さん
      shukawabestさん
      コメントありがとうございます。主人公の静子がいい子なんですよ。スーパーウーマンだけど、いわゆる俗欲は無くて、何...
      shukawabestさん
      コメントありがとうございます。主人公の静子がいい子なんですよ。スーパーウーマンだけど、いわゆる俗欲は無くて、何でも開発してやろう、人の役に立つことをしてやろう、日本をいい国にしていこうという愛が溢れていてねえ。信長が本能寺で死なないんじゃないかという期待もできて、その後のことも楽しみです。
      2022/06/27
    • shukawabestさん
      僕はまだ、goya626さんの本棚を全部観たわけではないですが、続きモノでこれだけgoya626さんの高評価が続く作品、初めて見たような気が...
      僕はまだ、goya626さんの本棚を全部観たわけではないですが、続きモノでこれだけgoya626さんの高評価が続く作品、初めて見たような気がします。
      2022/06/27
    • goya626さん
      shukawabestさん
      はい、その通りですね。作品のレベルが落ちないのが素晴らしい。しかし、静子が歴史に関わってしまったので、実際の史...
      shukawabestさん
      はい、その通りですね。作品のレベルが落ちないのが素晴らしい。しかし、静子が歴史に関わってしまったので、実際の史実と違ってくると思うので、これからの巻が作者の想像力が試されますね。
      2022/06/28
  • 宇佐山城への撤退。殿を勤めた静子隊の兵たちの思いに胸を打たれた。
    「願わくば生まれ変わっても、あの人のもとで働きたいぜ。」
    「なんかあの人、あったけえんだよ。」
    「ただ、何となく安心するんだよ。俺が死んでも母ちゃんや小童が食うに困るようにゃならねえと思えるんだよ」

  • 戦国時代なのにゲリラ戦,
    そして目立つ兜の敵将を狙撃.
    生きるためだから.
    相手を●すために戦場に来てるんだから
    逆に●されても文句は言えまい.

    今回なNAISEIよりもIKUSAがメインだったな.
    失敗を失敗だと認めた織田信長氏.
    しかしこうやって史実とのズレが大きくなっていくんですね.
    食糧事情とか
    病気関連でも
    変わってってるんだろうけど
    こういう大きな戦になってくると
    生きた死んだが変化しやすそうで.

    静子の動物王国がモフモフまみれで素晴らしい.

  • 今回はかなり見どころの宇佐山城の戦いが収録された巻だった。
    史実であれば圧倒的な兵力差に討死する森可成を助けたい静子は、静子軍を伴って参上。なんと3倍程の敵勢力に対し、籠城せずに打って出て足止めしなければならないという厳しい戦いだった。
    この戦いでは、森親子のかっこよさ、静子軍の戦術のすごさ、長可の成長、静子が戦国時代で人を殺めてでも生きていく覚悟をする、などなど見どころが詰まっていた。
    撤退時に殿軍を務めた静子軍の覚悟を決めた戦いもすごかった。才蔵と慶次にももちろん見せ場があった。

    戦では多大な死傷者を出したが宇佐山城を死守した。また後遺症も残ってしまったものの、何とか森可成は生存。
    静子は度重なるストレスで一度寝込んでしまうものの、他の信長家臣たちや、静子不在時も馬廻衆の活躍によって、志賀の陣はどうにか収束した。
    多くの家臣に離反され、各勢力に包囲され、浅井・朝倉も仕留めきれず辛酸を舐めた信長だったが、反省はしつつも夢はまったく諦めてない様子。まぁそうでなくては。

    他には、上杉謙信がお忍びで近衛前久のところに来て静子とご対面したり、信長が自分の子を静子に養子に取らせようと画策したり、浅井長政は一兵卒から出直すことになったり。
    信長家臣たちの前で、静子は近衛前久の猶子であると前久本人が宣言したところで5巻は幕引きとなった。
    前久の猶子で織田家の一員になったら静子の立場にはもう誰もケチをつけられない!?

  • 背ラベル:913.6-キ-5

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