資本主義対資本主義

  • 竹内書店新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784803503548

作品紹介・あらすじ

21世紀の資本主義システムが直面している矛盾を予見した名著が復刊。「ネオアメリカ型資本主義」と「ライン型資本主義」の相克。今後の日本がたどるべき道は…。

感想・レビュー・書評

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  • アングロサクソン型、ライン型経済の対比を通して国家がどのような方向を目指すべきかを論じた本。

    90年に書かれた本なので記述内容がかなり古い。
    また、普段経済書など読まないので、歴史的な背景や用語、概念等への無理解もあり、半分程度しか内容を理解できていないと思う。
    しかし、資本主義と一言に言っても、何を重視するかによっていくつかに分類できるという点に対して、新たな目を開かせてくれた本だった。

    年功序列、終身雇用が色濃く存在した高度経済成長期の日本と現在の日本では、同じ資本主義と言っても、人々の考え方や社会の状況は全くと言っていいほど違うが、その背景には単に時代の流れだけではすまされない変化があったことを、少しは理解できた気がする。

    本書で筆者も結論づけているように、国家は長期的、全体的な利益を価値とするライン型を目指した方が、より多くの人が幸せになれるのだと思う。
    しかし、人間一人一人の立場で考えると、そりゃあ短期に莫大な利益を追求するアングロサクソン型に流れるのは、世界経済の流れの中では必然という感じがするし、これからもその傾向はより顕著になるのだろう。

    その中で個人としてどのような生き方をするのか、自分で決めて行かねばならない。
    しかし、起きている出来事を俯瞰して解釈することは自分一人では難しいので、こういった本は有効だ。
    今まで選り好みしてなかなかこういった本には手を付けられずにいたのだけれども、常に一冊は読んでいたいと思った。

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著者プロフィール

【著者】ミシェル・アルベール
1930 年フランスのヴァンデ県に生まれる。
パリ政治学研究学院および国立行政学院卒。法学博士。政府関係機関役職就任資格のうち最上級のアンスペクトール・ゼネラル・ド・フィナンス(財務総査察官)の資格を持つ。レジオンドヌール勲一等を叙勲。ヨーロッパ投資銀行理事、EC委員会経済構造・開発局長(2006 年名誉局長就任)、エクスプレス・ユニオン副会長、フランス政府経済計画官、フランス総合保険グループ会長等を歴任。
主な著書に『フランスの賭』、『社会主義とヨーロッパ』、『交錯するヨーロッパの視線』、その他、J.J. セルヴァン・シュベールとの共著『アメリカの挑戦』、『天と地― 急進社会党宣言』、『痩せた雌牛』などがある。

「2022年 『資本主義対資本主義 改訂新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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