唯識でよむ般若心経: 空の実践

著者 :
  • 大法輪閣
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  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784804612843

作品紹介・あらすじ

「心」のありのままを観察し、「空」の世界を覚る。心の深層のありようを説く仏教哲学「唯識」。その研究と実践の第一人者として知られる著者が、唯識の立場から般若心経を解説。「空」の思想を単なる知識に終わらせず、日常の中で実践していく方法「ヨーガ」についても詳述する。興福寺佛教文化講座での講義録。般若心経を、新たな視点で読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 著書は唯識論を専門とする立教大学名誉教授、横山紘一さん。
    般若心経を題材に唯識論を語ります。分厚い本ですが、唯識論を詳しく知りたい人には良い本だと思います。

  • 2012.05.20
    それに執着することによって「人間を苦しめる4つの言葉」
    *自分
    *もの
    *有
    *無

    To be continued....

    2012.01.16
    五位百法?
    *諸法=一切の存在=現象=事を分類したもの。
    *分類の目的は、無我or空を証明するため。アビダルマ→唯識。
    *100の要素が、心、心所、色、不相応行、無為の5グループに分れる。

    以下、Wikipedia
    *心(心王) - 識それ自体。心の中心体で「八識心王」ともいわれる。
    *心所 - 識のはたらき。心王に付随して働く細かい心の作用で、さらに6種類に分類し、遍行・別境・善・煩悩・随煩悩・不定(ふじょう)とし、さらに細かく51の心所に分ける。正式には心所有法という。
    *色 - 肉体や事物などのいわゆる物質的なものとして認識される、
    心と心所の現じたもの。
    *不相応行 - 心と心所と色の分位の差別。心でも物質でもなく、しかも現象を現象たらしめる原理となるもの。
    *無為 - 前四法の実性。現象の本質ともいうべき真如。

    不相応行?
    *言葉(名・句・文)はここ。生、住、異、滅や時間や空間も。(・・。)ん?
    ここに唯識の理解を深めるヒントがありそう???
    *全部で24・・・得、命根、衆同分、異生性、無想定、滅尽定、無想事、名身、句身、文身、生、老、住、無常、流転、定異、相応、勢速、次第、方、時、数、和合、不和合

    名・句・文?
    名・・・名詞、句・・・文章、文・・・文字

    2012.01.15
    般若波羅蜜多?
    *六波羅蜜・・・布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧(般若)
    *十波羅蜜・・・六波羅蜜+方便、願、力、智

    菩薩の布施? 以下『瑜伽師地論』より
    *対象・・・内の所施物(自分自身)、外の所施物
    *目的・・・衆生に利益・安楽を与える=衆生の救済
    *利益・・・ためになること、善きこと
    現世利益(家内安全、商売繁盛、身体健康など)→出世利益(涅槃、覚り)
    *安楽・・・楽しい、心地よい状態
    *条件・・・利益 and 安楽、利益 and not 安楽

    菩薩の持戒?
    *三聚浄戒(さんじゅじょうかい)・・・摂律儀戒・摂善法戒・饒益有情戒
    *摂律儀戒(しょうりつぎかい)・・・一切の悪事や不善をなさないこと
    *摂善法戒(しょうぜんぼうかい)・・・一切の福善を行うこと
    *饒益有情戒(にょうやくうじょうかい)・・・一切の衆生を救済すること

    菩薩の忍辱?
    *忍辱の原語は智慧という意味。智って忍ぶ。
    *他者から怨害を受けても自他一如、空と観て耐え忍ぶ。

    菩薩の精進?
    *心が勇敢。甲冑精進(かっちゅうしょうじん)

    菩薩の禅定?
    *止観。止とは定まり止静した心。観はとはその定まった心の観察する働き。

    菩薩の智慧?
    *一切の所知(真如=空)を証し、衆生救済のために広く五明処に精通する。
    *五明処・・・内明、因明、医法明、声明、工巧明
    *内明(ないみょう)・・・仏教
    *因明(いんみょう)・・・論理学
    *医法明(いほうみょう)・・・医学
    *声明(しょうみょう)・・・文法学
    *工巧明(くぎょうみょう)・・・文芸・技術・工業

    2012.01.14
    空?
    *縁起ゆえに空。
    *空の言語は「シューニャ(śūnya)」。ゼロという意味。
    *決して虚無の意味ではない。
    *数字でいうゼロはプラスにもマイナスにもなる数値の根本。
    *唯識的には、己が閉じ込められ右往左往している世界の淵源であり源底。

    空を英語でいうと・・・?
    emptiness, hollow, voidness, relativity, levitation?

    観自在の対象は道理?
    *『解深密経(げじんみつきょう)』に説かれる4つの道理
    *観待(かんたい)道理・・・縁起の理
    *作用(さゆう)道理・・・物の働き・作用
    *証成(しょうじょう)道理・・・3種の認識手段で証明する
    *法爾(ほうに)道理・・・無分別、あるがまま、真如

    証成(しょうじょう)道理を観る3種の認識手段?
    *至教量(しきょうりょう)・・・釈尊によって説かれた教えに基づく認識手段
    *現量(げんりょう)・・・感覚に基づく認識手段
    *比量(ひりょう)・・・論理的推量に基づく認識手段

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著者プロフィール

1940年、福岡県生まれ。1964年、東京大学農学部水産学科卒業。1967年、東京大学文学部印度哲学科卒業。1974年、東京大学大学院印度哲学博士課程修了。現在は立教大学名誉教授、正眼短期大学副学長。
著書:『唯識の哲学』(平楽寺書店)、『唯識思想入門』(第三文明社)、『唯識とは何か』『十牛図・自己発見への道』(以上・春秋社)『ゆずれば無我か』(佼成出版社)、『漢梵蔵対照・瑜伽師地論総索引』『梵蔵漢対照・蔵梵漢対照・佛教語辞典』(以上・山喜房佛書林)、『やさしい唯識』(NHK出版)、『仏教思想へのいざない』『唯識で読む般若心経』(以上・大法輪閣)、『十牛図入門』『阿頼耶識の発見』(以上・幻冬社)ほか多数。


「2020年 『〈新装版〉唯識でよむ般若心経 空の実践』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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