今度こそ、「うつ」から脱け出す本

著者 :
  • 大和出版
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本棚登録 : 74
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784804761763

作品紹介・あらすじ

「自分を追い込んだほうがいいのか、休ませたほうがいいのか-」あなたの努力を"正しい方向"に向けるコツ。

感想・レビュー・書評

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  • うつ抜けには、努力が必要。
    しかし、努力の方向性を誤ってはいけない。
    そのかじ取りが本当に難しい。
    いかに自分の思考を変え、うつ抜けするか。
    そういうことが書かれた本です。

    そうなんですよね。
    うつには休養が必要。
    でも、寝ていればうつは治るか?
    そうはいかないんです。
    「努力」しなくては。

    しかしその努力が難しい。
    休養不足、誤った努力の方向性で、何度も出戻りを繰り返してしまう。

    あぁ、まさに今の私。

    10年間、自己否定など、「うつ思考」の練習をしてしまった場合、
    その半分、つまり5年はそこから抜けるのにかかると思った方がいい、と。
    リハビリ期は、本当に辛く長い。

    今まさに、それを体験しているところです。

    私は比較的積極的に外に出かけるようにしていますが、
    それも「練習」なんですよね。
    家に引きこもっていても、うつは治らないから。

    心に、「快」を与えてあげる。
    栄養をあげる。

    昔は楽しかった色々が、うつで灰色になり、楽しめなくなったりもあります。
    でも、頑張る。

    うつの「波」は避けられないので、一進一退です。
    頑張るのが怖い時もあります。


    抜粋

    「第一の自分」がうつになった原因だとしても、「第1の自分」を完全否定していはいけない。「第1の自分」は、これまであなたを守り、あなたの成功を支えてきた自分だ。
    「第1の自分」否定する(10対0の思考)のではなく、「第1の自分」にプラスαを身につけるという発想をすればいい。これが、「第1の自分」に7の配慮があり、新しく身につけるスキルに3の配慮がある「7~3のバランス」である。
    たとえば、今はアクセルばかりの人生だったので、スピードが出すぎてエンジンがオーバーヒートした。今度は、上手にブレーキを踏むことを身につける。そういう視点で新しい自分を受け入れればいい。

    また、うつになる前の「がんばる自分」が非常に強かった人の場合、休みモードに入るために、自分なりに相当の努力と訓練を積んでいる。そういう人は、その段階で、「がんばる自分」を無意識のうちに完全否定してしまっていることも多い。
    つまり、「がんばってはダメだ」と無意識が学習しているのだ。そういう人は、再始動の恐怖が人一倍強くなる。

    うぅ、分かる。
    私は10代、20代、全力疾走したタイプでした。
    20代は4時間寝れれば上等、3時間睡眠が普通、
    そういうので走ってきました。

    そして30代で壊れた。

    病院でお医者様に言われました。
    メンタルにくる人は、まだ救われる可能性がありますよ。
    そのまま走り続ける人が、突然死とかしてしまうんです。
    死んだらおしまいですからね。

    ーと。

    私も、アクセルとブレーキ、上手に使えるようになって、
    第1の自分プラスαの第3の自分になりたい。

    今でも、外に出るのはだるいし、怖いんです。
    遊びに行く時でも。
    でも、出かける練習です。
    体を動かす練習。

    復職は、あがき始めてから1年。
    うつ思考の練習を10年以上続けてしまった私は、
    まだまだ「うつ抜け人」のひよっこですね。

    焦りは本当にあります。
    どうして、どうして、どうして。
    まだなのか、何故なのか。
    苦しみもいっぱいある。

    でも、10年以上うつで、まだ1年目なんだ。
    これから!
    ですね。

    ダメでも、「まだ仕方ない」そう思う、自分を許すことも身につけて、
    これからもリハビリ期を歩いていきたいと思います。

  • 現代のうつ病は、きっかけは特定の出来事かもしれないが、その裏には長期にわたる精神疲労が根本にあることが多いと指摘し、きっかけとなった出来事を取り除くだけではなく、精神疲労を回復させるために休養が不可欠であることを説く。
    本書の類書にないところは、その休養から社会への復帰過程の困難さを様々な角度から指摘しているところである。社会に復帰するには「がんばり」が必要となるが、回復過程には大きな波があること、その他様々な要因でうまくいかないことが多いこと、うつ病になる前の自分に戻ることを目標にすると難しく、新たな自分を見つけることが回復につながることを、著者の臨床体験に即して語っている。
    シビアな見解ではあるが、実際に社会復帰するためにはこのことを理解した上で、周囲の理解を得ながら、一歩一歩長期間かける必要があることに納得がいった。

  • ※途中感想
    最初だけ読みづらい印象。

    「その通り」「まさに自分だ」という内容なので、理解してるつもりの人にこそ読んでほしい。

    うつ状態から社会復帰するまでの教科書のよう。
    うつ状態の一般的な傾向が書かれているので、「自分はどうか」という具体的なことに落とし込みながら読むと、ためになる。

  • ほとんどの本がうつ病について、診断に当てはまったら数ヶ月休みを取り、落ち着いたら段階的に復職し、半年くらいで職場復帰できるよというハッピーエンドのシナリオを提示している中で、この本はなかなか夢に描いたシナリオ通りにはいかない現実の話が書いてある。
    カウンセラーが書いた本なので医学的なことはほとんど書かれていないが、考え方についてとても詳しく書かれている。

  • ためになりました

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著者プロフィール

【下園 壮太】(シモゾノ ソウタ)

メンタルレスキュー協会理事長、元陸上自衛隊心理教官。陸自初の心理幹部として多数のカウンセリングを経験。その後、自衛隊の衛生科隊員(医師、看護師、救急救命士等)やレンジャー隊員等に、メンタルヘルス、カウンセリング、コンバットストレス(惨事ストレス)対策を教育。本邦初の試みである「自殺・事故のアフターケアチーム」のメンバーとして、約300件以上の自殺や事故にかかわる。平成27年8月退職。現在はNPOメンタルレスキュー協会でクライシスカウンセリングを広めつつ、産業カウンセラー協会、県や市、企業、大学院などで、メンタルヘルス、カウンセリング、感情のケアプログラム(ストレスコントロール)などについての講演・講義・トレーニングを提供。著書50冊以上。

公式HP: http://www.yayoinokokoro.net/

「2023年 『ワーママが無理ゲーすぎてメンタルがやばいのでカウンセラーの先生に聞いてみた。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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