サクラソウの目 第2版: 繁殖と保全の生態学

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  • 地人書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784805207758

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  • 中国を中心にしたサクラソウではなく、
    日本のサクラソウを中心に展開していたので、ちょっとがっかり。
    しかし、サクラソウが、日本の自生地について、
    くわしくのべられていたし、
    サクラソウの生態をまもるということに
    結構、エネルギーがそがれていたので、ちょっと満足。

    ダーウィンがサクラソウの研究をしていたことをしり、
    ダーウィンの知的好奇心の多面さに驚く。
    確か、ミミズもやっていたはず。

    異型花柱花
    というめしべの位置が違い、おしべの長さが違う型があることに、
    自然のふしぎさを感じさせる。
    サクラソウの目が、
    ハッキリ見えるものと少しボンヤリして見えるものの違いがそこからうまれる。
    今度、また麗江に行ったときに、見てみよう。

    環境を保全するというのは、
    サクラソウの生態を知ることであるが、
    サクラソウが自然に繁殖するには、種子を作ることであり、
    その助けとなる。
    ポリネーター(花粉を運ぶ虫)が必要である。
    その虫が生育できる環境が必要だ。
    というのは、確かにそうだ。

    自然はどんどん破壊され、自生していた草花たちは、
    どんどん少なくなっていく。
    今、自然を守るべきだといっても、
    守るべき自然はほとんどなくなってきている。
    人間の生活している部分も含めて、生態を考える時期にきている。

    自然を見る視点は、ニンゲンにとってどのような価値があるか
    ということだけで見ることに、やはり大きな問題がありそうだ。
    保全生態学について、後半かかれているが、
    やはり、ちょっと、はしょりすぎな感も否めない。

    サクラソウを、日本の視野だけで見るのでなく、
    もっと世界的に見て、どうなっているのか、という
    ことを深めて欲しいと おもった。
    なにか、舌足らずで、ちょっと不完全燃焼であった。

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著者プロフィール

生態学者。

「2023年 『高校生と考える 21世紀の突破口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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