鮭鱸鱈鮪 食べる魚の未来: 最後に残った天然食料資源と養殖漁業への提言

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制作 : Paul Greenberg  夏野 徹也 
  • 地人書館 (2013年11月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784805208670

鮭鱸鱈鮪 食べる魚の未来: 最後に残った天然食料資源と養殖漁業への提言の感想・レビュー・書評

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  • 魚介類は、養殖のものもある一方、食肉に比較して、天然の割合が高い。
    近年、乱獲等のために極端に数を減らしてしまった種も少なくない。寿司ネタで人気のマグロもそうした種の1つである。
    野生の恵みを享受しつつ、消費し尽くさない道はあるのだろうか。
    本書はそうした食糧としての魚の将来を論じる1冊。

    著者は漁業・海洋・環境問題についての記事を有力紙等に寄稿しているアメリカ人エッセイストである。堅めの話題だが、読みやすく仕上げている。
    本書で具体的に取り上げられているのは、サケ・シーバス(スズキ目)・タラ・マグロの4種類の魚である。

    サケは卵が大きいことから、養殖魚の先駆けとなった魚である。だが野生魚人気も高く、アラスカ産のものは飛ぶように売れる。その一因は、PCB(ポリ塩化ビフェニル)が野生魚よりも養殖魚で高いとされたことである。養殖魚には生物濃縮の度合いが高い餌が使われていた。結果として、PCB濃度が高くなったというものである。だがいくら人気があっても、養殖サケの消費分を野生サケでまかなうことは不可能である。

    数を減らしているマグロだが、その管理が困難なのは、1つには、マグロが外洋魚であるためである。
    どこかの国の管理下に置くことができず、したがってやりたい放題の業者が出ても取り締まりが出来ない。こうした魚には、国際的な保護が必要だろうと著者は言っている。

    資源として考えた場合、養殖魚に関しては:効率よく育てることができ;野生の系を脅かさず;大規模にしすぎず(予測不能な疾患や弊害は起こりうるのだから);混合飼育が可能である(単種で育てるのが望ましくないのは農作物と同じ)ものが望ましいようだ。
    漁業が小規模に漁師が漁網で捕る形であったときは、自然の回復力が捕られる数に追いついた。だがもうそんな牧歌的な時代ではない。
    経済論理に任せておくと、利潤を追求するあまりに、極端な乱獲が起きたり、不健康な養殖が行われる可能性もある。そうした向きには実効性のある規制が必要となるだろう。

    妥当な飼育法で育てられた養殖魚を食べつつ、ときどきは節度を持って野生魚の恩典を楽しむ。
    著者が提唱するのはそうした姿勢である。

    複雑な問題であるだけに、近視眼的でなく、さまざまな見方を知り、考えていくことは有用なことだと思う。
    そうした意味で本書はおもしろい1冊だった。


    *参考
    『銀むつクライシス』 むつに似た食感を持つ深海魚を巡るノンフィクション。その乱獲ぶりはまさに「クライシス」。

    『旅するウナギ―1億年の時空をこえて』 これもまた、絶滅が心配される魚。

  • なんというか、やたらとアメリカ的なものいいと視点。でも、持続可能に食べる話は結構大事なことのはず。

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