シンジケート

著者 :
  • 沖積舎
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本棚登録 : 401
感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (117ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806011101

感想・レビュー・書評

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  • あちこちでこの歌集初出の短歌に出会う機会はあったのですが、実はちゃんと読むのは初めてなのです。

    ああ、もう。
    穂村ワールドに夢中になっていました。
    くらり、くらり。

    付録の栞で坂井修一さんが、穂村さんの短歌について「ユーモラスで残酷で明るくて寒い」と書かれています。
    なんとなく、地面に片足のつま先だけつけてふわふわ浮いている感じがするのです。
    何度でも、何度でも、くりかえし読みたい歌集でした。

  • なんというか、読んでいると、蚊にさされた跡を掻きこわしながら、プールの水面、光の乱反射をみているような気分になる。

  • 春雷よ「自分で脱ぐ」とふりかぶるシャツの内なる腕の十字
    (↑お気に入りです)

    三十一音の中にどれだけ世界を語るか(あるいは語らないか)。歌を鑑賞するのって意外と体力が必要だったりします。でも読んでて疲れることなんかないし、楽しいし、時間をちょっとだけシカトできるのが気持ちいいです。

  • たまにありありと光景が浮かぶやつがあって、そういうのが好きだった。

  • 悩める人にぴったりの短歌がたくさんあります。穂村弘先生はエッセイも素敵なので、そちらも是非どうそ!(てし)
    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/
    図書館・請求記号 911.16/H83/4/

  • ●子供よりシンジケートをつくろうよ「壁に向かって手をあげなさい」
    ●「とりかえしのつかないことがしたいね」と毛糸を玉に巻きつつ笑う
    ●ワイパーをグニュグニュに折り曲げたればグニュグニュのまま動くワイパー
    ●「飲み口を折り曲げられるストローがきらい臨時の恋人がすき」
    ●ねむりながら笑うおまえの好物は天使のちんこみたいなマカロニ
    ●ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は
    ●試合開始のコール忘れて審判は風の匂いにめをとじたまま
    ●終バスにふたりは眠る紫の<降りますランプ>に取り囲まれて

  • どうしてここにそれを、っていう言葉の組み合わせに、読みながら恍惚とする。
    言葉の持つ力に、私はまだ全然気が付いていないんだと思わせてくれる。
    一つ一つの作品は31文字の非常に限られたものなのに、連続して読んだあと、一組の男女のなにからなにまで覗き見たような気持ちになって、ちょっとした背徳感。でもその背徳感が気持ちいい。

  •  ちょっと大人な人の現実ってこういうことかな?と、変な期待をしないで落ち着いていける感じです。特に好きなのが、ぞうのうんこに語りかける歌です!!
    (一般担当/ほむほむほむ)平成29年3月の特集「名作を読もう!」

  •  大好きなほむらさん。
     でも、エッセイしか読んだことなくて。どの媒体にも、当然ながら職業欄にまっさきにくるのは“歌人”なのに、歌集を読まずして果たしてほむらさん好きとか口にしていいのか?いいのか?というわけで。

     歌集もエッセイも根底にあるのは同じ。やっぱりほむらさんだった。多くの人が見えていない小さな出来事を、キラキラした少年の目で拾い集めて、巧みに表現する。左手首がないマネキンも、黒鍵についた指紋も、看護婦とグレートデンのくちづけも、<降りますランプ>も、わたしの目の前ではただただ飛び散っていくだけの小さな日常のかけらだ。
     歌集自体を初めて手に取ったけれど、1つの歌で想像力をいくらでも膨らませられる。なんかたのしかったな。

  • 去年、トイレでちびちびと読んでいた。言葉選びのセンス。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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