人に聞けない大人の言葉づかい (中経の文庫 と 5-1)

著者 :
  • KADOKAWA(中経出版)
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本棚登録 : 380
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806129738

感想・レビュー・書評

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  • 仰ることはごもっともで、憤慨する気持ちはとてもよく分かるのだが、この本が出版されてから13年、注意喚起だけでは後戻りができないくらい日本語は変わってしまったと思える。自分はどちらかというと最近の若者を嘆かわしく感じる側だが、自身の言葉が現代に流されている自覚は確かにある。使い方を正すことも出来ず、多勢に無勢な状況を「老害呼ばわりされずに距離を置く」ことしかできない。いまとなっては時代遅れの感性であるなあと思う部分が目立った。

  • 自分は勉強不足ですね・・・・

  • ”タイトルだけならスルー本だが外山さんが書いてるってことで購入。普段なにげなく使っている言葉に対して再発見&再認識あり。
    ・手紙は、三つの部分に分かれる (p.26)
     前文(拝啓+時候のあいさつ+相手の安否をたずねることば)
     主文(本文)
     結文(A.終わりのあいさつ、B.結びのことば、C.日付、D.書名、E.あて名)
    ・はがきは手紙ではないから、「拝啓」はいらないし、「敬具」もつけない。他見をはばかるようなことは書かないのが礼である。(p.27)
    ・かけ方をよく知らないうちに電話が普及して、勝手なかけ方をしている。小学校あたりで教えたらいいが、教える教師自身が、しつけを受けていないのだから、それこそ話にならない(p.59) #家庭できちんと教えるべし!
    ・うわさを当事者に話すとき、だれだれがこういった、ああいった、と直接話法で話すのは禁物である。ベールをかけ、ボカすのが常識だが、これまた教えてくれる人がいない。苦い経験で教えてもらうのである。経験は最上の教師だが、授業料はめっぽう高い(トーマス・カーライスのことば)。 (p.125)
    ★日ごろから、エレガントな話題をつくるように心がける。本や雑誌、あるいは人からきいたおもしろいトピックをメモしておく。それに自分なりの料理を加えて、話せば、あの人はおもしろい、といわれる。(p.132)
    ★つまり、わたくし、わたくしども、あなた、などはすべて、名詞(ご来駕)や動詞(賜わる)の中へ包みこんでしまうのが、日本語である。(p.140)
    ・「ご本を読んでいます」というのでは敬語不足だ。著者が目下だったらこれでよいが、そうでなければ、「ご本を拝読させていただいております」でないといけない。読む、は直接的であるが、拝読させていただいている、は間接的になる。直接より間接のほうが丁寧になるのはことばの常識である。(p.169)
    ★美しいことばというのは、見た目の華やかなことばのことではない。きいた人にこころよくひびくことばである。(p.176)”

  • 「日本語の作法」と重複している話題も多い。

  • 大人の言葉遣いとは、日本語が本来持ち合わせている、他人への気遣いや、出すぎない謙虚な心を、言葉を以って表現するという事だろう。最初読んでいて、よくある老人が最近の若者は。。。といった苦言だけのエッセイだと思い、途中で読むのをやめようかともも思ったが、完読してそうではないとわかった。むしろ、著者は、言葉は時代と共に変化するものである、数多の事例を挙げてそれを肯定している。御前は、ほんらい尊敬語であったが、現代は上から目線での言葉となってしまっているなど。しかしながら、著者が言いたいのは、会話や文章において、日本人が培ってきた心の部分まで失われていく事に対する危惧であろう。年齢や立場にふさわしい物言いは、当然あるべきであり、これは日本語だけに限らず英語でも同じだ。一読の価値はあったと思う。

  • 大人の言葉遣いとは、日本語が本来持ち合わせている、他人への気遣いや、出すぎない謙虚な心を、言葉を以って表現するという事だろう。最初読んでいて、よくある老人が最近の若者は。。。といった苦言だけのエッセイだと思い、途中で読むのをやめようかともも思ったが、完読してそうではないとわかった。むしろ、著者は、言葉は時代と共に変化するものである、数多の事例を挙げてそれを肯定している。御前は、ほんらい尊敬語であったが、現代は上から目線での言葉となってしまっているなど。しかしながら、著者が言いたいのは、会話や文章において、日本人が培ってきた心の部分まで失われていく事に対する危惧であろう。年齢や立場にふさわしい物言いは、当然あるべきであり、これは日本語だけに限らず英語でも同じだ。一読の価値はあったと思う。

  • 書名や帯のとおりのマニュアル本かと言えば、さに非ず。古老に叱られ叱られ自分の日本語感を正されている感じがして、時に「そんな古臭いことを言われても……」と思いながら読了。H26年度最初の読了本がこれというのも何かの縁だろう。章としては『間のない間抜けな話し方』が、行としては『ことばの乱れは精神の荒廃の指標であるのは、日本語において、ほかの国よりいちじるしいように思われる。』が印象的。

  • 間違えて覚えていた言葉やつい使ってしまう言い回しなど自分を振り返るのに良い内容だった

  • 一章二章、及び五章はためになる話が多かった。思わず我が身を振り返る箇所も多々あった。

    ただ、外山氏の著書にしては少し表面的で深みにかけたり、繰り返しも多いように感じた。分かりやすく書こうという意図が強かったのだと思うが。

    期待が大きかった分、☆は一個減で二つ。

    言葉に関するエッセイでは、高島俊夫さんのシリーズが好きだ。

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著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年、愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。30年以上にわたり学生、ビジネスマンなど多くの読者の支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(以上、筑摩書房)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

「2024年 『ワイド新版 思考の整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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