- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784806139096
感想・レビュー・書評
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不肖がこれまで思っていた事がそのままタイトルとなっていたためつい購入してしまった。不肖のこれまでの経済学やファイナンスの知識が、それなりに使えるものになっていたということが確認出来た事もうれしくもあるが、日本の将来は最悪の結末を迎える蓋然性が高いことを改めて確認すると喜んでばかりも入れられない。2014年以降、団塊世代の年金給付が開始されるあたりから、大量の預金引き下ろしが発生し、それをきっかけに国債がおかしなことになるかもしれないという。そして、2020年には、ついに国債を引き受け手であった日本の銀行や郵便貯金がこれを買い支えることが理論的には不可能になるらしい。このあたりが、Xデーの最も遅い楽観的なタイムラインであろう。しかし、必ずくると言われている東海大地震がこれよりも前にくれば、膨張した風船が破裂するかの如く一気に国債の暴落となるであろう。
ところで今月、スティールパートナーズがサッポロの株式を全部売却したとの報道はあまり大きなニューズになっていなかったが、正直不肖はこれをついに外国人投資家が日本を見限ったという節目だと深刻にとらえている。
国債暴落、ハイパーインフレの先に何が待っているのか。日本は中国、ロシアから買いたたかれ、あげくの果てには多くの日本人がこうした国に出稼ぎに出て、タクシー運転手や飲み屋で働く日もあり得る話である。しかし、そのツケを払うのは、結局今ぬるま湯につかっている奴らだろる。少なくとも自分を護るのは結局自分だけだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
TOPPOINT 2011年2月号より。
著者は国際弁護士とビジネス・ブレイクスクール大学の教授。
内外の金融情勢や経済大国が衰退していった歴史などから、
国債暴落のシナリオを読み解く。 -
この本のおかげで、ようやく自分の中で国債暴落とデフォルトの関係性が理解できた。文章が平易でとても頭に入りやすい。もはや、「待ったなし」ということを覚悟して備えておかなければならない。
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日本国債が暴落する理由が書いてあると期待して読んだのですが、団塊の世代が預貯金を取り崩して生活をするので銀行の預貯金が減って日本国債にお金が回らなくなるという説明しか読み取れませんでした。
三橋氏に書いてあるような現在のデータを使用した議論をして欲しかったと思います。p85の説明では少し足りないような気がします。どうして余剰貯金額のデータで議論しないのでしょうか。
尚、一旦国債が暴落した場合にどうなるかについては、詳しく書かれていましたが、今までの破綻したケースが各々原因が異なるのに、パニックとなった様子だけを書いているので不安を煽っている感も受けました。
但し、日本国債の海外投資家の保有者が5%と記した上で、現物取引に占める海外投資家の割合は、19%だが、先物取引では42%、オプション取引では63%であり、彼らは日本国債が暴落すると見ている(p139)というポイントは今後検証していこうと思いました。
以下は気になったポイントです。
・18世紀後半から19世紀初めにかけてのナポレオン戦争で、イギリスはフランスに勝利した。その以前からイギリス国債の価格はフランス国債の価格よりも常に安く、市場ではイギリスの勝利を見込んでいた、同様の現象が第一次・二次世界大戦んでも見られる(p36)
・1500年以降の長期金利を見ると、ジェノバが1619年に1.125%、オランダが17年代後半に3%以下、イギリスが1897年に2.21%、日本が2003年に0.43%となっている、ある日突然に国債の買い手がいなくなって金利が高騰する。
・国内剰余金(家計ネット金融資産-政府ネット負債)の1980年から2009年までの推移を延長すると、2018年でゼロになる(p85)
・国民年金の積立金は、2003年の99→74兆円@2010,厚生年金は、同137→119兆円に減少しているので、2020~30年にかけて積立金は尽きる(p89)
・団塊世代と呼ばれる200万人前後の人達が、2012年からは金融機関からお金を引き出していくので、国債原資であった預金が減る(p98)
・米国債は、購入者を自国だけでなく、全世界(中国:23,日本:21,イギリス:6、カリブ:6,産油国:6%等)に求めることができる(p120)
・中国は2021年7月の中国共産党結成100周記念に合わせて、東アジア内で「元」を投資決済通貨にして、東アジアを人民元ゾーンとすることを目標としている(p127)
・香港では、株式市場、決済、税制等は、中国の法律を一部しか適用していない、まず香港で実験して上海等で行う(p133)
・日本国債の現物取引に占める海外投資家の割合は、19%だが、先物取引では42%、オプション取引では63%であり、彼らは日本国債が暴落すると見ている(p139)
・ドイツの物価は、第一次世界大戦の始まる前の1913年比較で、1923年のインフレピーク時で、154億倍、対ドル価格は、5220億分の1となった(p168)
・戦後のどさくさ時代のことを書いた企業の社史を読むと、戦時中に政府の言いなりにならずに儲けを、ゴールドや土地などの実物資産で貯めて、人や技術という強みを守り続けた企業が生き残ることができたという記述を見ることがある(p177)
・オムニバスチャイナというファンドは、ソニー、日立、帝人、日東電工、武田薬品、東燃等に投資をしていて、株主順位が10位あたりにいる(p182)
・日本には老舗企業が多くあるが、銀行で江戸自壊から続いているものはない、三井と住友は両替商部門が発展したもの、三菱と安田は明治以降に発展したもの、幕末のハイパーインフレと、明治政府の借金踏み倒しで当時の両替商が軒並み倒産したから(p185)
・日本は高齢化(65歳以上の割合)が20%@2005と進んでいるにも拘わらず、国民負担率(税+社会保険料)が26%とかなり低い(p190)
・先進国において、30年以上の統計をとると、金利は6%、株価は10%、インフレ率は5%が程度であり、インフレ率以上に株価は上昇する(p206)
・明治政府は、幕府と各藩の借金を、外国からの借金以外は踏み倒した、両替商、武士階級はそろって生活苦になった(p217)
・日本国債の暴落によって、企業は姿を変えることになる、日本ではGDPの半分は規制や官需に影響を受けた業種と言われているので(p218)
2011/2/13作成 -
■金融
1.2010年時点で、日本の借金のGDPに対する割合は225.1%と、世界でも最悪の水準に達している。G20の平均は76.7%。
2.歴史を振り返ると、経済大国の没落は、低金利が長く続いた後に、国債暴落と長期金利の突然の上昇によって起こった。
3.中国が金融市場の対外開放を進め、世界の金融国となった時、内外の投資家が資金を中国に振り向け、日本の国債は暴落する。 -
【主要目次】
・日本国債がデフォルトする日
・日本国債を買う人がいなくなる!
・日本国債の暴落で、私たちの生活はどうなるか
・日本国債の暴落に備えて、何をすればいいか -
不肖がこれまで思っていた事がそのままタイトルとなっていたためつい購入してしまった。不肖のこれまでの経済学やファイナンスの知識が、それなりに使えるものになっていたということが確認出来た事もうれしくもあるが、日本の将来は最悪の結末を迎える蓋然性が高いことを改めて確認すると喜んでばかりも入れられない。2014年以降、団塊世代の年金給付が開始されるあたりから、大量の預金引き下ろしが発生し、それをきっかけに国債がおかしなことになるかもしれないという。そして、2020年には、ついに国債を引き受け手であった日本の銀行や郵便貯金がこれを買い支えることが理論的には不可能になるらしい。このあたりが、Xデーの最も遅い楽観的なタイムラインであろう。しかし、必ずくると言われている東海大地震がこれよりも前にくれば、膨張した風船が破裂するかの如く一気に国債の暴落となるであろう。<br /><br />ところで今月、スティールパートナーズがサッポロの株式を全部売却したとの報道はあまり大きなニューズになっていなかったが、正直不肖はこれをついに外国人投資家が日本を見限ったという節目だと深刻にとらえている。<br /><br />国債暴落、ハイパーインフレの先に何が待っているのか。日本は中国、ロシアから買いたたかれ、あげくの果てには多くの日本人がこうした国に出稼ぎに出て、タクシー運転手や飲み屋で働く日もあり得る話である。しかし、そのツケを払うのは、結局今ぬるま湯につかっている奴らだろる。少なくとも自分を護るのは結局自分だけだ。