農で起業する! ―脱サラ農業のススメ

著者 :
  • 築地書館
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本棚登録 : 317
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806713012

作品紹介・あらすじ

経験を積まなければ、農業は成り立たないのか?「感覚」や「感じ」「雰囲気」のような曖昧な領域であった農テクニックを、誰でもできるようにマニュアル化し、ビジネス的シミュレーションによって、成功にみちびく!めざすは、週休4日、上司のいない農家生活!外資系サラリーマンから専業農家へ…従来の農業手法に一石を投じた専業農家が書いた本。

感想・レビュー・書評

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  • 「農で起業!実践編」を先に読了したが、こちらが著者第一弾。
    前半は著者の就農挑戦と様々な取り組みや成功失敗事例を惜しげなく披露してくれている。データと経営指標、ツールを活用しどんどん生産性を向上させていく様子はとても面白い。経営管理40マーケティング40ものづくり20の経営ベストミックスの考え方は大変参考になる。
    後半は相変わらず舌鋒鋭く自身の信念価値観に沿わないあれこれを散々にこき下ろしている。大変優秀な方で努力苦労もされてきたのはよく分かるが、あまりのアクの強さには少々閉口する。

  • 経験と勘に依存した現代農業にビジネス的手法を取り入れた経営をしている様子を紹介してくれている。しかし、これほど現代農業は旧態依然かと思うとともに、情報を取り入れて、PDCAを回すとこんなに改善できることに驚く。実際のところ、これは農業だけではなくて、あらゆる産業で発生していることなのだろうなとも思う。情報を制するということは、価値観を変えることを伴うので、難しいのかもしれない。

  • 外資系サラリーマンから農家へ転身、って小説『限界集落株式会社』の世界だ。そして読み進めるほどに刺激を受ける本だった。「規模が小さく、効率がよく」というコンセプトは、これまでスケールメリットによって収益を上げるのが王道ととらえていた自分にとって目から鱗である。外資で培った経営戦略、土づくりの話など、とても興味深く読むことができた。国の補助金などに頼らず、果樹で就農1年目から赤字が出ない農業経営ができた著者は素晴らしい。【2006年13刷を古書で購入】

  • 文体から著者の人柄がにじみ出てしまっているため、読み手を選ぶでしょう。豪快で正直に、思ったことが口から滑り出てしまうタイプ。歯に衣着せぬとはまさにこのことでしょう。その代わり書物としては、その正直さから事実が述べられていて非常に優秀で、就農への参考書の一つとするには大変重宝すると思います。
    参考になる内容が多く、今後も農業経営の参考に時折読み返す本になりそうです。
    ただ残念なのは、ここまでの内容を書けるのだったら、もう少し教科書的に記述してもよかったのかなと。章ごとに農薬や有機栽培、農家の生活や公害、自然災害対策など、項目ごとに解説し、建前と本音と裏側なんかが書かれているともっと読みやすいし、読み手を選ばない、つまりより多くの読者がずっと参考にできるような参考書になったのではないかと思いました。
    ただ著者も言うように、行政や立法側の思惑と、農家の生活優先を考えるのとでは目標が異なり、農家に教え込まれる教科書的な内容が実際には農家のためになっていなかったりするような、政治的な思惑やしがらみが関係してそのような情報にすることができないのかもしれませんが…。

  • 現実的な農業の本 といってあまりに現実だけでもない いい本です

  • 論理的、合理的な農業。
    営農計画、就農計画時に参考にしたい。
    外資系企業で培った感覚、行動力はすばらしい!

  • 2008-04-05

    一流企業(たしかモトローラ)につとめていた著者が専業農家になって、悠々自適(?)な農業ライフを赤裸々につづった本。

    実際、みんなが農家になって悠々自適かというと、そうではない。

    筆者はビジネスマン時代に培った「あたりまえのテクニック」をつかって

    農業経営を効率化していくのです。

    たとえば、肥料を買うときに「見積もりあわせ」

    収穫時期を調べるのに「統計的なサンプリング」

    そして、データはエクセルで管理していく。



    さらに、おもしろいのは政府の農政に対する歯に衣着せぬ批判。

    著者は農業補助金を一切もらってないんですね。

    結局、日本は農業補助金をばらまいて、その代わりに努力や思考能力を農村から奪っている。ほとんど、共産国家のようだ。

    有機農業や無農薬野菜にも疑いの目をもてるわけでございます。

    文体は決して綺麗じゃないけど,じゅうぶんおもしろい一冊でした。

  • 絵に描いたように就農に成功した話で羨ましいです。現実に自分だったらここまでうまくやれるかな。けれど、農業何もやったことない人がここまでできるんだと思うとちょっと心強いです。

  • 農業をシステマチックに、効率よくやりましょうという話。官能に頼った農産物栽培から、定量的な生産に変えて行く。労働生産性をあげる。時給いくら以下の仕事はしない。小規模でも付加価値を付けて高く売る。農業の常識を疑う。
    サラリーマンをやっていると普通に身につくことを活かして農業をやってみる。今はそういう人も多いだろうから後はどう差別化するかかな。
    著者の考えに多少の偏りは感じるけど、総じて的を得た話で状況を見て問題提起していく姿勢には学ぶところがある。

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