先生、モモンガの風呂に入ってください!: 鳥取環境大学の森の人間動物行動学

著者 :
  • 築地書館
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806714378

作品紹介・あらすじ

鳥取県智頭町芦津のモモンガの森の保全を地域の活性化につなげることはできないか…。思い立ったらすぐ行動。鉄砲玉のように一人でつっぱしるコバヤシ教授。地元の人びとや学生さんたちとともに取り組みはじめた芦津モモンガプロジェクトの成り行きは…。

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズ、今年中に読破するつもりが、やっと6冊目(あと12冊もある)。
    7月から政治・経済・メディアの本を読みあさっていなければ、そろそろ読み終わる頃だった。
    だが、その時一番読みたい本を読むのがいいので、年内読破はいさぎよく諦める。

    今回は、カエル、イワガニ、アカハライモリ、モモンガ、モモンガ、モモンガ。
    そう、モモンガが主役。
    イモリもかわいい顔をしているが、モモンガは愛くるしいといった感じ。

    タイトルのモモンガの風呂とは、鳥取県智頭町芦津にある「ももんがの湯」のことで、本書が出版される頃にできた。
    モモンガはスギの樹皮を使って巣を作るのだそう。
    この浴場もスギで造られているので、スギの香りに包まれて過ごせるから、「ももんがの湯」としたらしい。

    この場所にはモモンガのほかにヤマネなんかもいるみたいなので、いつまでもスギ林を守って欲しいですね。

    このシリーズの本のタイトルを見ると、2019年と2022年にモモンガが登場しているので、ずっとモモンガの観察は続けているみたいです。

  • 先生!シリーズ第6弾。読む順番を間違えてしまったみたい。。

    今回の目玉はなんと言っても芦津モモンガプロジェクト。
    鳥取県智頭町芦津の森で、ニホンモモンガを中心とした樹上性鳥獣類の調査を行ったり、豊かな森の保全につながる活動としてモモンガをシンボルにした様々なグッズを作って販売したり、エコツーリズムをしたりする活動、ということらしい。
    このモモンガの森のことは数年前、NHKの『ダーウィンが来た!』で観たことがあった。
    あの頃はまだ鳥取環境大学のことも小林先生のことも全く知らず、鳥取にはこんな森があるのか…行ってみたいな、と単純に思っていた。
    あのつぶらなお目々の可愛いモモンガが木と木の間を華麗に飛ぶ姿は、ぜひ直に見てみたい。
    時に母モモンガからにらまれたり、子モモンガからじーっと見つめられたり(でも近づきすぎると飛んで逃げられる)、とモモンガと適度な距離を保ちつつ触れ合える先生が羨ましい。

    モモンガ以外で気になったことは岩戸海岸での学生たちとのフィールドワーク。
    毎年新たな課題を掲げ、その課題に興味を持った学生たちと一緒に現地へ出向くもので、生き生きと楽しく課題「海の生き物から一種類選んでその動物の専門家になろう」に取り組む様子が伝わってきてこちらも読んでいてワクワクする。
    先生はもちろん学生たちの生き物愛が伝わってきて微笑ましい。
    大自然の中での生き物たちの底知れぬ生命力と、生き物の行動一つ一つに何かしらの意味があることに感動した。

    また、ある種のオタマジャクシは捕食者(イモリなど)の存在を、捕食者の体から出る化学物質によって認知することに驚いた。
    捕食する側と捕食される側とが巧く駆け引きをして、時に共存して自然界は成り立っている。
    自然界の科学的な摂理にはいつも驚かされてばかり。

  • シリーズ6冊目。
    鳥取県智頭町の芦津の森を舞台にしたフィールドワークの様子を中心に、コバヤシ先生の動物談義が繰り広げられます。

    学生や地元の方々と共にモモンガの森の保全と地域おこしをしていこう!、というプロジェクトが素敵です。
    特に地元の方々にモモンガがどんな動物なのかを知ってほしい、という思いから、地域の人にもモモンガの調査に同行してもらおうという取り組みにわくわくしました。…私も参加してみたい!!

    また、コバヤシ先生の「海の生き物から1種類選らんでその動物の専門家になろう」という授業の様子を紹介した1章もわくわくしました。
    実際に磯で生き物をつかまえ、自分でテーマを決めて仮説を立てて実験をする…そんな一連の過程をコバヤシ先生と経験できた学生さんが羨ましいです。

    今回、いつも以上にコバヤシ先生の自画自賛ぶりが光っていて、にやにや。
    ユーモアたっぷりの文章を読むたびに、コバヤシ先生の授業を受けてみたいと思うのでした。

  • 段々規模の大きい話になってきましたね。モモンガかー、間近で見たことはないかもしれません。
    友人と話しててわかったんですが、世の中には犬猫以外の動物は苦手という人が案外多いんですね。私は爬虫類くらいまでならOKなんですが、昆虫は苦手です。

  • 小林先生の先生シリーズ6冊目、個人的には5冊目読了。

    可愛らしいくりくりの目をしたニホンモモンガの表紙がとても素敵です♪
    今回の内容はちょっと色が入ってしまっていますが、理想論だけで生態系を守ることは難しいってことなんでしょう。

    先生はおそらく頭のとても良い方で、新しい研究テーマを思いつくのも得意で、実験方法を考えるのもあまり難なくやってしまわれるんだろうと思います。
    意味のある違いかどうかってちょっと知らないと、難しいです。

    あー、小林先生の講義、受けてみたかったな。

    学部生の頃、他大学の短期講座に参加したことがあって、新潟大学の佐渡島での実習?でしたが、遠くの大学からも同様に学生が参加していてとても楽しかった思い出です。
    その頃、小林先生がそういう講座をやっておられたら、絶対行っていたと思います。

    生息範囲が広い生き物の実験には、比較するのに適した場所が必要で、その確保ができているっていうのが島根環境大学のすごい所だと思います。
    でもきっと先生ならないならないでなんとかしちゃうんだろうな。

    モモンガが巣材にスギを好むこと、知り合い(?)同士で巣を共有することもある。
    興味深く読ませていただきました。

    新しい発見があると、また謎がさらにできてしまう。
    個人的にはアカハライモリの雌が、何のために群れを作っているのか、気になります。
    次巻以降で、その謎が解明されることを期待してます!!

  • 第6弾

  • モモンガの湯に行きたい!!鳥取、行こうかな~。

  • 【展示用コメント】
    またまた子モモンガがやってくれた。(本文より)

    【北海道大学蔵書目録へのリンク先】
    https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2001574811

  • カラー写真ひゃっふう!
    かわいいモモンガさんは後半で、カエルとかカニとかヒキガエルとかアカハライモリの話が前半。

    モモンガさんの写真集はよ!!

  • 後半3章の芦津の森のモモンガプロジェクトの話が熱い!

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著者プロフィール

1958年岡山県生まれ。
岡山大学理学部生物学科卒業。京都大学で理学博士取得。
岡山県で高等学校に勤務後、2001年鳥取環境大学講師、2005 年教授。
2015年より公立鳥取環境大学に名称変更。
専門は動物行動学、進化心理学。
これまで、ヒトも含めた哺乳類、鳥類、両生類などの行動を、動物の生存や繁殖にどのように役立つかという視点から調べてきた。
現在は、ヒトと自然の精神的なつながりについての研究や、水辺や森の絶滅危惧動物の保全活動に取り組んでいる。
中国山地の山あいで、幼いころから野生生物たちとふれあいながら育ち、気がつくとそのまま大人になっていた。
1日のうち少しでも野生生物との"交流"をもたないと体調が悪くなる。
自分では虚弱体質の理論派だと思っているが、学生たちからは体力だのみの現場派だと言われている。

「2023年 『先生、ヒキガエルが目移りしてダンゴムシを食べられません!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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