はだしのゲン (第1巻)

著者 :
  • 汐文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784811300405

感想・レビュー・書評

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  • 中沢啓治先生追悼ページ | ニュース | 株式会社汐文社(ちょうぶんしゃ)
    https://web.archive.org/web/20141227114308/http://www.choubunsha.com/news/2013/news000929.html

    はだしのゲンシリーズ | 株式会社汐文社(ちょうぶんしゃ)
    https://web.archive.org/web/20131206212446/http://www.choubunsha.com/products/hadashi-no-gen.html

  • 平成24年12月19日、中沢啓治さんが肺がんのため73歳で逝去したとの訃報を聞いて再度読みたくなって購入、ライブラリーに加えました。

    およそ30数年ぶり、正月にじっくりと時間をかけて読みました。

    「はだしのゲン」は小学生の頃に少年ジャンプでリアルタイムで読んだ記憶があって、子供心に無益な争いの空しさと原爆の恐怖を実感したのを覚えています。

    戦争を引き起こした軍部、政治家、企業への、そして当時、神と崇められていた天皇ヒロヒトへの辛辣な物言いは目から鱗。

    また、戦時体制に協力して、反戦を唱えた良識ある民衆を苦しめた傀儡の輩へも強烈な批判を繰り返しています。

    利権を食いものにして、他人の事は考慮せず、自分の利益だけを追い求める輩はいつの時代にも居ます。こうして時代は変わっても、あまり進歩していませんね。

    名もない、力もない、いち国民の、あくまで民衆目線の血と汗の物語には、作者の根底に流れる優しさが滲み出ています。

    3.11で懲りたはずなのに、それでも核施設を維持、稼働させようとする政治家や企業家にぜひ読ませたい本。

    ------------------------------------------------------------------------------------

    昭和20年8月6日、太平洋戦争終結の直前に郷里の広島で被爆したときは、小学1年生だった。父、姉、弟、妹を原爆で亡くした。奇跡的に命を存えたものの、被爆による後遺症はじわじわと健康をむしばんでいく。戦争の悲惨と原爆投下の愚行を実体験から訴えた名作漫画「はだしのゲン」が生まれたのはその21年後、やはり被爆の後遺症で苦しんだ母の死がきっかけになった。22歳のとき、漫画家を志して上京したときは「原爆漫画をかこうなんて、これっぽっちも思ったことがありませんでした」と振り返る著者の背中を、母の死が押したのだった。

     昭和48年、34歳のときに漫画雑誌週刊少年ジャンプに「はだしのゲン」の連載を始める。主人公の少年ゲンは少年時代の著者がモデルだった。家族構成も周囲の状況も、見たまま聞いたままを絵筆で再現していった。ゲンは「人間の元素」という意味で、戦争と原爆を二度と許さない人間になるために、との祈りが込められています。

  • ≪県立図書館≫

    昔、小学生のとき、学校で読んだ。
    久しぶりに再読したが、印象が強いところは覚えていた。
    先見の明がある人、素直に感じたことを口にする人は非国民だといじめられる。
    そのいじめは壮絶だ。
    ひどい。
    でも、今でも日本は多数が正義で少数は攻撃される。
    馬鹿みたいだ。

    子どもたちにも読ませてみた。
    感じるところがあったようだ。
    こういう作品は、子供たちにちゃんと読ませて感じさせ、考えさせたい。

  • 2015.4.19
    戦争は人を不幸にするね。絶対起こしてはいけません。

  • ゲン一家がそれぞれを思いあって愛ある毎日を過ごしてて、
    ほんまに温かい。
    お父さんの人間味がが半端ない。
    子供は子供らしくていい。
    当たり前のことが奪われたことが悲しい。

  • 今と思想が違いすぎて、とても理解しがたい日本の昔の姿。あまりにも過酷すぎで、こんな時代が本当にあったなんて現実味がないけど、人間の根本...集団いじめ格差差別を当然のようにふるまう所は、豊かになっても変わらないんだなって。

  • 今回、元が小学2年生ということを発見!驚きです!!
    厳しい時代、子どもも無邪気だけでは生きていけなかったんだろう。
    お父さんは、激しすぎますね〜。
    貧乏人の子だくさん、そして頑固で偏屈親父。
    奥さん、子どもは苦労します。

  • 描写が生々しすぎて、松江市で閲覧制限がかかったときに、興味を持って借りた「はだしのゲン」の1巻と2巻がようやくまわってきた。
    戦時中の様子、原爆の悲惨さ、テレビや本などである程度知識は持っていたが、何度も途中で読むのをやめたくなった。

    人間ってこんな醜悪なものなのかというのが第一印象。
    作者である中沢啓治氏の実体験に近いとされる。

    主人公のゲン(中岡元)は、広島に住む非常にたくましい生命力を持つ小学2年生。
    父親が反戦を唱えていたため、中岡家は村八分の目に遭っている。
    みんなが「今日」を生き抜くのに必死なせいなのか、あまりにも自己中心的な人たちだらけだ。

    ゲンには兄と姉と弟がいる。
    兄は反戦主義者ではない証明をするべく、志願して予科練に。

    ゲンと弟は、ともかく四六時中、腹を空かせている。

    1945年8月6日、運命の日が訪れ、ゲンは父と姉と弟を目の前で失う。
    残虐なシーンと描写がこれでもかと出てきて目を背けたくなるが、筆者がどんな気持ちで一筆一筆に思いを込めて描いたかを思うと、背けるわけにはいかないのだ。


    大人でもこうなのだから、子どもにとってたしかに刺激が強い作品だ。
    子どもがこの作品を見て何を考えるかは想像しづらいが、書架には置いておいて、読むか読まないか、本人の意思に任せるのが本筋で、その自由を奪うのはおかしいと思う。

    私は迷った末、第3巻を借りることにした。

  • 図書館で特に夏に人気のマンガという印象がある
    小学校か中学校の学校図書館にあったのだけれど、数ページ見てこわかったので、長くよんだことがなかった
    ついに、よむという決心ができたので、図書館で借りた

    原爆投下の前後の広島市に住む中岡元と、その家族を中心に描くマンガ
    一巻は原爆投下とその直後までのおはなしだ
    私は、長崎と広島へ行ったことがあるが、今まで残酷で凄惨な原爆の資料を目にしたことがない
    それは現代を生きる私たちだけでなく、センカを生きた方方への配慮かも知れない
    貧乏でも明るく強く生きるはだしのゲンは、なんだか痛痛しくもある
    兄の海軍志願と疎開、父の反戦思想、父と姉と弟の死、母と妹との生活、怒濤の一巻だ
    写真などの実写では見るに耐えない戦禍にせめてマンガで触れることは、私にとっては戦争を知る努力の一歩だ
    「週刊少年ジャンプ」でこれが連載されていたとは驚きだ
    今、日本は戦争ができる国へ戻ろうとしている…
    そのことを、きちんと考える必要がある

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      > 「週刊少年ジャンプ」でこれが連載されていたとは驚きだ
      私も先日「NHKアーカイブス NHK映像ファイル あの人に会いたい」で初めて知りま...
      > 「週刊少年ジャンプ」でこれが連載されていたとは驚きだ
      私も先日「NHKアーカイブス NHK映像ファイル あの人に会いたい」で初めて知りました。
      http://www.nhk.or.jp/archives/anohito/past/2013/361.html
      しかし、某教育委員会の話を聞いて愕然としています。どのような経緯で起こったのか詳しく知りたいと思っているところです。
      http://www.47news.jp/news/2013/08/post_20130818103722.html
      2013/08/19
    • Eさん
      島根の学校図書館は、(一応)学校司書の配置率が100%とニュースで知りました
      学校図書館は公立図書館と別物だから、と考えるにしても、鳥取でも...
      島根の学校図書館は、(一応)学校司書の配置率が100%とニュースで知りました
      学校図書館は公立図書館と別物だから、と考えるにしても、鳥取でも同様(?)の措置がなされていたとか

      図書館側には「図書館の自由」、利用者側には「知る自由」があるのに
      「知る権利」があって「知る義務」がないのは何でだろう?と思っていました
      ですが、知りたいことと、知りたくないこと、それぞれがあるな、と、私自身がそうだったと思い至りました
      両方含めて「知る自由」、利用者をもっと信頼して良いような気がします
      図書館は基本的には中立であるという大前提が崩れてしまいそうです
      2013/08/20
  • 戦争の悲惨さを改めて感じさせる作品。小学生のとき地元の図書館で読んで、その迫力あるタッチが不気味でトラウマになったものです。主義主張はさておいて、今改めて読み返すと、重く悲しいストーリーの悲惨さにはもちろんのこと、無理矢理にでも明るく気丈に振る舞うゲンたちの心情の描写に毎巻泣けます。登場人物のひたむきさにはただただ驚嘆…(泣)。

    そして一方で、エンターテイメント作品としても名言が溢れているような気がする…。中沢さんの笑いのセンスが凄まじいです。

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著者プロフィール

ンガ家。1939年3月14日、広島市生まれ。小学1年生の時、爆心地から約1.2キロメートル離れた学校への登校途中に被爆。1968年に、原爆を題材としたはじめてのマンガ「黒い雨にうたれて」を発表。1973年より「はだしのゲン」連載を週刊少年ジャンプで開始。2012年12月25日、肺がんのため死去。享年73 。

「2020年 『完全版はだしのゲン7』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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