ドン・ロドリゴの幸運: 日本・メキシコ交流の始まり

著者 : 小倉明

• 汐文社 (2008年12月1日発売)

感想・レビュー・書評

[れもんさんの感想 · 2009年6月28日]

今から４００年前、スペイン領フィリピンからメキシコに向かっていた船
サン・フランシスコ号が、房総半島沖で遭難し、
フィリピンの臨時総督だったロドリゴを含む乗組員３７３名が、海に投げ出された。
かろうじて陸地に泳ぎ着いた者たちに救助の手を差し伸べたのは、
千葉県夷隅郡御宿町岩和田の３００人ほどの村人たちだった。

村人たちの献身的な救助に感動したロドリゴたちだったが、
役人たちの対応がどう出るのか、不安でいっぱいだった。
なぜなら、わずか１３年前の豊臣秀吉の時代に、
同じように遭難した外国船の乗組員たちが皆、処刑されていたからだった。

しかし、大多喜藩の殿である本多忠朝は、ロドリゴに敬意を表し、
丁重にもてなし、二代将軍徳川秀忠に謁見できるように取り計らってくれた。

江戸時代初期に、こんな国際交流があったんですね。
岩和田の村人の献身的な行動には、感動です。
殿も器の大きな人物で、かっこいい。
日本人として誇りに思います。