- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784812426135
作品紹介・あらすじ
レオナルド・ダ・ヴィンチは、自らの作中になぜ暗号を残したのか?そこに潜む過激な意図とは何なのか?マグダラのマリアとは、一体何者なのか?秘密結社は、歴史の裏側で何を行ってきたのか?そして聖杯とは…?謎が謎を呼ぶ『ダ・ヴィンチ・コード』の世界。「真実」か「虚構」か?世界的ベストセラーの本格的解読書決定版!飽くなき好奇心と、ファンの知性を刺激する一冊。
感想・レビュー・書評
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こういう本は、好きです。まあ、人のふんどしで……という感じはするのですが。
ただし、これだって、本来的にはすべてを信じていいわけではありません。本当に真実をしりたいのなら、自分で一次資料を見ていくしかないんだと思います。
でも、そんなヒマはないので、こういう本は、楽しいです。
まあ、小説というか物語は、いろんなことのきっかけになりうると思います。シュリーマンが、トロイの木馬を発見したように。
楽しむ目と疑いの目と、両方をバランスよく。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書で印象深い、思わず「フフ」と声を出して笑った解説の一つ、
< ファーシュの綴りにアクサンを正しくつければ、フランス語で〝怒っている〟という意味の単語になる >
ダン・ブラウンの類稀で入り組んでいてオシャな命名たちの中でも一線を画す単純さで笑う -
先日、久しぶりにテレビで映画「ダヴィンチ・コード」を観たのがきっかけで、キリスト教に纏わる伝承やミステリーを知りたくなって、積ん読してた本書を読んでみた。
本書によれば、初期のキリスト教はともかく、カソリックに統一された以降のキリスト教では、女性蔑視の強い傾向が見られるとのこと(女性を情緒的で欲望への流されやすい淫らな存在と決めつけ、司教等の宗教指導者にはさせず、魔女狩り等で虐げられていたらしい)。そのベースには、キリストの一番弟子(妻?)だったマグダラのマリアとそれを妬んだぺテロらの男性使徒の対立があったようだ。霊感が強く、毅然と振る舞う強い女性に対する教会指導者達の怖れが、女性蔑視・弾圧に繋がったのだろうか? キリスト教世界においてマグダラのマリアの復権がなされつつあるとのことだが…。
ダヴィンチの絵に隠された暗号については、彼が科学者=異端思想の持ち主で、絵の中にその思想を分からないようにそれとなく描いていた、ということのようだ。 -
少しアンチ?難しかった。
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サザエさんに対して『磯野家の秘密』、金田一少年の事件簿に対して『金田一少年の推理ミス』と同様に、『ダ・ヴィンチ・コード』に対して様々な史実や科学的分析の見地からまとめ上げた一冊。『ダ・ヴィンチ・コード』の内容に対して、真実派/虚偽派に傾倒することなく、遍く真実を出来る限り収集し、ニュートラルな視点で書かれています。
かつて、キリスト教が自分たちの都合がいいようにその教えを矯正してしまったのは事実。しかし、その全てが事実とは限らない。
『ダ・ヴィンチ・コード』は史実を元に書かれてはいる、とあっても、やはり小説。きちんとしら裏づけも無く史実と結び付けてしまった点が多々あり、それが、世界中で論争を巻き起こしてしまっています。
しかし、それでは全てを正しい史実に基づいて書いた方がいいのか、というと、個人的にはそうとは思いません。それこそ、世界中で暴動が起こりかねないから。
一般の人が興味を引きそうな人物の事実と、創作が織り成す、フィクションだけれどもノンフィクションに近いような緊張感をアクセント付けるところが、『ダ・ヴィンチ・コード』の醍醐味なのでしょう。
難しい本でしたが、それは個人的に世界史の勉強不足だからいいとして(笑)
ただ、この本がきっかけで世界史(特に宗教史)について興味を持ってもらうのもいいですし、逆にこの本を読んでから、本編を読むのも、一つの醍醐味かもしれません。
ところで。
優勝賞品に『トロフィー』が必ずといっていいほど登場するのは何故でしょう?
"trophy"の語源は、ギリシャ語の「敵の敗北を記念するもの」だそうですが、雌を巡って雄通しが戦うというのは人間社会でも当てはまりますから、もしかしたら、
戦勝品=女性=杯=トロフィー なのかもしれませんね。
(ネットで調べてみましたが、トロフィーの由来についての記述はありませんでしたので、定かではありませんが……) -
ダ・ビンチ・コードの初めに、「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、全て事実に基づいている」と書いているが、それぞれの専門分野のドンに言わせればそれは間違っているという指摘が多々ある。ダ・ビンチ・コードはフィクションでありながらノン・フィクションの部分が多く混じっており読者が鵜呑みにしてしまうことも多いと思う。その状況を打破するためにもこの本を読んで知識を広げるのはいいと思った。