萌道 (バンブー・コミックス)

  • 竹書房
3.07
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784812468067

感想・レビュー・書評

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  • カラスヤ漫画のすごみは、全体からわき出る完成度の低さに反していつの間にか爆笑させられてしまう、そういう荒削りさにあると思う。
    いや真面目に見ればすごく高いレベルにあることはわかるんだけどさ、少なくとも初見で「すごい漫画が現れたものだ」とは思わなかったでしょ普通?

    今回はレポート漫画の形式だが、レポート漫画にありがちな「インタビュー文章に絵をつけた状態」ではなく、あくまで作者自身の心の動きを中心に追っているところがいい。
    カラスヤ漫画の魅力は本当にこの作者はくだらない(いい意味)ことを考えているな、というあきれにも似た笑いなので、この『萌道』も入口こそ変化球に見えるが純粋なカラスヤ漫画なのだ。本当、あんまりくだらないことが面白いのでこれで笑っている自分が不安になってしまう。

    萌えに素人の作者が萌えを学ぶ、という形態をとっているように見せかけて、意外に「わかっている」のも良い。萌えが与えられるものではなく自身が参加してはじめて機能する一種の「粋(いき)」と看過した上で、決して野暮を言わない作者の姿勢はありがちな偏見や上から目線とは無縁だ。
    「やめんか桐くん! メイドさんをすべらすなんてどんな感受性しとんじゃ!!」 この言葉がもつ懐の深さには感服させられる。先生が詠んだ萌え川柳は本当に普通に上手いしね。
    それにしてもこの台詞といい「あの小悪魔がそんなことするわけないでしょう!」といい、オタクの「粋」な言葉遣いは魅力的で、そして楽しい。

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著者プロフィール

1973年大阪府出身。関西大学社会学部卒業。2003年、『月刊アフタヌーン』読者ページの欄外に自らの体験を題材にした4コマ漫画『愛読者ボイス選手権 特別版』を掲載し始めると、次第に人気を集め、2006年からは独立したページを持つようになり、2006年に掲載作をまとめた作品集『カラスヤサトシ』が刊行された。

「2017年 『カラスヤサトシの日本文学紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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