37℃ (SHY NOVELS 206)

著者 :
  • 大洋図書
3.58
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本棚登録 : 234
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784813011743

感想・レビュー・書評

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  • 08/10/13
    演出家×銀行員。
    紆余曲折あって両想いになったのにラブラブというよりは砂の城みたいな危うさがあります。仄暗ーい感じ。
    ラストもハッピーエンド!!という感じではないので読後感も後を引きます。同人誌でもいいからその後を読んでみたい。
    静かな文章と北畠さんの絵がぴったりでした。
    『おまえのからだのことなら、なんでも知ってる。だけど、俺はおまえがわからないよ。おまえの心はわからない。』148P

  • 文体と主人公の語り口調といい空気感が凄かった。
    ストーリー自体に奇天烈さは無いけれど見えそうで見えないけどなんとなく匂わせているかもしれないところとかとにかく凄かった。
    人生の午後という言葉を知った。

  • 野田と若杉のふたりの関係は、細かく繊細に描かれていて
    とても読み応えがあり
    深い深いところでつながるふたりを感じました。

    ただ野田のまだ離婚していない奥さんのあまりの身勝手さのせいで
    ふたりの心に残すであろう大きな心のわだかまりを思うと、
    読後も奥さんへの気持ちの悪さや腹立ちが後を引いてしまって・・・。
    離婚の原因が野田にあるとしても、
    別居中とはいえ自分の次の幸せのために新しい恋人を作って
    離婚しようと前向きに進もうと自分から野田に離婚をしてほしいと言ったのに
    野田がすんなりその離婚を承諾したことに疑問を感じて調査員を雇い
    野田のセクシャリティを知って自殺未遂って・・・。
    (本人に自殺する気があろうとなかろうと結果はそうなのだから)
    んー、びっくりはするだろうけれども、そんな形で
    人の心を縛り付けるような行動がどうしても後を引いてしまって
    心にこのことばかりが残ってしまいました。

    これからのふたりが、心を寄せてこの件も乗り越えて
    同居しようと野田が言った時のような晴れやかな気持ちで
    幸せになっていて欲しいと、
    真剣に願うほどのめりこんで読んでしまいました。

  • セフレだった男と10年越しに再会する話。

    主人公の野田は潜在的にゲイだったのですが、
    それを自分自身で認めることが出来ず、
    罪悪感にさいなまれています。

    いかにも遊び人そうな(と勝手に野田が思っている)
    若杉とセフレ状態になりますが、これが病んでます。
    マゾ気質を全開にしてSMプレイ状態。
    野田の事が好きな若杉は求める通りにしますが
    それが辛くなって、自分に気持ちが向かない事にも
    辛くなって二人はいったん別れます。

    10年後再会した時は、野田は離婚協議中、
    若杉は野田の若い頃に似た青年と同棲中。
    二人は再び同居するようになります。
    若いころと違いすぐに身体の関係には至らず
    若い頃にはできなかったお互いの気持ちを
    忖度し合い考えるターンが長めにあります。
    これがなかなか面白かったです。

    優柔不断な受けに振り回される攻めは哀れですが、
    ついに気持ちが通じ合った時はよかったな~って
    ホッとした気持ちになりました。
    以前の事があるのでなかなか不安が払拭できない
    不憫な攻めにも萌え。

    常に不穏な空気を孕みながら、
    意外と穏やか展開だったこのお話。
    最後の最後で爆弾来たー!
    ああ、これからどうなるんだろう…
    と、不安いっぱいで物語は終わります。

    何があっても愛を貫く、って言うほど
    この二人の関係強固じゃないですよね…。
    心配です。

  • 風邪をひいたときの微熱・・・37℃・・・冷静な思考と気だるいカラダ・・・微熱は一番タチが悪い。
    それはこの二人の関係も同じことのようで・・・。

    読んでてどこに気持ちを持って行っていいかわからない。
    なのにものすごく気になる引きこまれる。
    私自身も37℃という微熱に浮かされてしまったようだ。

  • ★3.0。萌えたからこそ、読むのが非常にしんどかった…。追う攻と追わせる受、恋人なのに片思いのようで可愛さ余って憎さ百倍…そんなじれったさは結構好きです。攻を振り回す受の自己保身も「タチが悪い」から仕方ないかなと思う。しかし、想いが通じたかと思っても常にどこか軋んで、甘くなる一歩手前で突き落とされてしまう歯車の噛み合わなさ…。終始不安感が付き纏い、何度目かの突き落としで挫折しかけたほど…。その後を見てスッキリしたいなあ。

  • まだ途中。うーん…うーーーーん  

  • 不倫ものは好みじゃなかった・・(´・ω・`)

  • じりじり焼かれるような緊張感と切なさがすごく良かった。

  • 【あらすじ】 銀行に勤める野田に突然掛かってきた数年ぶりの電話。それは、大学時代の野田の秘密を共有する男、若杉からだった。泊めることを了承してしまえば、面倒なことになる…そうわかっていながら、野田は頷かずにはいられなかった。とっくに終わったはずの関係だ…それなのに…?静かな熱病のような恋が始まる―。

    やさしくしたい若杉(攻)と素直じゃない野田(受)。切ない場面は多々あって、最後は不穏な終わり方なのだけれど、通して若杉の一途でやさしいキモチに包まれた。
    日常的なストーリーの話を好んで読む中で、若杉のような攻がとても好き。好みの話とは好みの攻とイコールで、読了感の重点的な部分だと、改めて思う。

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