数学モデル入門 (ORライブラリー 3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784817153036

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  • ほとんど流し読み(数理科学の書籍は本来流し読みすべきでない)。しかし,数学モデルの理念は僕の周りの人からは絶対に得られないので,辞書的な用途が可能らしいことは確認できた。



     現実の問題に数学を利用するには定式化が必要である。しかるに複雑な現象の本質を見きわめ,根本的な原理を洞察して数式によって表現することは容易ではない。数学の問題は解くよりも作る方が一層むずかしい。(p.i)

     すべての理論や証明はそれがある特定な人のためにするようなものであったり,その論証が特定の人達の利益に結びついていたり,あるいは特殊な人の考え,感じ,すなわち主観に依存しているところが多い場合にはこれに共鳴する人はあっても万人を納得させることがむずかしい。そして真理はすべての人に理解されるものであることが必要である。すなわち客観性が保証されていなければ説得力が弱いわけである。(p.6)

     世の中には始めが正しくても結果が間違いであることや,始めと終りをつなぐ説明が論理的に間違っていてその不正を指摘することがむずかしいことがたくさんあるが,数学を用いるとこのような間違いを犯す危険はすべて免れることができるのである。(p.8)

    “どんな現象でもそれと同じ様相を呈する機械的模型を想像することができるまでは理解することができない”(p.13, ケルビン卿)

     ORは問題解決の方法を研究する学問である。しかしまず第一に問題の発見がなければならない。問題意識のないところではおよそORは発展しない。問題の発見はORワーカーでなくてもよい。これにはなんら専門的知識は必要としないであろう。しかしそれを定式化するにはやはりORの専門家の援助を必要とするかも知れない。問題が正しく認識され,目的や条件が明らかになればそれで,もはや半分は解けたということができよう。またこの段階で問題の定義を誤ると後からは是正が困難である。問題の設定が終わればそれだけで解決してしまうことも珍しくはない。これをOR以前の問題という。(p.99)

    …シミュレーション・モデルが完成するまでには多くの労力が必要であるが,一たび完成するとそれは何よりも有力で経費もかからない実験道具となる。(p.209)

    現在はコンピュータが普及しているから方程式の形式に問題が表現さえできればそれを解くことはそれほど困難ではない。むしろむずかしいのは「問題の作り方」すなわち,そこに現象があるときそれを方程式の形に表現する方法―数学モデルの作り方―であって,解き方の方ではない。(p.240)

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