声の文化と子どもの本

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  • 日本キリスト教団出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784818406575

感想・レビュー・書評

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  • 質のよい絵本や物語を子どもに与え、読み聞かせてあげよう、何歳になっても読み聞かせというものは大切で自分で本を読むのとは全く違う体験ができる、という大筋は小澤俊夫さんが著書で書かれている内容と共通する。
    原著を同じとする昔話の絵本は五万とあるが、ほんとうに美しく物語を紡ぐ文と挿し絵を持つ本は一握りである。語り部や原著で繋いできた生きたことばで書かれた本は、子どもだけでなく大人の心も惹き付ける。
    私自身、保育園時代に園で薦められた月刊誌「こどものとも」をよく読み聞かせられたが、それが読書好きの根幹となっている。
    福音館書店創始者のひとりである作者が、キリスト教の視点を元に書かれた声のことばと子どもの本である。

  • キリスト教信者の方には、この本を読むことによって、
    特に絵本を手に取るすばらしさが分かる、と思います。

  • P64 名文でなくてもいいが、文章が生きている必要はある。死んでいる文章、どんよりした、影の薄い文書では困るのだ。私に言わせれば、文体論でいちばん大事なのはこのことなのである。もちろん、生きている文章といふものこそ、何のことはない、名文なのだといふ考へ方も成立するわけだけれど。そしてわたしは。子供に与へる文章といふのはぜったい、上手下手はともかくとhして、生きのいい、生気にみちた、文章でなければならないと思っている、それは子供に、人間の精神と文体との関係を教へるのである。『日本語のために』新潮社 丸谷才一

  • 絵本と本は違うもの。絵本は絵からのメッセージをもらいながら、聞こえてくるお話を同時に楽しむもの。だから、自分で読むものではなくて、読んでもらうもの。
    あ〜、そうだったのかぁ! だから大人にだって、絵本を読んであげていいんだ。それが楽しいんだ。なんだか子どもっぽいなんて思わないで。でも良い絵本を選ばないとね。まずはアンデルセンから・・かな。読み終えるととっても嬉しくなる本です。

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著者プロフィール

松居 直(まつい・ただし):1926-2022年。京都生まれ。同志社大学卒業とともに福音館書店に入社。絵本の出版・編集に従事し、1956年に「こどものとも」を創刊。石井桃子、瀬田貞二、松岡享子などと交流を深めるとともに、加古里子、赤羽末吉、堀内誠一、長新太、瀬川康男、安野光雅、中川李枝子ら多くの絵本作家を発掘。『おおきなかぶ』『ぐりとぐら』『だるまちゃんとてんぐちゃん』など、今なお愛される絵本が生まれた。自身も絵本の文や再話を手がけ、海外の優れた絵本も紹介。日本の絵本文化の発展に大きく貢献した。1993年出版界で初めてモービル児童文化賞を受賞。1996年日本児童文芸家協会より「児童文化功労者」の表彰を受ける。著書に『私のことば体験』(福音館書店)、『絵本は心のへその緒』(ブックスタート)、『松居直のすすめる50の絵本』(教文館)など多数。

「2023年 『絵本とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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